

私を……崇めよ……私を……畏れよ……

私を……私……を……お……畏れ……おそ……れ……。

眼の光が消えた。

と、止まったの……?

……おそレルニ、タラ~ズ!
えっ!?

アヴゼン!?

…………。
アヴゼン消えてなかった!!

……ありがとう。アヴゼン、メネジン。
よかったねぇ。アフマウ。

りぃ!わたし……わたし、やったわ!!巨人を操作して機関を停止させたの。
うん。すごいよ。

あなたが、巨人の注意を引きつけてくれた、おかげよ!ありがとう、りぃ♪
もうめっちゃルンルン。

あとは、兄さまをあの中から助けないと……。
はやくガッサドに開けてもらおう。

ん?

アフマウ!

ルザフ!?無事だったのね!よかった……。
えぇ!?
どうしてここに来たし!!
ナジャ社長が救出に成功したからいるんだろうけど、あれだけラグナロクを起こしてはならないって言ってたのに、どうしてアレキサンダーがいるこの場所にやってくるの!?
はやくこの建物から脱出して向こう行っててー!!

聞いて!機関巨人は止めたわ。アレキサンダーは還っていったのよ!もう、倒す相手はいない……。オーディンになる必要もない……。

ルザフ……あなたは自由なのよ!

気をつけろ、アフマウ!俺の中のオーディンは消えては……

眼が光っ……青?
ラズファード!?


あっ!!!

アフマ……

ガフウッ。
???
どうして私まで倒れるの!?
何も攻撃当たってないよ?
ちょっとはやくそこの機械小突いて壊さなきゃなのに!
…ってやられるのがストーリー的に邪魔だから気絶させたんじゃないでしょうね?
それなら爆風で吹っ飛ばされて頭打ったとかの方がまだマシよ???



アフマウ!!

……崇めぬ……者に…………天罰……を……。
眼が青いけど、アレキサンダーが喋ってる。
まさか、巨人の機関が停止したからラズファードに憑依したの!?

…………。
あっ、オーディンが。


止めたのにまた起動しちゃった!


ァアレキィサンダァァァアッ!!!
皇国への怒りじゃなくて、アフマウが攻撃された事への怒りからオーディン出てきちゃった!!

ハハハハハハハハッ。我が騎士よ、見事だ!実に心地よい怒り……。

ふたつのかたまりが出会うとき。
冥闇の鏡のお話!

……オーディン……再び、裁きの時、満ちれり……汝に、審判を、くださん……。
笑止!アレキサンダー、汝が鉄屑の骸、再び現象の世にさらすがよい。
そもそもどうしてこの2人は仲悪いんだろう?

まさか、ラグナロクが始まるというのか……!?
ひとり意識保ったまま特等席じゃないですかッ!!

XIII……
XII……

XI……。
懐かしや、審判の光なれば、我も魔槍を馳走せん……。


グングニル!


投げた!




ぅわあぁああああッ!




グングニルが勝った。

ひとつのかたまりは黒きを感じ。

VI……
V……。

ひとつのかたまりは白きを思い。


斬鉄剣出した!

II……
聖なる審判が溜まる…!

大きな嵐が生まれる。


これはやばいいいいいいいい!!
てか、アフマウと私、確実に死…!

嵐は天にのぼりはじめ。
ぶつかり砕け散るだろう。

あっ、ラウバーン気が付いた!
早くアフマウを避難させて!!

I……。
……ダメ、よ。

やめてぇえええーーーーっ!



ここは……?

(ナシュメラ……。)
……兄さま……?

……安心しろ……。……愛する…………アトルガン…………神々の……好きにはさせん……。

……ねぇ、兄さま、なんて言ってるの?よく聞こえないわ……。
もう……一度…………お前の……笑顔……が、見たかった……。
……ま、待って!

……さらば……だ……

……マウを……マウを独りにしないで……
兄さま……兄さまぁ!!!
ラズファード…。




ん?斬鉄剣が消えた。

審判の光も消えた…。

……にいさ、ま……



…………ナ……シュ……。
キラキラが登っていって消えた…。

止まった…。
ラズファード、アレキサンダーを連れて行ったの?

……何故、剣を納めた?
オーディン勝手に動くかと思ったら、制御できたのね。

…………。
……余の騎士よ……我が神意に……背く…………とは……

……血迷うた……か。
オーディン消えた。

……くっ、アフマウッ。

やっと起きれたよぉ。

……君にはまだ、なすべきことが山ほど残されている……死なせはしない…………死なせは…………。


冥界の主オーディンよ!俺は、貴方の意に背いた!だが、俺は生きている……。

何故だ?俺は神意を知りたい……。

だから、この娘アフマウに、この仮初の命を譲り……貴方に会いにふたたびヴァルハラに行こう。
ルザフの命ってめっちゃ短くない?大丈夫?
もう冥路の騎士ではなくなったっぽいから、本来の寿命が適用されるのかしら。
ということは後何十年かある?

おおっ、魔笛が光ったら周りの輪っかの中も光った。
ってか、なんだこれ?



おおお?





光が消えた。

……う……んっ……。
アフマウ……。

……ん、ルザフ……?マウは……いったい……
よかった……
ルザフはこの装置で死にかけか…もしかしたら死んでた人を回復できるって知ってたの?
自分の命と引き換えにしないと使えないのかな。

君とはもっと話をしたかった……。だが、もう俺には時間が残されていない……。

ルザフ……。

君には、未来がある。いや、君だけじゃない……皇国の民、イフラマドの民……君は、みんなの未来を背負わなければ……。

行かないで……!だったら、あなたもいっしょに……。
君はひとりじゃない。愛すべき将兵や民がいる。頼りになるりぃも……。

うん、そうね……マウに、すべて……
アフマウ泣いてる…。

まかせるがよい!
ははは……その意気だ、アフマウ。

あっ、倒れるっ。


……おお、海が見える!おもしろい、今度の戦場は冥界の海のようだ。


…………。

ああ…。

……りぃ。

ここにいるよ。

わらわは長らく、皇宮を空けてしまった……。

帰りましょう、アトルガンへ!
アフマウ…。
アヴゼンもメネジンも、ラズファードもルザフもリシュフィーもアミナフも失って、辛くて仕方ないはずなのに聖皇の責務を果たそうとして。
まだ15歳なのに。
強くなった。
けれど、大丈夫なんだろうか…。