
おかえりなさい。りぃ♪あんたが戻ってくるのを、今か今かと待ちわびてたとこだよ。
機嫌が良いのか悪いのか分からなくてこわい。

んん? 例の船の報告は、改めてここでする必要なんかないよ。あんたの話す内容なら、もう察しがついてるんだから。
ゲッショーの報告かな。
イフラマド金貨は、ドゥブッカ島で「昔のコルセア」に渡し賃として支払ったんじゃないかい?
うん。

しかも、例の船に乗りこんで、大勢の「昔のコルセア」と大立ち回りしたんじゃないのかい?
うん。

やっぱり……ゲッショーから聞いた話と、ずいぶん似ているネェ。
一緒にいたからね。

……で、例の船の正体、あんたは何だと思ってるんだい?
ブラックコフィン号。

へぇ~!そうなのかい。ゲッショーの見解と一緒だネェ!まさか、あんたら。あたいをたばかるために、口裏あわせてんじゃないだろうネェ?
疑り深いなぁ。

まっ、だけどね。そんなことは些細なことさ。今すぐ、あたいはあんたに説明してほしいことがあるんだよ~。
なんだ…?
だいたいの、察しはついてるんじゃないのかい?んん~?りぃサマ♪
全然分かんない。

ダンッ!
……あんた宛に皇宮から書状が届いてんだよっ!!!
そんなん知らんがな!
社長権限で封は切らせてもらったけどね。

ダンッ!
ったく……いまいましいったらありゃしないっ!!

あたいはねっ!「サラヒム・センチネル」の社長だよっ!

この!
あたいを!!

差し置いて!!!
めっちゃとげとげ振り回すー!!

また勝手な行動をとってたのかいっ、あんたはっ!?
知らんってばー!

……この書状はね、なんと、不滅隊のリシュフィーさまが直に届けてくださったんだ。ここを見てごらん!
ん?
なんと、宰相さまの直筆署名入り。正真正銘どこからみたって、皇宮への招待状ってわけさ。
宰相から?
宰相って、ウォルフガングと同じ顔のあの丞相のこと?

あんたは例の船の話を、聖皇さまの御前でとうとうと言上するがいい。あの、おかしなからくり人形サマもさぞや喜ばれるだろうネェ。
おかしなからくり人形…アヴゼンのことだな?
馬鹿にされたこと根に持ってるな?
ここを見な!……註釈だよ。従者を1人だけ連れてくるようにって書いてある。

だけど、あんたが宮廷儀礼すら知らない、どこぞの馬の骨でも誘って、皇宮で粗相をやらかそうが知ったこっちゃないよ。あんたとあたいは今日限り、金輪際、顔を合わせなくてすむようになるんだからネェ。
そうなの?

二度とうちの敷居をまたぐんじゃないよっ。……この意味、わかってるだろうネェ?
会社辞めろってこと?
うん。わかった。

だったら、今すぐ回れ右して、ここから出ておいきっ!
うん。
…あれ?
あれ??
何度「はい」を押しても押しても選択肢が消えない!!!
「いいえ」しか選べない!!

い、いいえ…。
ヘェェェェェ……

それなら、あんたはどうやってこの落とし前をつけるつもりだい?
また選択肢が。
ナジャに従者になってもらう
ナジャ社長を皇宮に招待する
招待するとかしたら上から目線だってブチ切れられそうだから、一緒に行けることになる従者ってことで…。

従者として一緒に来て。
よく聞こえないネェ。
ん?
従者…
よく聞こえないネェ。
またこっち選べないじゃないですか!!

皇宮に招待するよぅ。

ハッ!?このあたいに、あんたの従者になれって言うのかい!?冗談も休み休みっ……
なんなのさ、もう。
……。

…………。
なんか、皮算用してるな?

そうだネェ……。あんたが、そこまで言うのなら考えてやってみないこともないよお。うん。
ソレハヨカッタデス。
ほんっと、しようがないネェ。

だけど、こんなことはこれっきりだからねっ。覚えておくんだよっ!
ウン。

それにしたって……あんたの服装は、ちょっといただけないネェ。皇宮へ参内するには、それ相応の礼服じゃないと……。
ロックスタイルでウィンダスの礼服着てるけど、実際はめちゃくちゃです…。
一緒に歩くあたいの美意識が許さないよっ!
無礼とかじゃなくてそんな理由だったの!?

んん? 皇宮にどんな服を着てけばいいのかって……?……しょうがないネェ。
見当もつきません。
ちょいとお待ちよ♪あたいのコレクションから、いくつかあんたに見せてあげよう。
おおっ、助かる!

……どんな服が見てみたいかネェ?
いっぱい選べる!
とりあえず一番上のやつで。
青に金の縁取り。

どうだい?
おおーっ。

(超、いいです!)
ん?アブクーバ?

あれ?全部見せてくれるのかな。
赤に金の刺繍。

これも、いいだろう?

(すばらしいです……)
心の声がめちゃくちゃ聞こえる。

淡い色でレース。
ほらっ!

(たまらないっす!)

濃い紫の鎧。
……似合うかい?

(うおーーーっ!)

ゴージャスな赤!
これもいいけど、普段着ている赤のほうが、あたいは好きだよ♪

(……か、可愛すぎる……。)

柄もの。
たまには、こーゆうのも!

(他に、誰も、見てないです……?)

紺に金の刺繍。
シックだろう?

(さいこーーーっ!)

かわいい黒♪
フフン♪

(ぐはっ……)
アブクーバ死んだァ!!
あっ、これで全部だ。
ナジャ社長、衣装持ちだなぁ。

た・と・え・ば!今、見せたくらいの服は着てもらわないとネェ。白門の向こうにも行けやしないよっ。
うん。わかった。
ま、あんな豪華なもんあんたには、ちーっとばかし無理だろうから、あたいの美意識が許すような、それっぽい服を着ておいで。
今のじゃなくてもOKな服があるのね。

まずは上着を用意すること。……ただし!あたいのお眼鏡にかなうようなものに限るからねっ。それ以外のものは、あんたの好きにしな!贅沢はいわないけど、組み合わせの妙を楽しむのが、上流のたしなみだよっ!
上着だけでいいのね。助かる。
用意ができたらあたいに見せにおいで。ちゃんとしてるかどうか、チェックさせてもらうからネェ。
うん。

用語辞典で調べたら、3国の服はダメなんだって。
礼服なのに。
違う国の服を着てくるのは無礼ってこと?

楽に手に入りそうなのがアサルトのポイントのやつ。
中尉まで上げてるから、それなりにポイントも貯まってるはず…。
持ち戦績が21571点。
ペルワンカザガンドが20000点。
うおー!!
ギリギリ足りたぁ!!!

ててーん。
よっし、これでOKだ。

なんとかサマになる礼服を身につけてきたようだネェ。あとは、あんたが御下命のあるまで、いっさい口を開かなきゃあたいも一安心ってもんさ。
うん。喋らない…。
じゃ、あとで白門のそばで待ち合わせだよ。あたいにだって少々準備ってもんがあるからさ。

準備?
んんん? そんなこと……

レディにむかって聞くもんじゃないよっ!覚えときなっ!
はっ、はいぃ。
何か企んでるのか、単純に支度の時間なのか。
どっちだ…?