その記憶を紡ぐ者 其の壱

白タルの散歩道

バスガード 以前流砂洞を調査してもらったのに引き続き、今回もゼプウェル島の調査にあたってもらう。今回はテリガン岬とゼプウェル島をつなぐ、クフタルの洞門の調査だ。ツェールン鉱山のガード、ドレイクファングに詳しい話を聞くように。
りぃ ほーい。

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ドレイクファング おお、また君がゼプウェル島方面の調査を命じられたのだな。前回は大変だったな。あそこまであっさりと偽者とわかるとは……。
りぃ ねぇ。

語り部偽物事件のことだね。

ドレイクファング まあちょうどよかった。先ほどアイアンイーター様もこちらに向かわれるとの連絡があったところだ。

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アイアンイーター 警備以外の仕事を増やしてすまんな、ドレイクファング。その後どうだ?コロロカの洞門を開放しろという要求は増えてはいないか?
ドレイクファング 少なくとも減る傾向はありませんね。あんな危険なところを一般人を通す訳にはいかないでしょうに……。

一般人がどうしてあんな所に行きたがるんだろう?

アイアンイーター 人は隠せばそこに何かあると思い込むものだ。それはどうしようもない。一刻も早く調査結果をまとめるしかないか……。

ああ、なるほどそういう…。

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アイアンイーター 私自身も今回ゼプウェル島の調査に同行するつもりだったのだが、少し鉱山区の様子が気になっている。まるで地下にひそむ溶岩のようにその不満、憎悪が彼らの中で温度をあげつつあるのを感じとれる……。

語り部偽物事件がきっかけか。

アイアンイーター それと……。もうひとつ気になっていることがあってな。ザイドの言葉……まるで語り部が再び現れることを予言するかのような……。

もうとっくにいるんですけどね。
でも私が言っていいことじゃないし…。

白タルの散歩道

アイアンイーター ともあれ、今回の調査は君にまかせる。これも未確認情報だが、ウェライがクフタルの洞門に向かった、という話もあるのだ。

ウェライが?
まだ生きてるの??

生前に。かな。

アイアンイーター その証拠となる品を持ち帰り、このドレイクファングに報告してほしい。よろしく頼む。

りぃ はーい。

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本ワープですぐのことろだったよ。

砂の中に木片が埋れている……。
木片は崖の下に落ちてしまった!!

りぃ あーっ!!

やっちまったー!

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うん、もう、ここらへんかなぁ。

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りぃ ちょっ、なんなの!あっちいけっ!

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木片を見つけた!!

木片には何か文字が書いてある……
「これを拾った冒険者へ……  ウェライ」

冒険者へ?
ここに来るのは冒険者だろうって読みかなぁ?

ウェライ 長い最後の旅の末、ようやくこの地を見つけることができた……。

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ウェライ ここは悲劇の場所。アンティカにゼプウェル島を追われたガルカたちが逃げ込み、そして……。

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ウェライ すべての者が行き止まりのこの崖に追いつめられ命を落とした……。ある者は刃に倒れ、ある者は崖から落ち……。

そうだったね…。
クフタルの洞門はアンティカが掘ったもので、アルテパ砂漠から逃げるガルカを誘導して先回りしておびただしい犠牲者が…って。

ウェライ 新しい地にて新しい生を求めたガルカの民の無念がこの地にはうずまいている。そして彼らのためにも……。

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ウェライ 新天地を得られた我々バストゥークのガルカは過去をうらやむような生活をしてはいけないはずだ。そのことをこの地で強く思う。

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ウェライ 私にはもう時間がない……。バストゥークの皆にそれを伝えることはかなわぬが、もしこれを拾った冒険者がいれば、是非これをバストゥークのガルカの民の下に届けてほしい。

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ウェライ 過去を振り返りたいと思うのなら、未来を願った彼らの想いを、無にしないでくれ……。

だいじなもの:文字の書かれた木片を手にいれた!