ザイドそこにいたの!?
まだ、だ…。言ったはずだぞ、死ですらもう俺をとめることはできぬのだ、とな!この憎しみの炎の消えぬかぎり、俺は決して…決して、倒れたりはせぬ!何度でもよみがえる!
待て、ラオグリム!!聞け、もう終わったんだ!もうこれ以上ムダな戦いは止せ!!
ラオ…グリ…、ム?
ん?
ちがうッ!俺は…、俺は、闇の王だ!
おまえは、闇の王などではない!思い出せ、自分の真の名を!ガルカの剣士、ラオグリム!
く…!?
自分の名前だけ忘れちゃってたの?
あっ。
ラオ…、グリム…?ラオグリム!?
う…、お、おお…!
あっ、コーネリア消えちゃった。
正気に返ったか!?
ああ…、なんとか、な。
裸だ。
そういえば、闇の王、すっぽんぽんだったわね…。
そうか、よかった…。しかしおまえが…、闇の王だったとは。
俺は、種の記憶を引き継ぐ者、語り部だったのだ。遠い昔の様々なものを、宿していた。あまりに多くの憎しみと、哀しみ…。
常人には耐えられないよ。
それゆえに、一度闇にとらわれるとそこから抜け出せなくなってしまったのだ。果てしない、憎悪と狂気の闇から…。
…。
コーネリアが、憎しみの炎を消して助け出してくれたのね。
人は、優しい、暖かい光をたたえる一方で、闇夜よりも濃く、深い暗黒を抱えていることもある…。誰もが、その危うさを秘めているのだ。そして、その危うさを捨てたとき、人は人でなくなる…。
ラオグリム自身のことであり、ウルリッヒのことでもある。かな。
そして、全ての人のことでも。
しかし、俺は…
俺は昔の俺ではない。引き返せはしないのだ、もう…。30年前に死よりよみがえって以来俺のしてきたことを、謝るつもりはない。だが…
だが…?
こっちよ!!急いで!!
えっ!?
どうして突然ライオンが!?
しかも焦ってるし。
えっ?えっ?
何か分かんないけどむっちゃ急いだほうが良さそうだからあわわわわわ。
あれ?ラオグリム何してるの早く。
フッ、本当の俺は30年前に死んでいるのだ…。今さら命など、惜しいものか。
あれ!?闇の王になってるよ!?
自由自在に変身できるようになったの?
ああ…コーネリア…
あれー!?
どうしたの?
また狂気に囚われそうになったから自爆したの?
いや、そんなことないよね。コーネリアのおかげですっかり毒が抜けたみたいだったし。
どういうことだってばよ。
りぃ達の活躍のおかげで
闇の王の復活は阻止された。
厚い雲がちぎれ、ヴァナ・ディールの大地に
束の間の日がさした。
だが、この地に満ちた災いが、すべて
消え去ったわけではない…。
伝説はこう続く。
かくして、深く暗き眠りの底より
クリスタルの戦士達は、
しずかに浮かび上がった…
りぃとはここでお別れね。そうそう、もしカザム行き飛空艇パスを持っていたらノーグに訪ねてきて。歓迎するわよ。
カザムパス持ってないけど、ノーグには行けるんだな。これが。
じゃあね、りぃ。また会える日を楽しみにしてるわ。
う、うん…。
でもライオンには慣れてきたかなぁ。
私も、おまえ達とは、いずれまた会うことになるような気がする…。その時まで、さらばだ、冒険者よ。
う、うん…。
ザイドはしばらくいいかな…。
なんか、闇の王倒せたみたいだから、とりあえずこれでいいのかな?
神子さまに報告しに行こ。