
ふっ、チョロいもんよ。

よしっ。
エグセニミル達は大丈夫かな。


あれっ。
起き上がっちゃった。








すごい!
強い!

あっ!倒せてなかったアイツ!
やばい!!



ラーアル!!

グホァァアアアッ!
あっ。

ちッ、畜生~ッ!!


ナイス連携!
確かにこれはそこらの大人より強いかもしれない。

(ヴェグロック!)……ガキだと思って甘く見ていた!クソォ!普通に強ェじゃねェか!!

グッ……とにかく出直しだ。オレサマだけでかなう相手じゃねぇってことが、よーくわかった。
強かだわね。

ゾッグボッグ!また逃げるのか!
に、逃げるだと!?バカにするな!これは「戦術的撤退」っつーんだよ!
物は言いよう~。

覚えてろッ!次会うときは必ずお前の首をチョウダイする!なぜならお前はオレサマの氏族の……カタキだからな!
大人のエグセニミルが全滅させちゃったのかしら。

(グレックヴック!)それ、退却……イヤ後方にむかって前進だッ!
言葉選びが上手すぎるのよ!


ゾッグボッグのやつ、こないだも同じようなコト言ってたな……仇敵とかカタキとか、なんの話だ?
さあ……。
全く覚えが無いのに、意味わかんないよねぇ。

ところでだ……、りぃ。お前はあとでゴミ拾いな。理由はわかるだろ?
ぐっ。

お前がちゃんとトドメ刺さねーから、危うくオレがミンチになるところだったじゃねーか!
面目次第もございません。

エグセニミル。
うっ……な、なんだよ。アルテニア。今日はわざわざ危険を冒して駆けつけたんだ!怒るなら……。

……ありがとう。
!?

ア、アルテニア……頭打ったんじゃねーのか?

ちょっと、人がせっかくまじめに感謝してるっていうのに、この子は!
いかに日ごろから怒られてばっかりかってのがうかがえるわ。
はぁ……。

ラーアルも、りぃさんも……。……本当にありがとう。あなたたちは、あたしの生命の恩人です。
どういたしまして。

ん?またオークが来てる!?
進軍の地響きがここまで。
な、なに?


ドッグヴデッグ!王都を包囲した軍団の将軍だよ!どうする、エグセニミル!?
ここは逃げの一択でしょう。
そして王都に報告よ。

……エグセニミル?
ん?
黙り込んでる。いつもなら奇襲をかけるとか言いそうなのに。

りぃさん、ここは危険だわ。早く……

あ、あれは……!

うわぁ。現代の修道窟の奥にたまに現れる一番強いヤツ!
野豺軍団のバックゴデック!!こんな近くに!

…………。

きっと、南のラヴォール村に駐屯していた部隊ね。ジュノ方面にむかってるように見えたけど……バックゴデックとドッグヴデッグ……オーク軍の両巨頭と言ってもいい将軍たちよ。それが足並みそろえて出撃だなんて、どういうこと!?
ジュノの方へ?
これは大規模な作戦を実行中なのでは!?

(あ……!)
エグセニミル!今からあいつらを追いかけて倒そうだなんてバカなことを考えちゃ……

……エグセニミル?
どうしたんだろう。
何も喋らない。



いたぞ!……みな無事か!?

アルテニア、無事だったか!

……親父!
エグセニミル、それにラーアル……ルブラール卿のご子息か。それから……

これは……本当にお前たちだけで、これを……?
びっくりだよね。

アルフォニミル様!谷底に、神殿大騎士ダルヴィーユ様が……!

すっかり忘れてたわ!!
生きてるから頭強打とかせずにすんだのね。

ダルヴィーユ卿?まさかそれも彼らだけで……!?わかった、速やかに捕らえよ。
それは見事な飛び蹴りだったよ。

……今は急いでここから離れることにしよう。オークの駐留部隊に気づかれては事だ。

貴公が、りぃ卿か。アルテニアから話は聞いている。
卿!?
愚息らが世話になったようだ。サンドリアに帰還ののちあらためてお目にかかりたい。
うん。