あっ、アルテニア様。りぃどのがいらしたであります!
よかった。あなたを探してたのよ。りぃさん。
何かあったのかな。
遠征のことエグセニミルから聞いたでしょう?これから「中門」前でその壮行会が開かれるの。
現代のチョコボ厩舎がある所、門になってるなぁ。と思ってたけど、中門って名前なのね。
どうしてこの門潰すことになったんだろう。
だから、仲よくしてもらってた、みんなにもいっしょにエグセニミルを見送ってもらおうと思って。
アルテニアさん。いったい、エグセニミルの赤鹿騎士隊はどこへ向われるのですか?
ここだけの話だけどタブナジア侯国らしいわ。
やっぱり。
タブナジア?
おれ、知ってる。父上と母上が話してた。タブナジアは今オーク軍に包囲されつつあるって。
……ええ、そうよ。だからこそ、エグセニミルのお父さまアルフォニミルさまは、騎士の義務を果たすため救援に向かわれることを決意されたの。
タブナジアは難攻不落の天然の要害。オーク軍が二千や三千、来ようと、びくともしない。そう、アルフォニミルさまはおっしゃるんだけど……。
オープニングムービーのあの様子じゃ、それ以上の数だったのかな。
……あ、いけない。あたし、そのために葡萄酒を頼まれてたんだったわ。じゃ、先に行ってるわね!
はい。おれたちも、すぐに行きます!
……僕はいかない。
えっ?
あいつは僕らの騎士団を捨てたんだ。見送りなんて……行く必要あるもんか。
変な意地張ってるぅ。
わ、我輩も行かないであります!
んじゃ、おれもやめた。
あんちゃんが行かないなら、ぼくだって!
ええー!
……仕方ありませんね。
ビスティヨまで。
まぁ、騎士団解散しないなら協調性は大事か…。
もちろん、りぃどのも行かないですよね?
えっ?う、ううーん。
賛成多数。反対ゼロ。これで、決まりであります!
エグセニミル、このまま北方まで行っちゃうから20数年会えなくなっちゃうよ…?
赤鹿騎士隊の見送りの者か?もうすぐ、壮行会が始まるぞ。
まぁ、私は大人だから見送りに来ちゃうよ。
あっ……。ほら、エグセニミル。りぃさんが見送りに来てくれたわよ。
おっ。さすが、オレらのエース。一番のりだぞ!
……っと、わりぃ。騎士団はもうないんだったな。
みんな来ないのかもな。と思ってるのかな…。
なあ……りぃ……。あれでよかったのかな?
……い、いや、なんでもない。忘れてくれ。
みんなに思いが伝わるのはもう少し先になりそうだけどね。
最善手ではなかったとしても、間違いでもなかったんじゃないかな。
こらっ、エグセニミル!またそうやって、つっぱって……
今のだけで全部察したのかな。
ち、違う!オレはあいつらを死なせないために……
今までに無かった表情してる。
なッ!?なにすんだ、アルテニア!
アルテニア?
約束なさい!
絶対に……絶対に、あなたも生きて帰ってくるのよ。
……うん。
身長足りないからかチョコボの足に乗ってからまたがってる。
フィリユーレだ。
探してる…。
あっ!
エグセニミル!
なにをしている?出発するぞ!
気づいたか、気づいていないか…。
本当に行っちゃった……。
きっと、あの子のことだからすぐに元気な笑顔を見せてくれるわよね?……でも、なんでだろう。もう、二度と会えない気がするの……
当たらずとも遠からずかもしれない。
もうあのかわいい少年の姿とは…クッ。
あ……私ったらエグセニミルの大事な門出なのに……ご、ごめんなさい!
プルプルしてる。
可愛がってる子とか、友達とかが戦争に行ってしまうって辛すぎるよな…。
我が子だったら寝込んでしまうと思う。