修羅の道 其の弐

ナシュメラ ん、んん……。
フリット ほらほらー!弱ってる、弱ってます、今ですよ~。あれだけの大量のアストラル風を浴びたんです。意識がもどったところで、どうせ……

フリット とどめを刺してあげましょうよ。哀れなアフマウさんのためにもね。

ルザフ ……。

フリット ほひゃひゃ!そうこなくては!

アヴゼンが動いてる。

コソコソ

ルザフ ……!

ルザフ ……フリット。確認したいことがある……。

ルザフ アフマウの傭兵、りぃといったか。あいつが、財宝の警備についたことは確かか?
フリット なんです、突然?こんな大事なときに、も~、案外がめついんですねぇ。

フリット ええ、確かですよ。魔方儀に冥衆の護符の反応がありましたから。ルザフさんにもお見せしたじゃありませんか。
ルザフ 冥衆の護符はこの世に2つ。あいつに預けた俺の分と、今、お前の持っている分。絶対に間違いないな?

フリット ええ、ええ。そういう、提督のご指示でしたでしょ。「命令には絶対服従!」がコルセアの掟ですからねぇ。

ルザフ ならば、お前の分を見せてみろ。
フリット あ、えと……そうだ!そうですよ!今はそれどころじゃないはずでしょう?

見た目だけでも同じやつとか用意してないのね。
ツメが甘かった。

フリット ほら~、魔方儀をご覧くださいよ。タラッカに反応があります、だいじょうぶ。やつは元気に財宝を守ってますよ~。
ルザフ そうか。それを聞いて、安心した……。

ルザフ これで、心置きなく処分できる。

ルザフ 貴様をなっ!
フリット はいっ!?

フリット る、ルザフさん、そのっ、間違って……

躊躇なくいったぁ!

ナシュメラ !!!

ルザフ コルセアの掟……忘れたとは言わせん。

まだ動いてる。

ルザフ ……我が神、オーディンよ。いま一度、問う……!俺の言葉は、貴方に届いているだろうか!?

Odin Prime ……汝は怒りを晴らせしか?

さっきまで名前はOdinだったけど、Odin Primeになった。
本体じゃないって分かったからか。

ルザフ 俺の言葉は届いていない……か……。

ナシュメラ ルザフ……。

ルザフ りぃよ。
りぃ うん?

ルザフ 俺は、けりをつけねばならん。……アフマウを頼む。
りぃ わかった。

ルザフ そいつは、俺の……いや、イフラマドの希望だ。

ナシュメラ ……な、なにを!?

ルザフ これが化身ならばっ!戦って神体を引きずり出すまでっ!

いや待って、アフマウを避難させてからにしようよ!!

ルザフ なっ!?

そりゃ、そんな程度じゃ無理でしょうよ!

ルザフ ……グハッ!

Odin Prime ハハハハハハハハッ!

笑った!?

Odin Prime 汝は怒りを晴らせり!

Odin Prime 余は、汝を騎士に任ぜよう。

当初予定の方法じゃなかったけど、確かに怒りは晴れてるもんねぇ。

Odin Prime 審判の日……ラグナロクに馳せ参じ、アレキサンダーを討ち果たすその日まで!

帰っていったー!

でもなんで、オーディンはアレキサンダーを倒したいんだろう?
何か因縁があるのかな。