あっ、アジマル!
下がれ!私はウィンダス口の院魔道院の院長アジドマルジドだ!
これは、「それぞれの正義」で王の所まで乗り込んできたときの話かな?
王座まで、たった一人で乗り込んでくるとは、命知らずの愚か者め…。ウィンダス口の院院長アジドマルジドと聞こえたが、それは真かな?
ウィンダス、口の院だと!?そのような肩書き、誰にでも名乗れるわ!
八つ裂きにして、天の塔へ送りつけてやるわ!
このアバターってのが、王?
普通のヤグードと同じ見た目なんだけど…?
あ、そっか。ヤグードは神が最高権力者だっけ。そっちが豪華な格好してるんだろうなきっと。
まぁ、待て…。わざわざ、ウィンダス軍の長があいさつに来たのだ。まずは話を聞いてやろうではないか。
ハッ。
そういえば、ウィンダス軍の戦闘魔導団は口の院所属だから、口の院院長であるアジドマルジドは最高責任者である団長。
いつもひとりでフラフラしてるけど、ダメなやつやん!!
ククク、面白い。軍隊の長が命をかけてまで何を尋ねに来たかと思えば、満月の泉のこととはな?
いや、この人いつもこんな感じです。
そろそろ気づいているのだろう?ホルトト遺跡が何のために建てられたものか。満月の泉がなぜに、あの遺跡の地下にあるのか。
なんでだろう?
ホルトト遺跡は忌むべき塔。本来ならば、サルタバルタやその周囲へ満ちる魔法力を、あの塔が吸い取ってしまっている。
そういえばホルトト遺跡はどれくらい前に作られたんだろう?タルタルが移住してきたときにはもうあったのよね。ミンダルシア大陸の先住民であるヤグードは知ってるのかな。
おまえたちは我らヤグードがサルタバルタの大地を荒らしているというが、全てはあの塔を動かしたタルタル族のせいなのだ。
タルタルが移住する前、ホルトト遺跡は停止していて、サルタバルタは魔法力にあふれた豊かな土地だったのね。
んー?ますます誰が何のために作った遺跡なのか?
しかし、ホルトト遺跡が壊れた今でも、サルタバルタの大地の魔力は減り続けているではないか。この地下で、おまえたちが掘りつづけている妙なものは何なのだ?不吉な光を放つ、あの石のせいじゃないのか?
魔晶石の事ね。
ククク、既にあれをも見たとは、あなどれん。しかし、サルタバルタが枯れつつあるのは、あの石のせいではない。
20年前…我らが敗退したあの夜に、おまえたちが取り返しのつかぬことをしたからだ。
ヤグードがウィンダス内にまで攻め入って、カラハバルハが完全召喚で撃退した、その日の事かな?
とりかえしのつかぬこと…完全召喚のこと?
ククク…わからんのか?ホルトト遺跡の中央の塔を降りていくがいい。そして、星の神子と亡き召喚士の過ちを、その目で見届けるがいい。
中央塔の下には…満月の泉よね。
アジドマルジドはこの時に満月の泉の場所を知ることになったのね。
もはや、ウィンダスに星月の加護はないのだ。さぁ、我らの元に膝まづけ!