コッコちゃんと碧い石 其の壱

コッコ・エルエク Kocco Ehllek うくく!うれしいにゃ~。きれいな石なのにゃ~ママニャにはまだないしょなの~。うくくく!

コッコ・エルエクがコソコソ嬉しそうにしている……。

綺麗な石を見つけて嬉しいのかな?

??? : ……みつけたよ。コッコ……!

コッコ・エルエク ……んにゃ?

ロン・エルバルナ Rohn Ehlbalna あんた、またシャイリリさんのところで石を盗んだそうじゃないかっ!
コッコ・エルエク ……んにゃにゃっ!

盗んじゃったの。

ロン・エルバルナ まったく!何度叱られたらわかるんだい!よそさまの物を勝手に持ってくるんじゃないっていっつも口すっぱくして言ってるだろ!!そんな子に育ったなんて……ママニャ情けなくて涙でてくるよっ!

ママニャなの?

ママはロン・エルバルナで、コッコちゃんはコッコ・エルエク。
名字が違うけど…?

コッコ・エルエク ……ああぁぁご、ごめんなさいにゃ~。
ロン・エルバルナ 謝ってもダメッ!ほらっ、お仕置きだよっ!尻だしな!

コッコ・エルエク い、いやにゃぁぁぁぁ~!!

バシーーーン!

コッコ・エルエク ぎ、ぎぃにゃゃぁあぁぁぁ~っ!!

おっ、お尻ぺんぺんだああああ!!!

バシーーーン!

コッコ・エルエク うわあぁぁぁ~~ん!!!
ロン・エルバルナ 反省しなさいっ!

バシーーーン!

りぃ はわわわわ。
シャイリリ Shairiri ……あぁ、可哀想に……。

ん?

シャイリリ コッコちゃん。うちのお店から石を持ってっちゃうんだけどちょっと悪戯が過ぎただけだと思うの……。

シャイリリさんだ。

シャイリリ たぶん、お母さんがお仕事で忙しいからかまってもらえなくて淋しかったのよ。ねぇ?

なるほど。

でも、お店のものを盗まれたのにそうやって相手のことを考えてあげられるって、シャイリリさん相当優しい人だな。

ロン・エルバルナ 悪い子はギデアスに放り込んで、ヤグードの餌にしちまうからねっ!
コッコ・エルエク いやにゃぁぁぁ~!う、うぅぅぅわあぁぁぁ~~ん!

コッコ・エルエク ……うっ、うぅぅっ。

厳しい気もするけど、やってはいけないことをしっかり教えたいのも分かる…。

シャイリリ 行って、お母さんにそう伝えてあげてくれない?私はコッコちゃんを慰めてるから……
りぃ うん。わかった。

ロン・エルバルナ ……ん?なんだい、あんた?
りぃ シャイリリさんが、コッコちゃんは寂しいだけだろう。って。

ロン・エルバルナ ああ、さっきのを見てたのか。まったく、恥ずかしい限りだよ。自分の娘が盗みをするなんて……。

ロン・エルバルナ シャイリリさんは優しいから気にしてないって言ってくれてるけど……。躾はビシっとしないとさ。

うん、まぁねぇ。
でもちょっとやり方を変えた方が…。

ロン・エルバルナ ……あたしは傭兵なんだ。いつ戦いで、敵にやられるかわかんないんだよ。

そっか。
だから早くいろんなことを教えておきたいのね。

ロン・エルバルナ コッコは戦場で引き取った子であたしの他に身寄りがいないんだ……。だから、あの子には、あたしにもしものことがあっても、立派に生きていけるようになってほしいんだよ。それで、ちょっと厳しくしてるけど……

戦災孤児かぁ。
だから苗字が違ったのね。

ロン・エルバルナ ……ハァ。しかし、あの様子じゃ心もとなくって安心して戦場にいけないよ。

ロン・エルバルナ ……そうだ、あんた。なかなか腕が立ちそうだし、世の中のことも見てきた風だね。もしよかったら、あの子にぴしっと、世間の厳しさってもんを教えてやってくれない?
りぃ ぴしっと…?

うーん、どうしよう。