呪縛ほどけるとき 其の壱

白タルの散歩道

ウォルフガング おお、りぃか!エシャンタール様の船が戻られた!

バハムートとやりあってたんだっけ。

ウォルフガング ちょうどよい。エシャンタール様は、おまえを捜し、ジュノ上層の酒場に来るように伝えよとおっしゃられた。

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ウォルフガング では、伝えたぞ。俺たちはこれから、各国に報せを出しに行く。真龍の王バハムートのことはもう心配する必要はないとな。
りぃ うん。

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ウォルフガング りぃ、これもすべて、おまえたちの働きがあってのことなんだろう?心から礼を言う。ありがとう。
りぃ どういたしましてっ。

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ミルドリオン お待ちしていました、りぃ。いったい、なにがあったのです?
りぃ うん?

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ミルドリオン 真龍の軍は、我々と何度か手をあわせた後、還るべき空の彼方へと消えていきました。戦意喪失した彼らを追い滅ぼすべきだという意見もありますが、ともかくは、戦局の検討、補充のために我々は戻ってきたのです。

深追いはすべきではないよね。

ミルドリオン そして今、あなたの顔を目にし、確信することができました。

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ミルドリオン その表情……あなたがたはとうとう、「世界の終わりに来る者」を討ち取ることができたのですね?
りぃ うん。

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ミルドリオン やはりそうでしたか!真龍の王バハムートは、「世界の終わりに来る者」が倒されたことを感じ取り、きびすを返した……聞かせてください。あなたがたが、神都アル・タユで体験したことを?

かくかくしかじか。

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ミルドリオン ……タブナジアの岬で、セルテウスに触れたとき、私の身の内に流れ込んできた映像……やはりあれは、楽園となりかけた神都アル・タユだったのですか……。

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ミルドリオン そして、1万年の昔、神都アル・タユに在りし人々は、神に戻った……。男神プロマシアに……。

んで、その器をイブノイルが封印してたんだよね。
あの器は元ジラートの王様じゃなくて、ジラート人の集合体だったのかな。

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ミルドリオン 「楽園の扉を開く」ということは、5つに分かたれた母なるクリスタルを元に戻すということ。つまり、世界を在りし姿に戻すということです。

割れたのに元のひとつに戻れるんかな。

ミルドリオン 世界は楽園となり、人は神となる。そのときの記憶を持つ明星の巫女イブノイルは、女神アルタナの姿を見たことがありました。

人は神となる…男神に戻るってことかな。

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ミルドリオン しかし、私と別れるとき、明星の巫女は確かにこう言っていました。

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ミルドリオン 「女神アルタナを見ている自分は、女神アルタナではありえない。ではいったい誰なのか」と。

アルタナと共鳴できるイブノイルだけど、アルタナになるわけじゃなくて、アルタナを横から見てるの?
誰かの中に入ってアルタナを見てるなら、少なくとも1人以上アルタナの他に誰かいるはずね。

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ミルドリオン そこで明星の巫女は、人間を調べようと考え……

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ミルドリオン 奇しくも現れ始めたクリュー人という存在に目をつけ、そして人間の内に封じ込められた闇を知ったのです。

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ミルドリオン その後、明星の巫女は、王と王子を裏切り、楽園の扉を開くことを頑なに拒むようになりました。

ミルドリオン あのとき明星の巫女は「私たちは男神の子である」という確信に至ったのでしょう……。

楽園になったら人が神になるっていうのが、男神に取り込まれることだって分かったから、裏切ったのかな。
説得しても聞かなかっただろうし。

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ミルドリオン しかしもちろん、すべてが終わったわけではありません。

ミルドリオン 母なるクリスタルを包み込んでいる「虚ろなる闇」はいまだに晴れてはおりません。
りぃ そうなの?

ミルドリオン そしてジラートの生き残りたちは、それしかすがるものがないかのごとく、楽園へ続く道を開こうと暗躍し続けています。
りぃ えぇ…。

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ミルドリオン およそ30年前……私がタブナジアを捨てたは、目覚めたジラートの生き残りたちに近づき、いち早くその身の内に忍び入るため。

30年前に捨てたけど、20年前の大戦の時には助けに行ったってことなのかな。

ミルドリオン しかし、私ひとりの力では、強大な力持つ彼らを一息に打ち砕くことはできませんでした。ですが……

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ミルドリオン 今や「虚ろなる闇」という共通の敵が現れてしまった。しばらくは、あなたがた現世人にも古代の力が必要でしょう。それはもちろん、古代の人々にとってもそうです。

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ミルドリオン ナグモラーダが失われ、真龍との戦いに光明が見えた今、彼らには本来の役目を思い出してもらわねばなりません。母なるクリスタルを守るものとして、虚ろなる闇と戦おうと。

ミルドリオン そして私は、今までのように彼らを監視しながら、あなたがたが救ってくれた世界と人を見守っていきましょう。

これからも永遠に生きる覚悟なの…?

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ミルドリオン 最後に、りぃ。忘れないでください。
りぃ うん?

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ミルドリオン あなたはどんな犠牲も出さずに、世界も人も救うことができたということを。

そういえばそうだ。すごくない?

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ミルドリオン そして思い違いをしないように。そんな道は、いつでもあるわけではないのです。

ミルドリオン あなたが、多くの人の力を借りたから、多くの人が信じたからそんな道を拓くことができたのだということを。
りぃ うん。

本当にそう。
ひとりでできることは本当に限られてる。

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ミルドリオン この店の主人に、これからのあなたの旅に役立ちそうなものを3種類、預けておきました。どれかひとつをお選びなさい。

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ミルドリオン またお会いしましょうね。さようなら、ありがとう、りぃ。
りぃ うん。またね。

エシャンタールの旅が終わる日は来るのかな…。

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