プロテスがかかり終わる前にNMを倒してしまった。
ちょろいぜ。
りぃ殿!
ん?
そのカギをどこで?
ウォルフガングが。
なんと、ジュノ親衛隊長殿が!?かたじけないでござる!
殴ったり蹴ったりしてみたんだろうな…。
??? : くっくっく、これはこれは……。
!?
気が合うな、りぃ、テンゼン。
おまえたちに助けられることになろうとは思わなかったぞ。
完全に悪役の登場の仕方なんよ。
ちょうど良い。その扉の先、私も重要な用があるのだ。
ここは……なんと広く、不思議な場所でござろう……。
ヴァナ・ディールの地底に眠る、5つの母なるクリスタル。ここは、そのクリスタルを見守る場所だ。
クリスタルを見守る場所?このような塔の真下で、でござるか?
そうだ。5つの母なるクリスタルは「クリスタルライン」によって、ここで1つに結ばれている。私たちは永い間、そのクリスタルラインを監視し、その輝き、その力を見守ってきた。
しかし、霊獣バハムートがヴァナ・ディールに現われたとき、5つ目のラインが暴走し……あのセルテウスは突然、ここに現われたのだ。
ここに、あの少年が!?
ナグモラーダ殿!それはつまり、あの少年はそのラインとやらを通って、ここへ来たということでござるか!?
アル・タユから来たのか。
……となれば、そのラインを遡れば、第5のクリスタルの御許にいけるということでは!?
短絡的に言えばそうなるな。しかしあのラインは、人が通るためのものではない。
あれは、母なるクリスタルの輝きを集めるためのライン。セルテウスが通ることができたのは、クリスタルの加護深き「霊獣」の助けがあったからとされている。
霊獣の助けが?
どの霊獣がセルテウスを助けたんだろう。
助けというか、バハムートに便乗して来たとか?
なるほど。フェニックスが我輩をここに導いたは、神都アル・タユへの道を我らに開こうとして?
鳳凰丸使えば、ここからアル・タユに行けるのか!!
なに?それは残念だ。それこそソ・ジヤが再び起動される前であれば良かったのだが。
ソ・ジヤが……?それはいったい、どういう意味でござる?
あの遺跡は、もとはクリューの住みか。ジラートとクリューの戦いが起きたとき、5霊獣たちの力を借りて要塞化されたもの。
なるほど。要塞化した時にワープとか落とし穴とかつけて移動しにくくしたのかな。
……その地下にある、クリスタルラインの流れを妨害する設備。エシャンタールは、その設備を起動してしまったのだよ。
なんと!エシャンタール殿はなぜ、そのようなことを!?
1万年前のその装置を使って、結果メルト・ブローになったのかな。
奴らの真意がどこにあるかは、私にはわからぬこと。なにしろ、それを探るために私はここへ来たのだから……。
くくく、不思議か?そうだな。おまえたちから見れば、古代人はジラートもクリューも同じなのだろう。しかし、その違いは実に大きい。
彼らジラートの民が持つ共鳴能力……「心の言葉」は、彼らを繋ぐ揺ぎない絆。
そんな能力あったら面倒なだけな気がするけど、元から持ってたら当た前のことで無いと不便なんだろうな。
その力を失ってしまった民クリューは、その絆の外にある傍観者に過ぎないのだよ。しかし傍観者だからこそ、私は虚実を見極め、1万年前の聖戦を生き残ることができた。そして今もまた……
ジラート、霊獣、セルテウス。3つどもえの戦いは再び、ヴァナ・ディールと人を大きく傷つけるだろうがな。
そんな!?ナグモラーダ殿、そこまで知りながら何故、この戦を止めようとはしないのでござるか!
そういえばナグモラーダが求める結末はどれなんだろう。
人と霊獣が戦うなど、あやまった戦。ヴァナ・ディールの敵は「虚ろなる闇」を撒き散らすあの少年のみ。
……フン、なにを言うかと思えば、おまえも霊獣に振り回され、ご苦労なことだ。
いいか、前にも言ったはずだ。セルテウスは、ただの裏切り者に過ぎない。1万年前、奴に妨げられたジラートの悲願。奴は再度、その成就を妨げようとしているに過ぎない。
こういう言い方するってことは、ナグモラーダは楽園の扉開きたいのかな。
ここにある監視装置の記録が、奴がなんのために母なるクリスタルを巡るのか、その理由を教えてくれたよ。
奴は母なるクリスタルに触れることで、クリスタルの輝き、その力を吸収していたのだ。
クリスタルの力を?
そうだ。我らの悲願を成就させるためには、5つの母なるクリスタルの力を集結させ、融合させなければならない。
それを成すがために我らは、ジラートの設備を復旧させつつ、徐々にクリスタルの輝きを汲み出だしてきた。しかし、それを妨げようと、ヤツが母なるクリスタルから急激にエネルギーを吸い出したがために、その周囲の空間は歪み……
世界を照らすクリスタルの輝きが失われた場所、クリスタルの「影」……「虚ろなる闇」が現われてしまったというわけだ。
プロミヴォンはクリスタルの虚ろなる闇…。
しかし、あの少年セルテウスが現われたのは、バハムートが現われたのと同じ頃。我らが故郷、他の者々の口端にのぼる辺境に忍び寄る「虚ろなる闇」は、より以前より……
……!そなたたちも「徐々にクリスタルの光を汲み出だしてきた」と言ったでござるな?まさか、ひんがしの果てに現われた「虚ろなる闇」は、そなたたちの……!?
フフフ。おまえの思っているとおりだ、テンゼン。
うわぁ…。
しかし無論、我らは、ヴァナ・ディールを「虚ろなる闇」にて傷つけるがために行動を起こしたわけではないぞ。 我らが眠っていた1万年の間に、母なるクリスタルを取り巻く状況は、大きく変化してしまっていた。
特に、神都アル・タユの奥にあった第5の母なるクリスタル……。あれは、神都消滅の打撃を受け、今や深海の底に沈み、異常なデータを返してきている。
しかし、安心するがいい。「楽園の扉」さえ開かれれば、クリスタルもまた再生するだろう!
やっぱり扉開きたいのか。
そうすれば「虚ろなる闇」も晴らされ、我らが悲願も達成される!それを邪魔する霊獣たちさえ、この世から消し去ればな!?
……黙せ、ナグモラーダ!我輩がそなたを斬り捨てる前に、今一度、霊獣ディアボロスの忠告を思い出すといい!
おぬしたちは「男神プロマシア」の呪いに操られているのだぞ!「楽園の扉」が開かれしとき、「世界は終わる」!
しかしそれは、「始まり」でもある!
テンゼンよ、霊獣フェニックスに尋ねてみるがいい!霊獣の言う「世界の終わり」とはなにか!そしてそのとき、なにが起こるか!?
キュイーーーンって音が。
……なに!?
ちゃんと答えたんかい。
そうだ。ヴァナ・ディール。この世界は、本当の世界ではない。
絶対なる価値観は揺らぎ、認識に費やす時間は膨大、告白すら齟齬をきたし、自らの居場所は曖昧、粛清には犠牲が伴う……!
う、うん?
おまえたちはこの世界に生まれ、この世界しか知らぬ。だからこそ、この世界の終わりを惜しむべく惜しみ、抗うだけ抗おうとする。
その習性を、霊獣どもは利用した。何故ならば霊獣たちは、ヴァナ・ディールで生まれた命であり、楽園ではただの「獣」と成り下がるからだ!
……し、しかし……。 ……。
霊獣がただの獣に?
力が無くなるのが嫌だから、扉を開けさせまいとしていると。
さぁ、霊獣に操られし現世人よ。「真実」を見極められずいいように操られる、くぐつなる者よ。人の本当の敵は、その霊獣自身だったと知ったところで、おまえたちの旅は終わり。
霊獣が扉を開けたがらないのは人のためではなく自分のためってのは分かったけど、扉が開いたらヴァナ・ディールと人間はどうなってしまうの?
それが分からないと開けるか閉めるかの判断が付かないよ。
あとは私に任せるといい。おまえたちのかわりに私がすべてを見極めてやる。
……!
セルテウスが集めた母なるクリスタルの輝き……。神都アル・タユが存在するのならば、ジラートどもの企み……。
この監視装置に残されたクリスタルの記憶、石の記憶がすべてを教えてくれるはず。
さぁ、クリスタルよ、第5の母なるクリスタルが残した記憶を、私の望む「真実」を示すのだ……!
あっ、ここはイブノイルがいた、ひとつだけ緑ウゴウゴの所。
誰か出てきた!
エシャンタール!?
……クッ……なんだ今の断片的なデータは……やはり、第5の母なるクリスタルはノイズが酷い……
しかし……あれは「虚ろの器」か、そしてエシャンタール……。
あれが虚ろの器!
虚ろの器の中からエシャンタールが?何故。
そうか、もしや……!?
去っていった。
虚ろの器からエシャンタール…。
なんだかとってもやばい体ってのだけは分かる。
うーん?
……。
どういうことでござる?霊獣が、我らをたぶらかしていたというでござるか……?人の覚醒を防ぐがために……?
しかしそれならば我輩は……、この火のために死んでいった民は……。
火…フェニックスのせいで死んだ人が?
……ッ……霊獣フェニックスよ、答えよ!そなたを得るためにいくつもの村々が滅ぼされ、我が故郷も皆死にの憂き目にあったのでござるぞ!
えぇ!?
おまえがすすった命の火は、世界と人の再生を求むる旅の糧となるのではなかったのか!?
キュイーンって。
……。
クッ……それでもなお、おまえは霊獣フェンリルに会えと繰り返すのか?ソ・ジヤの南、フェンリルの扉を叩けと……!?
良かろう!最後の霊獣が我らにどのような真実を明かすのか、もしくはどのようにたぶらかすのか、しかと見極めてやろうではないか!
テンゼン…とんでもないもの背負って中の国まで来てるんだろうな…。