……何を考えているのだ、ロベルアクベルめ……。また手柄を独占するつもりか？
しかし、先だってのヤグード教団の聖都襲来、あの方の力なくして、撃退は不可能でした。

そうやって何かと前線に出しゃばりすぎるのもいただけん！いくら大魔元帥でも、あの専横ぶりは目に余る。

就任してから、領内のミスラ傭兵は増える一方。その上、オルジリアの傭兵屋にはさらなる出兵を打診していると聞く……。あげくは策に事欠いて、サンドリアに援軍要請など……後先考えず、いらぬ火種ばかり増やしおって……！

めちゃくちゃ不満貯まってるな！！

このまま奴の好きにはさせておかぬ。我とて秘策はあるぞ。出し抜いてくれるわ、ロベルアクベルめ……
……。

カルゴナルゴの司令に任命されたのにこんなんじゃ、すごくやばくないですか？

……ふぅん、悪くない……

猫耳がある。
ミスラか。

いよいよ「らしく」なってきた。忘れてはいないようだね？

らしく？

ヤグードどもが知略、侮れぬ。城砦の守りに一分の隙あらば必ずそこを突いてこよう。

だがその間に敵将が寝首、掻くことができれば……大義を為す代償に犠牲の多寡は問わぬ……。
……へぇ。そりゃ頼もしいね。

綺麗事じゃ戦争はできないよね…。

我はなさねばならぬ。かの方のために……。

かの方？
神子さまではなく？

お手並み拝見、といこう……

謎が多いなぁ。

そしてこのチェス、学者AFクエのシュルツが持ってたのと同じよね。

単に戦略を練ってる感じを出すための小道具なのか、意味があるのか…？
それならば、魔の影もちらつく？

どうなんだろう。

なぁにやってんだい！クソガキ！！
……はっ！

今日が何の日か覚えてないの？まったく！
ああ、そうだった！せんせいは……！

水の区のゲートだよ。これから出立だ。今生の別れになるかもしれないんだから、きちんと挨拶してきなっ！
う、うんっ！

コルモルが出立？

あっ、ジュノの食糧難問題に取り組む研究機関に行くんだ！
黒魔道士AFクエの「思ひ出　其の壱」「思ひ出　其の弐」あたりで話が出てくるよ。

……留守のあいだ、あの子らをよろしく頼みます。
ああ、心配いらないよ。先の城砦の一件でもガキのくせに、なかなか頑張ったからね。

……お、来たね。安心しな。あいつは私らが、責任もって一人前の男にしてやるよ。

……は、はぁ……
？

ミスラに見込まれてるって、すごいじゃない。チビマル。

アジド、しばらく留守にするがそのあいだ、皆さんに迷惑かけるんじゃないぞ？

ああ、きみ。この前は世話になったね。私はこれから、ジュノに発つことになってね……どうかこの子のこと、よろしく頼むよ。
うん。

ウィンダスの未来のためにも。

ジュノには戦時を想定した食糧増産を研究してきた機関があってね。各地の研究者が集まっているんだ。私もそこに招かれて、及ばずながら、協力しようというわけだ。そう、アジドのような子供たちが健やかに成長できるように……

コルモルは借金しまくったり、変なことしまくったり困ったもんなんだけど、子ども達のことは本当に大事にしてて、良い先生で、すごく慕われてるんだよね。
「間違いと過ち」とかで語られてる。

アンシンしていってきなよ！かえってくるころにはちょうビッグなマホーツカイになってるぜ。

コルモルのこと大好きなんだねぇ。

……院長センセイ、ウチの若いのしか護衛につけてあげらんなくて、申し訳ないね。本当は、ジュノまではもっと道に明るいヤツらに案内させるつもりだったんだけど……

大魔元帥閣下ときたらやたらと傭兵使いが荒くてねぇ。さっき命令が来て、腕っこきはごっそりカルゴナルゴ城砦に駆りだされちまってさ。

ティル！ミル！
はいっ！
はぁ～ぃ～。

あんたたち道中、センセイをしっかりお守りしなっ。帰りに道草くうんじゃないよッ！
はあぁ～いぃ～。
んもう、ドンくさいなぁ。おまかせください。ロマーお頭！

なぁに、私もこう見えても耳の院を首席で卒業したエリートです。心配はご無用。それではみなさん。達者で！

前衛がいてくれたら鬼に金棒だね。

ああ、ウィンダスのことはまかせときな！

いってらっしゃい。

……うーん、しかし、大丈夫かね、あいつらで……。やっぱり心もとないねぇ……。
オレがいってやろうか？

バカだね。それじゃあセンセイは心配して、お前をまたウィンダスへ送りかえす羽目になるだろう。
むう……

ちょっと、りぃ。やっぱり、センセイらを追っかけてくんない？無事ジュノに入るのを見届けてくれれば、それでいいから。で、ついでにティルとミルには、任務が終わったらカルゴナルゴ城砦で本隊と合流するよう伝えておくれ。頼んだよ。
うん。わかった。