この前、漁業ギルドの船上慰安大会ってことで流しのお笑い芸人がやってきたんだけどよ。
ヴァナに流しのお笑い芸人とかいるの。
あまりにつまんなすぎて、船から落ちる奴が続出してなぁ!
逆にすごい。
あんなくだらん芸人どもはヴァナ・ディールには必要ねぇ。だから、島流しにしてやったさ。
やりすぎではないかい!?
あ、でも、無人島なんかにじゃねぇぞ。ビビキー湾にあるプルゴノルゴ島さ。あそこに住んでるヤツに一生世話してもらえってな。
ああ、島の権利をめぐって対立してるから押し付けたのか。
今ごろは、ヤツもあの3人組のギャグに悩まされてるだろうさ。いい気味だ。ガハハハハ!
3人組?
もしかしなくても、あの子たちですね?
??? Warmachine : ……。
反応がないようだ。
あれ?留守?
ん?マンドラが走ってきた…。
あっ!りぃだ!
やった!客が3人から4人に増えた!
あめだまあげるから、オイラたちのお笑いを聞いていけよ!
どうして突然お笑い芸人を始めたのか!?
国の高級官僚はあきらめたの?
どうも~
チェブキックスで~す。
ヴァナのお笑いもこのスタイルで始まるのか!?
ねぇねぇきいてよ、このまえさ~。おいらたち、でっかいの倒して、世界を救っちゃったんだよね~。
それもまぁ~なりゆきでやっちゃったっていうの~?
ゆだんさせるために操られちゃったフリもしちゃったりなんかして~大変だったよ~。
いやぁ、マッキーさんは、マッキ症状だったよねぇ~。
あらま、クッキーさんは、クッキリ見てるねぇ~。
そんで、チェルキキさんは、チェルっとキキ一髪だったよぉ~。
……な、の、に、聞いてよ!!!りぃっちゅう冒険者ときたら、「俺たちが倒した」って!!!
ぼうげん、じゃー!!!
銅鑼が鳴ったぁ~!!
マンドラ、顔を見合わせとるやないかい。
冒険者。
ぼうげんじゃ。
暴言じゃ。
むはははぁああ~っ!
やはははぁああ~っ!
にょほほほぉああ~っ!
自分たちだけ腹抱えて転げまわりながら笑っとるー!!!
えっ、ちょ、マンドラ、ここで何も求めないでほしい。
と、とりあえず、笑っとこう。
オトナの対応で。
あっ、あはっ。あははーん。
もふっ!?そこの冒険者、止まりなさい!おいらたちを笑ってますねー!?
えっ。
ハラたつえもん!よーし、みんなでツッコむぞー!
どうしろとー!?
メー☆
テー☆
オー☆!
げぇっ!!
ぶおわー!
未完成ながら、この究極魔法を使うとは……!
ブッキー。
助かった…。
おぬしら、いったいどこから放たれた刺客じゃ!
ハナタレだって!
シカクだって!
しっけいなー!おっちゃん、おいらたちは泣く子も黙る「超お笑い師」チェブキックスだぞぉ!
感動の親子対面がこれかー!!
ええい、なんでもええ!とにかくその究極魔法、わしには効かん!わしの妻が使う本当のメテオで、何百回とのされたことがあるわしじゃ!
何百回も倒されたんかい。
ってか、メテオを使うってとんでもない黒魔道士だな!?
ここで会ったが百年目!胸を貸そうぞ!こい、悪の大道芸人らめ!
おいらたちだって、母ちゃんゆずりの究極魔法なんだぞー!いっくぞー!
メー☆
テー☆
にょぉおおおおー!☆
メテニョだ!!
男神にも食らわせたやつ…!
ぶ、ブッキー?
……またヤッチャッタ!
しょーがないなー。
でも、ほら、悪のおっちゃんをやっつけたっぽいぞ!やったー!
メテオよりメテニョの方が強いのか。
ぬぅうううううう!
おおおおおおぉぉぉっ!!!
おおおおおおぉぉぉっ!?
さすが黄金のたてがみ!!
……そ、そのあやふやな究極魔法「メテニョ」を使う、おぬしらはもしかして……!
あやふやって。
タブナジアに残してきてしまった我が愛する息子と娘、逞しく聡明で可愛らしいマッキー、クッキー、チェルキキ、なのか!?
それって!?
もしかして!?
おっちゃんが!?
そうじゃ!おまえたちのパパさんじゃよお!
まさかメテニョで確信するとは。
とうちゃーん!
とうちゃーん!
とうちゃーん!
……って、ずるいぞ、ふたりとも!
よしよし。わしがいなくて、ずっと寂しかったろうなぁ。辛いこともたくさんあったろうなぁ。これからはずっと一緒に楽しく暮らそうなぁ。わしがおまえたちを決して離さんぞ。
とうちゃーん!
とうちゃーん!
とうちゃーん!
よかった…。
男神の声を聞いているとき、3人とも父ちゃんと母ちゃんと暮らすことを言っていたから、ずっとずっと寂しかったんだろう…。
よしよし。……いや、待て。よくない、よくないぞ!
な、何が!?
おまえたち、わしのことは「パパン」と呼ぶのじゃ!わしはそう呼ばれるのが夢じゃったのじゃ!
パパーン!
パパーン!
パパパーン!
会えてよかった…。
いやはや、感極まってしまってな、恥ずかしいところを見せてしまったようじゃ。
ううん。
わしはこの子供たちとしばらくはこの島で暮らしていくよ。後のことはわからんが、すべてこの子供たちのために生きるつもりじゃ。
おまえさんも知っての通り、わしは悪い人間に狙われておる身。いつかおまえさんの力を借りたいと思うときがくるかもしれん。そのときは、ぜひ力を貸してくれ。よろしく頼む。
うん。わかった。
いや、いや、それよりも、そうじゃった。大事なことを言わねばならんの。
ほら、子供たちも一緒に言おう。わしらを引き合わせてくださった冒険者さんに「ありがとう」とな。
いや、私が引き合わせたというか、島流しにされて勝手に来てたというか。
ほんとうに、ほんとうにありがとう。
さんきゅー。
さんきゅー。
さざんがきゅー。
なんと!?
ああ、この大自然の中、更に自由奔放に育ちそうだ…。
これは失礼した。大陸では、そういうのが流行りなのじゃな。
では。……さんきゅー。
そういう訳じゃないと思うけど、まぁいいやー。
グリーンドロップを手にいれた!
本当にあめだまくれた!!