
……このあいだ皇宮に侵入したテングの偵察隊……俺の考案した4人1組の突入隊形を組んでやがったから妙だと思って、密かに調べていたんだが……シャイーハ……やはり、貴様だったか。

元気そうじゃねぇか!

ひ、久しぶりです!ガダラル隊長……いえいまは将軍になられたのでしたね。
隊長でいいさ。もうすぐ、軍籍も剥奪されるようだしな。

だろ?そこの傭兵。
う、うーん。限りなく危機ではあるっぽいよ。

やはり……隊長、聞いてくれ!
いいや、聞く耳もたん!今や、貴様と俺は敵同士。昔話は、お互い引退してからにしようぜ。

隊長の東方戦線の多大な功績。そして、虜囚に身をやつしても決して、屈しなかった気高い忠節も忘れ……前線視察に赴いたことすらない者たちが隊長を裁かんとしている……

そんな国家に忠誠を尽くして、いったい何になる?
アトルガン皇国、腐ってるからねぇ。

…………。
でも、もしかして変わるかもしれない、変えられるかもしれないと、期待している?
東方の大君は、一度、拝謁した時、「敵なれど、羅刹こそ真の武人と思ふ」と隊長を評された。臣下に迎えたい、とも……

ガダラル隊長!私と一緒に来てくれ。そして、かつてのように轡を並べ、共に戦場に……!

……断る。
……なぜ!?
アッサリ断ったぁ!

ああ?答えは、あっちのケチなお仲間に聞いた方が早いんじゃねぇか?

??? : シャイーハよ。少しは使えると思ったが……がっかりしたよ。

ヤグード!

あっ!こいつ!!
査問を担当しているマルザーブ閣下じゃないか。
お前が黒幕かよ!

フン。しびれを切らしてここで出張査問会でもおっ始めようってか?
まあ、そんなところだ。

不滅隊の目をかい潜って皇宮内部に侵入するような芸当、内通者の手引きでもなきゃあ、無理たぁ思ってはいたが……こいつぁとんだ大物だったようだな。

……シャイーハ、なんのつもりだ。勧誘に失敗したら、速やかに殺せ、と命じたはずだが?

……。

あんなヤツと手を組むのか?
……ええ。でも、私は貴方を殺したくない。だから、たとえ力ずくでも……

フン、相変わらずだな。てめえの石頭は!
本当に力づく対決するんかい!

……おい、傭兵。こいつは武人同士のタイマンだ。手出しすんなよ。
うん。







……お覚悟!


動かない。



ガダラルから動いた!





鍔迫り合い…!


離れた!





連続攻撃!
シャイーハが押してる。




首…!


ギリギリで避けたぁ!


そのまま蹴り飛ばし。


起き上がったと同時に攻撃だ!


峰打ちだ!




ツンバカとか、らせつwとか、やわらか将軍とか言われてるけど、強い…!

……クソッ!


鎌を蹴った。

……腕上げたじゃねえかッ!

クッ……

……しかし、まだまだ俺ほどじゃねえな。


攻撃をやめた。
始めから傷つけるつもりなかったみたいだものね。
それよりもあっちをどうにかしないと。って感じ。

尻尾まいて、帰りやがれ。

……

……端からわかっていた。隊長は来ないだろうと……
私は、隊長と他の五蛇将との離間を図るためまず天蛇将に近づいた……

……ガダラル将軍が敵に内通しているだと?あり得ぬ!

普段の言動からは信じられぬだろうが、将軍ほど、部下に篤い将はおらぬぞ。たとえ、一国の封土を交換条件に出されても、彼はむざむざ部下を死地に追いやるようなマネはすまい。



他の3将も同じような答えだった……いつも振り回されているだろう、傭兵たちすら……

そして、罠にかかりながら、隊長のために口を閉ざし続けたそこの女……
いっ、言わなくて良かった!!

クッ……!

ん?誰かがインビジで隠れてた?

弓!?

!!



そこの女が、うらやましいよ、ガダラル隊長……

私は東方に行き、命を得たが……もっと大切なものを……失ってしまったようだ……
胸元に刺さってたけど大丈夫か…?

あっ!2射目!!


ガダラル!!


ええーっ!
放たれた矢を空中で燃やしたぁ!!


ビビってデジョンで逃げたー!

なっ……バカな!?……クソッ、茶番にも飽いた!査問委員会の決定を伝えてやる!2人とも射殺だ!

うおー!



……待ちやがれッ!!
何人かデジョンで逃げて行った!


??? : ……ガダラル将軍!
むっ。ラウバーン……

内通者の線が色濃いため、我が不滅隊が一連の事件を預かった。その女、引き渡してもらおう。
いま、取り込み中なんだよ……

失せろッ!
さすがの対応です。

……なに?

……ガダラル将軍。またいずれ、刃を交えん。それまで……
じりじりと下がってる。

くたばるなよ!


飛び降りちゃった!

しまった!!下だ!崖下に回れ!
青魔道士の人が消えた。
走って追いかけるんじゃなくて、消えて…ワープしてるのかしら。
後ろの青魔道士じゃない人が驚いてる。

お前もな……。
まぁ、死なないよね。

ハイドランジア、か……。……最近は、供花にしかならなかったが……

考えてみりゃ、俺らは湿っぽいのはガラじゃなかったな、シャイーハ!
突然花が出てきたァ!?
ここに来るから持ってきてたってこと…?

ほらよ、受け取れ!約束の出世祝いだぜ……!


礼は言わぬ。
あっ、副官の人が来てる。

……だが此度の貴様の尽力、心に留め置く。

……シャヤダル呼びに来たんだろう?俺の用は済んだ。査問会に出頭してやる。ルガジーンやナジュリスが、顔を真っ青にしてぶっ倒れる前にな。行くぞ!
はいっ。

ひとりで帰っちゃった!
デジョン2して欲しかったっ。

(いろいろと世話になったな。改めて礼をしたい。あとで、シャララトで会おう。)
うん。わかった。