うっ……。
ザイド!
まさか、ここまで腕をあげているとは、な……。
冒険者たちの助けがあったからだ……。私1人ではとてもおまえには……。
それが……答えだ。おまえ1人では何もできなくとも、おまえの下に冒険者たちが集い、そして……。
まさか、ザイドは…
・リーダーにはフォルカーがふさわしいと思う
・しかし闇の王を倒したのはザイドだから、フォルカーがザイドに隊長になってほしいと思ってしまっている
・フォルカーと戦って負けることで、フォルカーの方がリーダーにふさわしいと本人に見せつけたい
・本気出させるために、いちゃもんつけて怒らせてみるか
・言ってることが支離滅裂になってしまう
ってなったってこと???
ザイドの言葉がポエマーと中二病を合わせたようなソレだから、分かりにくいが過ぎる!!!
ザイド……。
私は所詮影に生きる存在に過ぎぬ。20年前、闇の王と剣を交わしたときに、同じ哀しみを感じとった。その哀しみの意味を探し、闇をさまよったが、結局、その答えの行く先は、光あるところにしかないのだ……。
おまえは私と違い、光ある所に生きるべき存在……。だからこの国の行く末はおまえに託さねばならんのだ……。
何を言う……!どれだけ多くの人がおまえの帰りを待ち望んでいたか……。
おまえが情けなかったからだ。後ろを見ろ……奴らの心配そうな面持ちがすべてを語ってくれるだろう……。
おまえたち……。
おったんかーい!
隊長!ひどいじゃないですか!黙っていくだなんて……。
オレだって、伝説の暗黒騎士と手合わせしてみたかった……。
そんな呑気なこと言ってる奴には門番がお似合いだけどね……。
我々の仕事は……、武を極めることではないはずです。人々の普通の幸せを守り、人々の希望でありつづけること……。
最強の者がリーダーにふさわしいという訳ではない。
って言いたいのかな?
そうです……皮肉なことですが、ナジが腕がなまるとグチを言えるような世の中を作り上げることが我々の仕事ですよ。
ちょいとつらいですけどね。
冒険者の時代……。それは、英雄なき時代……。そして、誰もが英雄になり得る時代……。そんな時代だからこそ、彼らを導ける存在が必要なのだ。過去の苦しみを乗り越えたおまえにこそ、その役はふさわしい。
過去の苦しみ…憑き物って言ってたの、「ザイドを差し置いて自分が隊長になってしまった」という自責の念の事、なのかな。
私に、できるだろうか……?
おまえにしか、できないことだ。
私は……闇に帰るとしよう。おまえたちの作り上げる国を……楽しみにしている。
ザイド殿!ガルカの民は、あなたのことを……。
私が帰ったのでは、グンパの決断も意味を失ってしまう。
「リーダーに頼らず皆で頑張ろう」ってなったのに、ザイドという強いリーダーが現れたらみんな頼ってしまうから。か。
ガルカとヒュームの悲劇に終止符を打つためにも、おまえはグンパを支えてやってくれ……。
ザイド……私がこの役目を終えたとき……もう一度手合わせしてくれるか?
いいだろう。しかしひとつ約束しろ。そのときは、今回のような手加減は無用だ。
君には見苦しいとろを見せてしまったな。ひとまず、大統領府に戻ろう。プレジデントに大目玉をくらうだろうがな。大統領執務室に後で来てくれるか?
ズヴァールでは世話になったな。入ってくれ……。
バカどもが雁首そろえて……ミスリル銃士というのはどうしてこう言うことを聞かぬ者ばかりなのだろうな……。
私の命令は、ザイドを引っとらえてこい、というものだったはずだぞ。
そういえばそうだった。
その結果が、間抜けな隊長の復帰報告か?
プレジデント……。
もうよい、気分が悪い。下がれ。冒険者にはおまえらの方で報酬を与えておけ……。
行っちゃった。
いつも通りプリプリしてたけど…。
フォルカーの復帰を受け入れて、ザイドを連れてこなかったことにおとがめなし?
……プレジデント、怒らせちゃいましたかね?
いや……あんなにプレジデントが御機嫌が良いのは、久しぶりだよ……。
あ、やっぱり?
相変わらず素直になれぬ奴じゃのう……。
もっと大目玉をくらうと思っておりましたが……。
フォルカーがすっきりした顔で帰ってきたから、安心したのかな。
プレジデントのことですから、後で減俸の通達ぐらいはまわってきそうに思いますけどね。
ありそう。
マジっすか!?勘弁してくださいよ……今月厳しいのに。
またいらぬ武器でも買ったのか、おまえは……。
ナジ…。
あんた、いつでもどこでもナジで安心するよ。
みんなにも……そして、君にも、本当に世話になったな。
いえいえ。
ザイドを簀巻きにしそこなったのが悔やまれる点です。
私はザイドにはなれぬ……。あいつのように業を1人で背負っていくことは私にはできない……。
あんなの真似しなくていいよ。
しかし、私には私にしか背負えないものがあるはずだ。情けない話だが、改めてそのことに気づかされたよ……。
国の中にいればこそ見えるものもありますが、国の中にいると、見えないものもたくさんあります……。そのことを我々が忘れないためにも、あなた達の存在は貴重なのです。
これが今回の報酬です。そして君は、現在のバストゥークの冒険者としての最高位である、ランク10に任命されます。
君がこれを聞くのは何度目かわからないが……もう一度言わせてくれ、これからも、バストゥークのためによろしく頼む。
ありがとっ。
バストゥークミッション完了だー!