うくく!うれしいにゃ~。きれいな石なのにゃ~ママニャにはまだないしょなの~。うくくく!
コッコ・エルエクがコソコソ嬉しそうにしている……。
綺麗な石を見つけて嬉しいのかな?
??? : ……みつけたよ。コッコ……!
……んにゃ?
あんた、またシャイリリさんのところで石を盗んだそうじゃないかっ!
……んにゃにゃっ!
盗んじゃったの。
まったく!何度叱られたらわかるんだい!よそさまの物を勝手に持ってくるんじゃないっていっつも口すっぱくして言ってるだろ!!そんな子に育ったなんて……ママニャ情けなくて涙でてくるよっ!
ママニャなの?
ママはロン・エルバルナで、コッコちゃんはコッコ・エルエク。
名字が違うけど…?
……ああぁぁご、ごめんなさいにゃ~。
謝ってもダメッ!ほらっ、お仕置きだよっ!尻だしな!
い、いやにゃぁぁぁぁ~!!
バシーーーン!
ぎ、ぎぃにゃゃぁあぁぁぁ~っ!!
おっ、お尻ぺんぺんだああああ!!!
バシーーーン!
うわあぁぁぁ~~ん!!!
反省しなさいっ!
バシーーーン!
はわわわわ。
……あぁ、可哀想に……。
ん?
コッコちゃん。うちのお店から石を持ってっちゃうんだけどちょっと悪戯が過ぎただけだと思うの……。
シャイリリさんだ。
たぶん、お母さんがお仕事で忙しいからかまってもらえなくて淋しかったのよ。ねぇ?
なるほど。
でも、お店のものを盗まれたのにそうやって相手のことを考えてあげられるって、シャイリリさん相当優しい人だな。
悪い子はギデアスに放り込んで、ヤグードの餌にしちまうからねっ!
いやにゃぁぁぁ~!う、うぅぅぅわあぁぁぁ~~ん!
……うっ、うぅぅっ。
厳しい気もするけど、やってはいけないことをしっかり教えたいのも分かる…。
行って、お母さんにそう伝えてあげてくれない?私はコッコちゃんを慰めてるから……
うん。わかった。
……ん?なんだい、あんた?
シャイリリさんが、コッコちゃんは寂しいだけだろう。って。
ああ、さっきのを見てたのか。まったく、恥ずかしい限りだよ。自分の娘が盗みをするなんて……。
シャイリリさんは優しいから気にしてないって言ってくれてるけど……。躾はビシっとしないとさ。
うん、まぁねぇ。
でもちょっとやり方を変えた方が…。
……あたしは傭兵なんだ。いつ戦いで、敵にやられるかわかんないんだよ。
そっか。
だから早くいろんなことを教えておきたいのね。
コッコは戦場で引き取った子であたしの他に身寄りがいないんだ……。だから、あの子には、あたしにもしものことがあっても、立派に生きていけるようになってほしいんだよ。それで、ちょっと厳しくしてるけど……
戦災孤児かぁ。
だから苗字が違ったのね。
……ハァ。しかし、あの様子じゃ心もとなくって安心して戦場にいけないよ。
……そうだ、あんた。なかなか腕が立ちそうだし、世の中のことも見てきた風だね。もしよかったら、あの子にぴしっと、世間の厳しさってもんを教えてやってくれない?
ぴしっと…?
うーん、どうしよう。