みっつの道 – 羅針の示すもの 其の壱

白タルの散歩道

テンゼン来てる。

ここはバタリア側の塔。
ボスディン氷河にウォンテッドワープ(125)で飛んだら近いよ。

白タルの散歩道

テンゼンりぃ殿!来てくださったのでござるか!?まことに、かたじけないでござる。

テンゼンが心配だしね。

テンゼン 元はといえば我輩が霊獣の話など持ち出さねば、そなたも皆も、霊獣に利用されることなどなかったものを……
りぃ いや、そんなことないよ。どのみちこうなってただろうし。

白タルの散歩道

テンゼン 鳳凰丸は、ナグモラーダが語ったことを認めたでござる。

なんと。

テンゼン 「楽園の扉」開かれたとき、霊獣たちは獣と成り果て……そして我らの暮らすヴァナ・ディールは楽園となり、眠れる神々が目覚めて祝福を満たすということを……。
りぃ ヴァナ・ディールが楽園になるの!?

扉が開いたら、ジラート人とか楽園のこと知ってる人だけが扉の向こうの楽園へ行って、ヴァナ・ディールは消えてなくなるか死んだ土地になって、残った人たちは全滅するのかと思ってた。

ヴァナ・ディールが楽園になって人が住み良い環境になるのなら、人間的には開いても問題ないのね。

テンゼン しかしそれは、死せる神が復活を迎えると同義。それが悪しきこととなるか、それとも善きこととなるか。霊獣フェニックスにもわからぬとか。

今まで1回も開いてないからそりゃ分かんないよね。

白タルの散歩道

テンゼン ……わからぬ、か。そのわからぬことのために、ひんがしの国ではあまりにも多くの血が流れてしまったでござる。

白タルの散歩道

テンゼン この鳳凰丸は「虚ろなる闇」を打ち払うために、命の霊獣フェニックスの聖なる残り火にて打たれた刀。

残り火…。
フェニックスだけどうしてひんがしの国にいて、どうして死んだんだろう。
いや、死んではいないのか?

テンゼン しかし、その役目を果たすには力が足りず、より強き力を与えんがために、罪なき人々の「命」を要した……。

白タルの散歩道

テンゼン その数は、ひとかたならぬもの。それは、咎人や蛮族を狩ることから始まり、貢租を納められぬ村々より貢租のかわりに生けにえが募られ……

えっ…。

テンゼン ついには、「虚ろなる闇」によって眠りについた人々が、その意志なきまま、この刃にかけられたのでござる。

想像以上にえぐかった!!

白タルの散歩道

テンゼン ……。中の国に暮らすそなたの耳には、それこそひんがしの帝による暴挙と聞こえような?しかし、ひんがしの民は皆々、それこそ天命であり、抗えぬ定めだとして受け入れていた……。

白タルの散歩道

テンゼン 何故なら、その死は、世界の終わりを止めるための糧となり、その子、その孫、その血に連なる子孫のためのものだと信じていたがため……!

白タルの散歩道

テンゼン りぃ殿……、我輩は帝より大命を受け、この地へ参った。その大命に、自らの命にかえても鳳凰丸を守る旨の一項がある。

いかにも極東っぽい。

テンゼン 我輩は、この大命に逆らえぬ身。だから、そなたに託しておきたい。

白タルの散歩道

テンゼン この先、万が一、霊獣フェニックスが人の義に反する導きを示し、我輩が人の敵となりしときは迷いなく……

テンゼン ……。

白タルの散歩道

テンゼン 先に参るぞ、りぃ殿。この塔の最奥に封じられている霊獣フェンリルの力を解き放てば、霊獣フェンリルにまみえることができるとか。

白タルの散歩道

テンゼン 我輩の気力。ほむらのごとく、たぎり出んことを……

白タルの散歩道

迷いなく、ボッコボコにぶん殴ってその刀を引きはがすから。

安心して。