竜巻が出とる!
ここかぁ。
こりゃぁ、子どもじゃ取るの無理だ。
ソイヤ
だいじなもの:アルテパの月石を手にいれた!
何?アイアンイーター様の指令を受けてアルテパの月石を持ち帰った?
うん。
よしわかった。そこで待っていてくれ。
何の御用ですかな?トールマウンテン殿。
ひとつ個人的なお願いがあるのですが……。語り部が転生の時に手にいれたと言われるアルテパの月石を見せていただけませんか?
あーもー!分かりにくいなぁ!
アルテパの古き伝説にも伝わる品。是非一度お目にかかりたいと……。
……。
ふむ、よろしいでしょう。本来ならばそう簡単にお見せできる品ではありませんが、トールマウンテン殿にはいろいろとお世話になった。
なるほど……そういうことですか。
そういうこと……とは、どういうこと、ですかな?
ニセモノだ……ということだな?トールマウンテン。
だ、誰だ!?
おや、私もまだまだ修行が足りませんな。ミスリル銃士ごときでは、200年の記憶を持つ語り部に名前も覚えていただけませんか……。
ミスリル銃士が何の用だ?しかも……ニセモノだと!?無礼にも程がある!!
冒険者に本物のアルテパの月石を持ってこさせました。結果は……ただのガードにでも違いがわかるほど簡単なニセモノだったということです。
私が持ってきたのは本物だと信じて疑ってないって、よほど信用されたんだなぁ。
その冒険者が持ってきた物がニセモノかもしれないだろう!!それに、語り部の持つ品が他と違うのは当然のことではないか!!
ヒュームにつけられるような名前で暮らしておるような奴に品の真偽などわかってたまるか!!
開き直りもここまでくると……。
初めましてー。語り部さまー。
お、おおっ!?
グンパ……?
何だ?おまえは……。
ボク、グンパっていいます。是非語り部様にお会いしたくて……。
いやー、でもすごいですよね。200年以上も前からの記憶でしょ?いろいろとつらいこともあるんじゃないですかあ?
う、うむ……。
それに……ボク、ウェライから聞いたんですけど、語り部様って、記憶を持って転生した後の人生では、例外なく……。
若いうちに、お亡くなりになってるんですよねえ?
……!!
えっ、そうなの!?
語り部って仕事がそんなに大変なのか、それとも持って生まれた宿命なのかそんなことはわからないんですけど……。
そういえば、先代のラオグリム様もそうですよね?北方の調査隊に参加して行方不明……。
あれは…死んでるのか?
あー、死にはしたのか。
死んだ後もえらく元気だけど。
そんな宿命に立ち向かうなんて大変だなあ!!ボクにはとてもできないなあ……。
どういうこと!!そんなこと聞いてないよ!?ボクはただ言うこと聞けばおいしいものが……って!
バカ野郎!!何をそんな言葉にのせられて……。
グンパの方が遥かに上手でした。
ボクは知らないからね!
走って逃げたー!
あっ、待てよ!!
早急に立ち去れ。二度とバストゥークの地を踏むな。もし戻ってくるようなことがあれば……。
……わかったよ。こんなに簡単にだまされるなんて思ってなかっただけなんだ……。
この斧の錆になりたいか?
!!し、失礼しましたー!
走って逃げたー!
もうちょっと張り合いがあるかと思ったけどなあ……。
珍しいな、おまえがそこまでムキになるなんて……。
ムキになってなんか……。でも、アイツ、ウェライの行方を捜すこと……必要ないって言った。
あんな奴の口から、ウェライの名前が出るなんてこと自体、耐えられないから。
グンパ……。
確かウェライって、転生の旅に出たんだったよね?
そうじゃなくてただの旅かもしれないと思って、グンパは待ってるのかな。
それとも、生まれ変わったウェライを探してるのかな…。