ベルナー軍務大臣……!
本当に死んでる!
ここ、現代のシドの部屋だよね?
……発見されたときはすでにお亡くなりだった。執務室で大統領と会談後、おひとりで大工房に立ち寄る姿が最後に目撃されている。
ザイドじゃないですか。
軍医も遺体をあらためたが胸部を何度も執拗に刺されている。怨みのある者の犯行に見えますね……。
学者クエで出てきたニコラウスだ。
賊は逃亡したのか?
……目撃されていない。即座に近辺を封鎖して捜索中だ。保安庁にも応援を要請した。
ウェライとグンパの逮捕に続いて大工房内で共和軍団の長が刺殺とは……くそっ!
それは無実だろうから必要無いと思うんだけどね。
そうだ、内乱未遂の話はどうなったのだ!?まさか、内乱の噂はまことだったのか……?
……まだわからない。長老ウェライとグンパの身柄は現在、彼ら第二共和軍団の憲兵隊が確保している。
現在事情聴取を進めております。
……大変なことになってしまったな。
隊長!
フォルカーが隊長と呼ぶという事は、ミスリル銃士隊のトップの人か。
大統領!戦場視察のご予定では?
視察は中止だ。
隊長、女性なのね。
大統領は戦場視察の予定だったから全身鎧なのかな。
ずっとこれなのかしら。
……それにしてもミスリル銃士隊の警護する大統領府内での、この凶行!賊の侵入のみならず、重臣の刺殺まで許すとは……銃士隊はじまって以来の失態である!
このクララ、事態収拾ののちはどんな厳罰をも甘んじて受ける所存……!
顔をあげよ、クララ。
大統領、プリーンって名前なの。
なんだかプルプルしてそうだわね。
ベルナー軍務大臣はいささかの私心も持たず、常に共和国の未来を第一に考える、有能な男だった。この事件の真相をつきとめ、刺客に鉄の制裁をもって報いることがベルナーへの最大の弔いとなろう。
そうなの!?
見た目で判断してごめんなさい!
……いや、まだ大統領の前でだけいい顔してた可能性もあるぞ?
せめて彼の死出の旅が、平穏たらんことを、みなで祈ろう。
なむなむ。
……ベルナー軍務大臣が大工房に立ち寄られた時間の警護責任者は誰だ?
……私だ。
ザイドか。お前の指揮に手抜かりがあったとは思えん。賊はいったいどんな手を使って潜入したのか……。
ザイド!お前をベルナー軍務大臣暗殺事件の捜査責任者に任命する。陣頭指揮を執り、汚名を返上しろ!
承知した。
これはザイド気合入るね。
良い上司。
フォルカー!お前もザイドとともに捜査にあたれ!
ハ……ハッ!
これより私は、共和国防会議およびガルカ賢者諮問会を緊急召集する。当面、軍務大臣職は私が兼務する。クララ、行くぞ!
はっ!
……その前に、部外者がひとり、もぐり込んでいるようだな。
ん?
お前のことだ。さっさと出てゆけ!
バレたー!!
って、そりゃそうだよ。
この非常時に部外者を中に入れてしまった。減俸処分じゃ済まないな……。
ごめんて。
お前は……!もう二度と、中には入れないぞ!
二度目がありそうな予感。
なに、やはりベルナー軍務大臣はお亡くなりになっていただと!?
うん。
ああ、なんてことだ……!軍務大臣は最近、何者かに尾行されていた……きっと、そいつが犯人に違いない!
滝まで追いかけてきてた一味?
……軍務大臣が亡くなったいま、お前に仕事を頼むことはもうないだろう。短い間だったけど、ありがとよ。大臣から預かっていた報酬を受け取ってくれ……。
そっか、足を洗えたのは良かったけど、こういう結末ってのも…。
そういえばこの人、私に「組織がよこしたヤツじゃないな?」って言ってたな。
その組織ってのも何だろうねぇ。
気になるのぅ。
10000ギルを手にいれた!