アルド、元気?
オレたちにはもうあいつを追いかける気力はない…。あの力に打ち勝つ自信がないんだ。分かってくれ。
あら。そうなのね。
まぁ、あれだけ力の差を見せつけられたら当然そう思うよね。
アルド兄ちゃん!
なんだ、お前たち?フェレーナなら今はダメだ。それに、ここへは来るなと言ってあるだろう。いったい何の用だ?
この子達、ここまで来るの許されてるんだ!?
フィックの、フィックの植えた種から芽が出たんだ!
おおっ!?
なんだと…?あの種はそう簡単に育たないはずだろう。
まぁいいから来てみなって!
ホラ、ここ!何も変わってないように見えても、ちゃんと地面のしたで芽が出てたんだ。ちゃんと成長してたんだよ!
地面の下に?
気になりすぎてちょっと掘っちゃったんかい!
オレたちの植えた種に芽が出た!フィックとオレたちで植えた種に、芽が出た!
…本当にこんなことがあるとはな。
兄さん…。
フェレーナ…。お前とフィックたちが植えた種から芽が出たそうだ。子供たちが一所懸命水をやったんだろうな。
やりすぎてて腐らせないかヒヤヒヤものだったけどね。
お前やフィックがやってきたことはムダじゃなかったのかもしれないな。
私、ここのところ全然ここへ来ていなかった。自分のことばかり考えてて…。ごめんなさい、フィック。
それは仕方がないよ。
すごく大変な目にあってたんだから。
芽、出たのか。フィックの言ったとおりだ。みんなで育てればできないことなんてない。
あっ!スケスケ!
フィック…!?あなたどうして?
まだ芽、出ただけ。このままがんばれば花も咲くはず。だけどフィック、残念だけど水も肥料ももうやれない。
…!
でもフィック信じてる。必ずみんな力あわせて、花咲かせてくれる。だから、フィック心配してない。
えぇ、フィック。必ず、必ず花を咲かせるわ…!
じゃあな。フィック、もう寂しくない。いつでもみんなといる。こんな気持ちになった時、フェレーナたちの言葉で何というんだっけ…。
そうだ、「アリガト」だ。フェレーナ、いちばん最初に教えてくれた。これ、フィックたち獣人知らない。でも、とても好きな言葉。フィック、仲間たちに教えたかった。
アリガト、みんな…。
フィック…!!
ああ、本当にいってしまった…。
フィック、私にもあなたのような勇気が少しでもあれば…。でもごめんなさい、今の私には何もできないわ。何も、何もできないのよ…。
フェレーナ…。
なにもできなくなんてない。けど、なんと声をかけていいのか分からないな。
とにかく今はゆっくり休んで、マック爺とゆっくりお茶飲むとかいいんじゃないかな。
シーフAFの時に出てきた、ギャンブル好きなあのゴブ達にも会ってほしいな。
今のオレにだってできることはあるはずだ。このままおとなしくしてたら、フィックに怒られちまうだろう?
うん?どうした?
待ってろよ、ジラートのチビめ。あいつを倒さないことにはオレたちはこのまま前に進むことはできないんだ!
えっ!?
アルドのやる気が急上昇!?
冒頭のモウダメダって言ってたのと真反対の…!
フィック…あんたすげぇよ!!