クレーディ王女様がもうじき成人の儀を迎えられる。このような状況ではあるが、やはり王室の式典は欠かすことができないだろう。
節目の大事な儀式はやっておいた方がいいね。
ドラギーユ城では何かと入用らしく、ハルヴァー様が冒険者を募っている。行ってみてくれないか。
うん。わかった。
では、ハルヴァー様からくわしい説明を聞いてくれ。それにしても、クレーディ王女様ももう成人か。早いものだな。
用語辞典によるとクレーディ王女は19歳らしいから、20歳で成人なのかな。
ちなみに、ピエージェ王子は22歳。トリオン王子は24歳だって。
ん?お城に入ったらイベントが…。
母上……。私ももう成人の儀を迎えようとしています。兄さん達に聞いた話では、王家では成人の儀に際して、王室の秘事が伝えられるといいます。
闇の部分をまとめて知らされるわけか…。
きついなぁ。
タブナジア侯爵家にも同じ慣習が伝わっていた、と聞きました。母上はその成人の儀の際に何を聞いたのですか?そして、私はその責任に耐えられるのでしょうか?
ということは、今タブナジアの秘事を知るのはロシュフォーニュのみになった。のね。
母上、どうかそこで私たちの行く末を見守っていてください。
王妃様どうして亡くなってしまったのかなぁ…。
りぃよ、待っていたぞ。街中で噂になっているから貴公も耳にしているだろうが、もうじきクレーディ王女様が成人なさるのだ。
めでたいのぅ。
ドラギーユ王室ではそれを祝う成人の儀が催されるのが習わしなのだが、いろいろと準備が必要だ。その1つを貴公に頼みたい。
うん。わかった。
流砂洞の王者の泉で汲める落羊水を持ってきてほしいのだ。
王者の泉…。
地図作った時に行ったあそこだな。
クレーディ王女様は貴公の働きについていつも話されている。それに応える意味でもしっかり頼むぞ。
王女様のためならばどこへでも。
王者の泉の行き方は…と。
流砂洞のマップでチェックだよ。
えーっと、ユニティワープ(125)で飛んで、A→落とし穴。その先が王者の泉ね。意外と簡単に行けるわ。
……。
このマップ作った私偉すぎない?
無かったら絶対迷って血反吐だったわ。
過去の私を褒めてやりたい。
サクッと到着だぜ!フッフー!
敵出るんかい!
だいじなもの:落羊水を手にいれた!
これをハルヴァーに渡す前に、兄2人から話を聞けるらしい。
クレーディもとうとう成人か。かつては国王に内緒でピエージェと2人街へ繰り出し、クレーディのプレゼントを探したものだ。2人とも普段見ることができない街の珍しいものに目を輝かせていたな。
楽しそうな様子が目に浮かぶ。
ある年、国王に見つかって大目玉をくらった。王妃がかばってはくれたがあの時の国王ほど怖いものはなかった。……王妃もあの頃は健康であられた。
王様、肝が冷えただろうねぇ。
私たち兄弟は病床の王妃を救えなかった。王妃が逝去されてから、我々の仲も険悪になっていったのかもしれぬな。お互いの無力さに苛立つかのように……。
病気は子どもの手でどうにか救えるものではないから、気に病む必要な無いと思うけど…そう割り切れるものじゃないんだろうな。
フッ、すまぬ。昔話などしてもしょうがないだろう。私もクレーディの贈り物を選ばなくてはな。
クレーディもついに成人か。私と彼女はあまり母親の記憶がない。だけど、クレーディを見ているとふと懐かしい気持ちになることがある。きっと母親に似ているのだろう。自分の中の、どこか遠い記憶を呼び起こされているのかもしれないな。
クレーディ王女の容姿は、王様の方の先祖にそっくりな人がいたから、雰囲気とかが王妃様に似てるのかな。
兄2人の下、近くに規範とする女性もいなかったにも関わらず、美しく成長した。我が妹ながら感心する。盛大に祝ってやらねばな。
本当だよ。改めて言われると本当にそうだよ。
色々と泥沼状態のサンドリアの中枢で、どうやったらあんなに清く正しく美しく育つことが…。お兄ちゃん2人の愛情の賜物かな?