望むはあらゆる答え 其の壱

白タルの散歩道

Pherimociel 冒険者ならば耳が早かろう!エシャンタール様がお帰りになったぞ!

デジョーン☆つぅ~!!!で帰ってきたのかしら。

Pherimociel これでやっと、ジュノ戦闘艇隊が真龍討伐のために発つことができる!現在、全船体の最終確認段階だ!邪魔にならないよう、大人しくしているんだぞ!

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ん?

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マッキーチェブキー うぇーん!
クッキーチェブキー うぇーん!
チェルキキ うぇーん!

どうした!?

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Pherimociel まったく騒がしいな。あのタルタルたちは、戦闘艇を盗み出し、ジュノから乗り出した罪で処分されたのだ。
りぃ あらまぁ。

Pherimociel 上官命令だったなどと言っているが、そのナグモラーダ様も、アルマター機関にて懲罰が検討されている。なんでも分別をなくし、やってはならない行為をしたとか……。

エシャンタールの目的は霊獣との契約を破棄して人も世界も救いたい。だけど、ナグモラーダの目的はなんだろう。ジラート人に戻ること?

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Pherimociel ん?あの女性は、おまえの知り合いではなかったか?

ウルミア?

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ウルミア あなたたち!どうしたの?いったいなにがあったの?

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ウルミア ほら、泣いてばかりじゃわからないわ。困っているのなら、私たちに相談してごらんなさい?

私も含まれとる!

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チェルキキ おいらたち、もう、おしまいなんだ。
クッキーチェブキー おいらたち、もう、じえんどなんだ。
マッキーチェブキー おいらたち、ジュノから出ていかなくちゃならないんだー!

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ウルミア まぁ、どうして?あなたたちのことは、彗星のごとく現れた実力あるタルタルたちだと噂されていたわ。それなのに……なにか、大きな失敗をしでかしてしまったの?

マジで!?

マッキーチェブキー ううん、おいらたち、ちゃんとアメとムチ、騙しと裏切りのテクニックを駆使して……
クッキーチェブキー 地元の人にわいろを渡したり、上官を見限ったり……
チェルキキ 出世街道まっしぐらの将来有望な官僚の卵になれてたのに……

すげぇ…この年にして。末恐ろしいが過ぎる。

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プリッシュ 俺がジュノに現れたから、ジュノから逃げださねぇとならねぇんだってさ。

なんだ、そんなこと。

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ウルミア プリッシュ!?

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プリッシュ なんだよ、だらしねぇなぁ!そんなんじゃ、おまえたちにタブナジアのことを頼もうと思った俺がバカみてぇじゃねぇかよ。

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プリッシュ しっかりしねぇとブッとばすぞ!タブナジアのみんなのこと、ウルミアのこと、よろしく頼むな!

あれ、プリッシュのアミュレットがまた復活してる。
あの時ナグモラーダには渡らなくて、エシャンタールからまた貰ったのかな。

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マッキーチェブキー お?おお?

プリッシュと同じ喜び方してる。
似るんだなぁ…。

…似たからこんなにとんでもないのか?

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プリッシュ なんにもいわねぇで飛び出しちまって悪かったな、ウルミア。

ウルミアにはちゃんと話して行こうね。

プリッシュ それにりぃ。ありがとよ、俺の心配してくれてよ。

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プリッシュ あんまり時間がねぇけど、できるだけ説明してやる。謁見の間に来てくれ。
ウルミア プリッシュ……?

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エシャンタール お久しぶりです、ウルミア。これまで苦労をかけましたね。

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ウルミア ミ、ミルドリオン枢機卿さま!?いったい、これは……?
エシャンタール ウルミア。今は、多くを説明している時間がありません。けれども、どうしても今、あなたがたに伝えておかなくてはならないことがあります。

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エシャンタール 私の本当の名は、エシャンタール。1万年の昔、5つ目の母なるクリスタルを抱く都市……神都アル・タユに生まれた、古代の民です。

寿命80~100年じゃ短いなぁ。と思うけど、1万年は…1万年。ううむ。

エシャンタール タブナジアを訪れたナグモラーダ、そして今のジュノを統治しているアルマター機関。彼らもまた、永い眠りより覚めたばかりの古代の民。

やっぱり王子たちと一緒に目覚めたのね。
ってか彼らはどうやって眠りについたんだろう。
エルドナーシュの魔法?

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エシャンタール しかし私は、彼らとは違い、あるまがつみの結果として、永遠の命を授かっています。
ウルミア !?

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エシャンタール 私は、この永遠の命を使い、セルテウスと霊獣が交わしたある契約を果たすことを誓いました。

エシャンタール それは、1万年の後に「定めの地」に生れ落ちると予言された「定めの子」…………「世界の終わりに来る者」を葬ること。

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エシャンタール そのときが来るまで私は、永い時をかけて準備をしてきました。

すごいよね。1万年も頑張って…。

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エシャンタール それはとても永い旅でした。あらゆる地を巡り、あらゆる知識を求め……

エシャンタール 多くの出会いに慰められ、多くの情に励まされ……けれどもその後、私は、ある場所で教えられました。

教えたのは誰だ?

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エシャンタール 「世界の終わりに来る者」をただ倒すだけでは、その者の闇はいつかふたたび、別の人間として生まれ落ちてしまう。

エシャンタール その循環を断ち切るためにはその闇そのものを断ち切らなくてはならない。

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エシャンタール 人の命を生み出し、人の命が還る場所。母なるクリスタルの御許から……。

エシャンタール そのために、「世界の終わりに来る者」は人として死をなすのではなく、神として死をなす必要があった。

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エシャンタール だからこそ私は「神の歌」を使い、男神の降臨を試みようと思いたったのです。

神として死ぬ。

イブノイルが男神の復活と死を望んでいたのは、契約を破棄する条件だったからなのね。

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ウルミア 復活と……、そして、死……?
プリッシュ でもな、結局、それはなされなかったんだ。なぜなら洗礼の儀式で、俺は……

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プリッシュ ……あの頃の俺は、もう俺の中にあった「虚ろなる闇」に操られていたんだと思う。俺は物心ついたときから、タブナジア大聖堂に入って、人に楽園の扉を開かせなくてはならないと思っていた。

操られてたんだ?

プリッシュ けれど、運がわりぃことに、あの洗礼の箱が、俺の中にあった「虚ろなる闇」に反応して、この魔晶石に封じ込めちまったんだ。

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プリッシュ 俺の世界は大きく変わっちまったぜ。人の心も読めるようになって、ミルドリオン様と同じように不死身になっちまった。
ウルミア そういうことだったのね。プリッシュは、「世界の終わりに来る者」だったけれど……

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ウルミア 今は違うのね?「世界の終わりに来る者」ではないのね?
エシャンタール ……。

ウルミア まさか……まだ、そうだというんですか? プリッシュは?
エシャンタール 霊獣バハムートの態度が示すは、「世界の終わりに来る者」がいまだにあるということ。

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エシャンタール しかしこの20年、私はここよりヴァナ・ディール全土を監視してきましたが、プリッシュ以外に「世界の終わりに来る者」がいるとは……。
プリッシュ やっぱりバハムートは、俺が男神として完全に死ぬことを望んでるんだ。

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プリッシュ ディアボロスは、教えてくれた。俺は「世界の終わりに来る者」だったってこと。この魔晶石とともに死に、母なるクリスタルから解き放たれなくてはならねぇってことをな。

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ウルミア そんな!? そんなことって!?
プリッシュ 聞いてくれ、ウルミア。俺たちは、けっこういいとこまで来てるんだぜ?男神を降臨させるための歌も、4つまで聞いた。

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プリッシュ 最後の5つ目の歌さえわかれば、バハムートの前で証明できる……!
ウルミア やめて、プリッシュ!なにを言っているかわかっているの!?

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ウルミア 男神にその身を捧げるだなんて、そんな恐ろしいこと、許されるはずがない!きっと他にも方法が……!
エシャンタール 安心しなさい、ウルミア。プリッシュは、連れていきませんよ。

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エシャンタール 「石の記憶」の最後の歌。その旋律を知るものはもはやなく、男神を打ち滅ぼす武器もない。

スカリーZはセルビナの…って言ってたけど、エシャンタールは知らないのか。
あ、知ってるけど彼女は記憶を失ってるから最後の望みも潰えてる。ってことか。

エシャンタール 私たちは、ジュノの全勢力をかけて竜族と戦うのみ。人が生き残るためには、もはや、この選択を取るほかありません。
プリッシュ でも、ミルドリオン様!俺は!

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ウォルフガング エシャンタール様!ジュノ戦闘艇隊全船、出発準備、完了しました!
エシャンタール 私は行かなくてはなりません。雲海の果て、天路の果てへ。

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ウルミア ミルドリオンさま!
エシャンタール ……ここもいつ火の海となるかわかりませんよ。プリッシュ、ウルミア。船を用意させましょう。タブナジアへ戻りなさい。そして、守るのです。あなたたちのいちばん大切なものを。

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