おお!ようやく戻ってきたか!みんな無事でなによりだ。タブナジアに迎えをやれずにすまんな。
シドのおっちゃん!船を出してくんな!出撃だぜ!
なんだと?帰ってきたばかりだというのにまたもやバハムートのところへ行くつもりか?
真龍のことは、あとはジュノに任せておくのではなかったのか?
そうだぜ!俺たちは「世界の終わりに来る者」とナグモラーダをぶっ倒しに行くんだ!
……ナグモラーダ……ムバルポロス……踏みにじり……クリスタルへの……道……ふさいだ……。
しかし必ずしや我らに道は残されている。霊獣フェニックスの導きがあるはずでござる。
……ふぅむ。5つ目の母なるクリスタルは、北の海シュ・メーヨ海の底にあるのだったな?たしか、あの辺りの海面より赤い光が立ち上っているという報告がきていたが。
光が!? それだぜ!シドのおっちゃん、出撃だぜ!
セルテウスが道を開くって、フェニックスとやってたアレかな。
確かに霊獣フェニックスの導き…。
死んでなお力を振り絞っていてくれたとは。
いや、待て。わしの飛空艇の修理はもうしばらくかかる。
ええ!?そんなのアリかよ!?
困ったな。ジュノ戦闘艇隊も出発してしまった後だ。
そこらの飛空艇では、高度と速度が十分に出せない。ここまできて運に見放されたか。
いいえ、違います。きっとこの時間は、女神アルタナ様がくださった時間なんです。「世界の終わりに来る者」、そしてナグモラーダと戦うために心を静めるようにと。
なるほどっ。
……そうか。……わかった。俺、待つ……。モブリンたち……、看ながら……。
我輩はシド殿を手伝うでござる。どのような雑用も引き受けるでござる。
わっはっは、任せておけ。これは、わしが男なら人生で一度は成し遂げたいと思っていた大仕事なのだ。
世界に果てがないように、世界に終わりもないということ、我らの手で証明してやらねばな。
そうだぜ!このまま世界を終わらせないぜ!
りぃ!俺たちの手で、世界も人も、ぜーんぶまとめて救ってやろうぜ!!!
そやね。やってやろうかねぇ。
おっしゃー!それでこそ、熱血野郎りぃだぜ!
私熱血野郎だったの!?
ってか、喜んでるし!!
よし、皆、準備を整えてくれ。飛空艇の修理が完成し、出発の準備ができたら、すぐに呼び戻すからな。
私は何するんだろう。
せんべいでも食べてたらいいかしら。
飛空艇の修理ならば順調に進んでいるぞ。ジュノが慌しいからな、違反飛空艇にうるさく言うやつもいないしな。
いつもやんや言われてるんだな。
ところで、プリッシュ君ともう一度会うことができてわしは嬉しいぞ。彼女こそがこの世界の希望だな。
「世界の終わりに来る者」があんな性格で生まれてくるなんて、男神の一番の計算外だったのでは!?
~ ヴァナ0時越え ~
りぃ君か。飛空艇の修理はまだ終わらんかと催促に来たのだな?
マダー? ( 茶碗チンチン )
実は、思ったよりも重傷でな。ルーヴランス君、罪狩りのミスラ君にも、随分と材料を集めてもらったのだが……飛空艇の命とも言える「クリスタル機関」。つまりは心臓部分に、大きなダメージを受けてしまっているのだ。
あれま。
見かねたテンゼン君がジュノになんらかの手がかりがあるかもしれんと旅立ってくれたが、連絡が来ない。
テンゼンもジュノに相当顔が利くようになったよなぁ。
……ううむ。古代の民が、クリスタルの力をどのように昇華させていたのか、もっと単純なモデルがあれば、わしにも理解できるかもしれんのだが……。
とりあえず、これ以上は材料を集めてもどうにもならん。ルーヴランス君と罪狩りのミスラ君を呼び戻してはくれんかね?
わかった。
ルーヴランス君は木材集めにギルド桟橋にいるはず。罪狩りのミスラ君は、鉱石探しでビビキー湾にいるはずだ。
おい、シドのおっちゃん!ジャボスのともだち、モブリンたちの手当てはほとんど終わったぜ!
そっちの準備はどうだ!?「プリティラブリー戦艦プリッシュ号」は、完成したか!?
プリティラブリー戦艦プリッシュ号!
名前がプリッシュに変わっただけでなんだかいい感じに…?
いや、それがだな……。
んん!?シドのおっちゃん、まだ困ってるのか!?ジュノから使者がまだ来てねぇのか!?
ジュノからの使者?いや、そのようなものは来ておらんぞ。
プリッシュ、それはミルドリオン枢機卿さまがおっしゃっていたあの箱のことね?
ミルドリオン枢機卿さまはなにかの手助けになればと、あの箱をマッキーチェブキーたちに持たせたとおっしゃっていました。
どの箱だ?
洗礼の箱?でももう使えないのよね?
あの子たちはタブナジアに戻ると言っていたので、シドさんのところに届けた後なのかと思っていたのですが……。
あいつら!まーた、悪い癖が出やがったな!
あんときのあいつら、箱なんか持ってなかったし、タブナジアへ戻るってのは嘘じゃねぇみたいだったからな。……となると、タブナジアのどっかに隠しやがったってわけか?いーい度胸じゃねぇか。
おい、りぃ!おまえなら船がなくてもタブナジアへ行けんだろ。あいつらから「光の箱」を取り戻してくんな!
どうして行けるんだって訝しむこともなく、単純にうらやましいぜ!って思ってそうだ。
昔、あいつらの家があった辺り……ミザレオ海岸あたりの小屋が怪しいぜ。あいつらの罠にも気をつけろよ!
リヴェーヌじゃなくて、ミザレオ?
なるほど。「光の箱」か。現物を見たことはないが、話を聞く限りではその中にはクリスタルの力が封じられているようだ。
その力を増幅し、放出する機能を持つのならば、飛空艇の中枢部「クリスタル機関」の良い見本になるだろう。しかも、持ち運びができるものなら、あの巨大なクリスタル機関より単純な構造に違いない。
りぃ君、ミザレオ海岸の小屋を探してみてくれ。「光の箱」を手に入れなくてはならん。
うん。
……おっとそれとな。ギルド桟橋にいるルーヴランス君と、ビビキー湾にいる罪狩りのミスラ君も呼び戻してくれんか?
偽ヴランスからはまた嫌味言われるんだろうか。
わしの「プリティラブリー戦艦シド号」のために頼んだぞ!
ブッフォ!!