われわれ第四共和軍団、第7独立戦隊では再編にあたって新兵を募集中である。君は入隊希望者かね?
うん。
よろしい。では、紹介状を見せてもらおう。
……うむ、確かに。それでは、早速だが入隊試験を受けてもらうとしよう。なに、試験は簡単だ。北グスタベルグの監視塔にエドゥアルト塔への小包を届けるだけだからな。
うろうろしてる時にエドゥアルト塔ってあったな。あれか。
監視塔は何基もあるが届けるのは、その中の1基、エドゥアルト塔だ。
いいか。この荷はその塔にいるゲブハルト隊長に渡すんだ。無事に届けることができたら、入隊を認めよう。
うん。わかった。
だいじなもの:エドゥアルト塔への小包を手にいれた!
ゼーガムの丘にあるここだね。
……おお、こいつは!ビスケットに、アンチョビ……あっ、やった!リンゴも入ってる!
食べ物だったのね。
あ……わるいわるい。戦地では、とかく新鮮な果物が不足がちでね。兵たちも喜ぶだろう。
よかった。
……ところで、君輜重(しちょう)兵なんだろ?……その例の文書について、なにか耳にしていないか?
例の文書?
……知らぬようだな。いいだろう。君を信用して話そう。他言は無用だ。
え、初対面なのにそんなに信頼して大丈夫なの?
ここ北グスタベルグの南西部にあるベネディクト塔には、定期的に首府から機密文書が送られている。
えっ。
なぜかって?実はその塔には、さる高名な軍学者が幽閉されているのだ。
ええっ。
そんな重大事項をペラペラと…!
なんでも重大な罪に問われてのことらしいがその恐るべき深謀遠慮には、大統領も膝を屈せざるを得ない、ということらしい。
だが、そんなことが世間に露見してみろ。それこそ一大事だ。だから、その大統領の親書の安全はいつも私の悩みの種なのだよ。
幽閉って、グスタベルグでしないといけないんですかね?
バストゥーク内でやった方が便利だし安全なのでは…。
そうだ、君。よかったら、ベネディクト塔にいる部下のロデリッヒに、その文書が無事に届いたか尋ねてきてくれないか?頼む。
う、うん。
えっ?ゲブハルト隊長の命で様子を見に?だいじょうぶですよ。機密文書の配達には万全の警備体制であたっていますから。
おい、大変だ!機密文書がクゥダフに奪われたぞ!!
言ったそばから!!
なんだって!?
奪還のためすぐさま首府から追跡隊が派遣されたのだが首謀者のクゥダフ兵を捕捉できず……とりあえず現在は、この塔から北東にあるヤツらの陣地に逃げ込むだろうと想定し隊はそちらに向かっている状況だ。
ちょっと待て!もちろん、西にあるクゥダフどものもうひとつの陣地にも、兵を送ったんだろうな?
それが……追跡しているクゥダフ兵の人数もわからない状況だろ。危険を冒してまで西に兵を分かつほどの余裕は、追跡隊になかったんだ。
!!
俺は首府に戻って増援部隊を要請してくる。お前も近隣の塔に連絡して兵をかき集めておいてくれ。
……無理だ。悠長に兵を集めている間に犯人を取り逃がしてしまう……。それに、もし首謀者のクゥダフ兵が、西の陣地に逃げ込んだら機密文書を取り返すのは不可能となるだろう。いったい、どうすれば……。
西の陣地に行けってことですね?
ここかぁ。
特に何も……ん?
あっ。
ええーっ!?
無言で逃げたぁ!!
あれが文書盗んだカメなの?
めちゃくちゃ気が弱そうよ??
??? : そこのカメ、待ていぃ!貴様が文書を奪った野郎だな!?
あーーーーーーっ!
もう、逃げらんねぇぜ。おとなしく、お縄につきやがれ!
ザザーグだぁ!!
いるだろうと思ってたけど、こんなに目立つところで登場とは!
コンボの音!!
やれやれ。朝飯前にくらい、なってくれや……。
ザザーグが強すぎるのでは。
さて、文書は…………ふぅどうやら無事のようだな。
こいつがカメどもの武装親衛隊の手に落ちたらえれぇことになるとこだった。お前が足止めしてくれたおかげだ。礼を言うぜ。
うん。
戻ったか。ザザーグ隊長から聞いたぞ。新兵候補の君がクゥダフ兵を足止めして共和国の危機を救ったそうじゃないか。
いや、何もしてないけど……あのタイミングであそこにいたのが大事だったよね。うん。
いや、期待以上の働きだよ。無論、千人隊長のお墨付きで合格だ。わが第7独立戦隊は、君の入隊を心から歓迎する。
ザザーグが千人隊長?
さて、当面の君の任務はカンパニエの作戦に参加することだ。共にグロウベルグ会戦の雪辱を果たそうぞ!では、さっそく大工房の近くにある兵舎に行って身支度を整えた後、アウレリウス隊長に報告し、カンパニエの説明を受けろ。以上だ。
第7独立戦隊に入隊しました。
申し訳ない。
私は神子さまを助けることに決めているんだ。
これで…サラバだよっ。すまんっ!!