りぃさん、りぃ……。そうそう、またあなたに手紙が届いておりましたよ。なんだってここに来るのか不思議なのですが……。
えっ?ありがとう。
こちらです。……もしかして熱心な恋文ですかな?いえいえ、もちろん中身を見たりはしてませんよ。あまりに何度も来るものですから、ハハハ……。
だいじなもの:スカリーYからの挑戦状を手にいれた!
また挑戦状やんけ!
……よく来たネエ。アタシからの招待を一度目で受けてくれたのは、アナタが初めてサ?
そ、そうなのね。
祖国のヤツらは、みんなアタシと戦うのが好きじゃアないみたいでネエ。本気(マジ)勝負じゃないって言ってんのにサ?けれど前にも言ったように、アナタとは本気(マジ)でやらせてもらおうってのに、来てくれて嬉しいよ?
ヒィ。
ほんとにやるの……?鍛え上げるために手を貸すならいいけど、本気でやったらりぃは……
その方がおもしろいじゃアない。男神を倒した冒険者を、罪狩りが倒せば、アタシらにハクがつくってもんでしょう?
ヒィ!
それにアタシ、いくら本気じゃなくても、誰かに負け続けるってウザくてしょうがないのよ?
だから、ここらでスッキリしたいワケ。アナタの存在自体、スッキリ消しちゃって……ネエ?
ヒイィ!!
そこまでだ!
姉さん!?
姉貴!?
おまえたち罪狩りは多くの同朋に見守られていることを忘れるな。おまえたちがここで制裁の場を持つこと、旅先にあっても私の耳にまで聞こえてきたぞ。
私とおまえたちがこの冒険者に負けた理由。それは、冒険者が持つ「正義」に負けたのだ。
正義に。
罪狩りであることが私たちに「正義」をくれる。しかし、彼女の持つ「正義」がより強かった。
スカリーY、おまえの言い分に正義があるとは思えない。このままでは、おまえの正義と存在が消されてしまうぞ。
……ウウッ……
自覚あるんかい。
しかしりぃ、おまえがここに来てくれたということは、おまえにもより強くなろうという意思があるのだな。
まあそれは、うん。
であるならば、私を含め、この3人とお手合わせ願おう。
何ィ。
果し合いなどではなく、お互いを高めるための練習試合として。
姉さん!もう1度、姉さんと一緒に戦えるんだね!?
フン。アタシは、戦いさえできれば文句はないサ。姉貴に従うよ。
では始めよう。正義の名において、本気で来るがいい!
私はまだやるって言ってない~!!
という叫びも空しく戦闘は始まるのであった。
磨かねば光らぬ金剛石のごとく、砕かれても光る金剛石のごとく……それが「正義」だ!
ドヤァ。
つ、強くなったな……
ムニャーっ!ボクの正義が……へっこムニャー!
へっこムニャー!!
チクショウ!姉貴、こんな試合、アタシは認めないよッ!
地面蹴ってる。
罪狩りを辞めた私にはこの試合こそが、本当の戦いだと思えるよ。さあ、おまえたちを鍛えなおしてやる。
りぃ、おまえも気が向いたら、また来るがいい。スカリーXとY、そしておまえはまだまだ強くなる。
うん。
私はしばらくの間、彼女たち、そしておまえの未来に付き合おう。
罪狩りやめて、なんだか楽しそうね。
よかったのぅ。