賓客の資格

ナジャ・サラヒム おかえりなさい。りぃ♪あんたが戻ってくるのを、今か今かと待ちわびてたとこだよ。

機嫌が良いのか悪いのか分からなくてこわい。

ナジャ・サラヒム んん? 例の船の報告は、改めてここでする必要なんかないよ。あんたの話す内容なら、もう察しがついてるんだから。

ゲッショーの報告かな。

ナジャ・サラヒム イフラマド金貨は、ドゥブッカ島で「昔のコルセア」に渡し賃として支払ったんじゃないかい?
りぃ うん。

ナジャ・サラヒム しかも、例の船に乗りこんで、大勢の「昔のコルセア」と大立ち回りしたんじゃないのかい?
りぃ うん。

ナジャ・サラヒム やっぱり……ゲッショーから聞いた話と、ずいぶん似ているネェ。

一緒にいたからね。

ナジャ・サラヒム ……で、例の船の正体、あんたは何だと思ってるんだい?
りぃ ブラックコフィン号。

ナジャ・サラヒム へぇ~!そうなのかい。ゲッショーの見解と一緒だネェ!まさか、あんたら。あたいをたばかるために、口裏あわせてんじゃないだろうネェ?

疑り深いなぁ。

ナジャ・サラヒム まっ、だけどね。そんなことは些細なことさ。今すぐ、あたいはあんたに説明してほしいことがあるんだよ~。

なんだ…?

ナジャ・サラヒム だいたいの、察しはついてるんじゃないのかい?んん~?りぃサマ♪
りぃ 全然分かんない。

ダンッ!

ナジャ・サラヒム ……あんた宛に皇宮から書状が届いてんだよっ!!!
りぃ そんなん知らんがな!

ナジャ・サラヒム 社長権限で封は切らせてもらったけどね。

ダンッ!

ナジャ・サラヒム ったく……いまいましいったらありゃしないっ!!

ナジャ・サラヒム あたいはねっ!「サラヒム・センチネル」の社長だよっ!

ナジャ・サラヒム この!

ナジャ・サラヒム あたいを!!

ナジャ・サラヒム 差し置いて!!!

めっちゃとげとげ振り回すー!!

ナジャ・サラヒム また勝手な行動をとってたのかいっ、あんたはっ!?
りぃ 知らんってばー!

ナジャ・サラヒム ……この書状はね、なんと、不滅隊のリシュフィーさまが直に届けてくださったんだ。ここを見てごらん!

ん?

ナジャ・サラヒム なんと、宰相さまの直筆署名入り。正真正銘どこからみたって、皇宮への招待状ってわけさ。
りぃ 宰相から?

宰相って、ウォルフガングと同じ顔のあの丞相のこと?

ナジャ・サラヒム あんたは例の船の話を、聖皇さまの御前でとうとうと言上するがいい。あの、おかしなからくり人形サマもさぞや喜ばれるだろうネェ。

おかしなからくり人形…アヴゼンのことだな?
馬鹿にされたこと根に持ってるな?

ナジャ・サラヒム ここを見な!……註釈だよ。従者を1人だけ連れてくるようにって書いてある。

ナジャ・サラヒム だけど、あんたが宮廷儀礼すら知らない、どこぞの馬の骨でも誘って、皇宮で粗相をやらかそうが知ったこっちゃないよ。あんたとあたいは今日限り、金輪際、顔を合わせなくてすむようになるんだからネェ。

そうなの?

ナジャ・サラヒム 二度とうちの敷居をまたぐんじゃないよっ。……この意味、わかってるだろうネェ?

会社辞めろってこと?

りぃ うん。わかった。

ナジャ・サラヒム だったら、今すぐ回れ右して、ここから出ておいきっ!
りぃ うん。

…あれ?

あれ??

何度「はい」を押しても押しても選択肢が消えない!!!

「いいえ」しか選べない!!

りぃ い、いいえ…。
ナジャ・サラヒム ヘェェェェェ……

ナジャ・サラヒム それなら、あんたはどうやってこの落とし前をつけるつもりだい?

また選択肢が。
 ナジャに従者になってもらう
 ナジャ社長を皇宮に招待する

招待するとかしたら上から目線だってブチ切れられそうだから、一緒に行けることになる従者ってことで…。

りぃ 従者として一緒に来て。
ナジャ・サラヒム よく聞こえないネェ。

ん?

りぃ 従者…
ナジャ・サラヒム よく聞こえないネェ。

またこっち選べないじゃないですか!!

りぃ 皇宮に招待するよぅ。

ナジャ・サラヒム ハッ!?このあたいに、あんたの従者になれって言うのかい!?冗談も休み休みっ……

なんなのさ、もう。

ナジャ・サラヒム ……。

ナジャ・サラヒム …………。

なんか、皮算用してるな?

ナジャ・サラヒム そうだネェ……。あんたが、そこまで言うのなら考えてやってみないこともないよお。うん。
りぃ ソレハヨカッタデス。

ナジャ・サラヒム ほんっと、しようがないネェ。

ナジャ・サラヒム だけど、こんなことはこれっきりだからねっ。覚えておくんだよっ!
りぃ ウン。

ナジャ・サラヒム それにしたって……あんたの服装は、ちょっといただけないネェ。皇宮へ参内するには、それ相応の礼服じゃないと……。

ロックスタイルでウィンダスの礼服着てるけど、実際はめちゃくちゃです…。

ナジャ・サラヒム 一緒に歩くあたいの美意識が許さないよっ!

無礼とかじゃなくてそんな理由だったの!?

ナジャ・サラヒム んん? 皇宮にどんな服を着てけばいいのかって……?……しょうがないネェ。

見当もつきません。

ナジャ・サラヒム ちょいとお待ちよ♪あたいのコレクションから、いくつかあんたに見せてあげよう。

おおっ、助かる!

ナジャ・サラヒム ……どんな服が見てみたいかネェ?

いっぱい選べる!
とりあえず一番上のやつで。

りぃ 青に金の縁取り。

ナジャ・サラヒム どうだい?
りぃ おおーっ。

アブクーバ (超、いいです!)

ん?アブクーバ?

あれ?全部見せてくれるのかな。

りぃ 赤に金の刺繍。

ナジャ・サラヒム これも、いいだろう?

アブクーバ (すばらしいです……)

心の声がめちゃくちゃ聞こえる。

りぃ 淡い色でレース。
ナジャ・サラヒム ほらっ!

アブクーバ (たまらないっす!)

りぃ 濃い紫の鎧。
ナジャ・サラヒム ……似合うかい?

アブクーバ (うおーーーっ!)

りぃ ゴージャスな赤!
ナジャ・サラヒム これもいいけど、普段着ている赤のほうが、あたいは好きだよ♪

アブクーバ (……か、可愛すぎる……。)

りぃ 柄もの。
ナジャ・サラヒム たまには、こーゆうのも!

アブクーバ (他に、誰も、見てないです……?)

りぃ 紺に金の刺繍。
ナジャ・サラヒム シックだろう?

アブクーバ (さいこーーーっ!)

りぃ かわいい黒♪
ナジャ・サラヒム フフン♪

アブクーバ (ぐはっ……)

アブクーバ死んだァ!!

あっ、これで全部だ。
ナジャ社長、衣装持ちだなぁ。

ナジャ・サラヒム た・と・え・ば!今、見せたくらいの服は着てもらわないとネェ。白門の向こうにも行けやしないよっ。
りぃ うん。わかった。

ナジャ・サラヒム ま、あんな豪華なもんあんたには、ちーっとばかし無理だろうから、あたいの美意識が許すような、それっぽい服を着ておいで。

今のじゃなくてもOKな服があるのね。

ナジャ・サラヒム まずは上着を用意すること。……ただし!あたいのお眼鏡にかなうようなものに限るからねっ。それ以外のものは、あんたの好きにしな!贅沢はいわないけど、組み合わせの妙を楽しむのが、上流のたしなみだよっ!

上着だけでいいのね。助かる。

ナジャ・サラヒム 用意ができたらあたいに見せにおいで。ちゃんとしてるかどうか、チェックさせてもらうからネェ。
りぃ うん。

用語辞典で調べたら、3国の服はダメなんだって。
礼服なのに。
違う国の服を着てくるのは無礼ってこと?

楽に手に入りそうなのがアサルトのポイントのやつ。
中尉まで上げてるから、それなりにポイントも貯まってるはず…。

持ち戦績が21571点。
ペルワンカザガンドが20000点。

うおー!!
ギリギリ足りたぁ!!!

ててーん。

よっし、これでOKだ。

ナジャ・サラヒム なんとかサマになる礼服を身につけてきたようだネェ。あとは、あんたが御下命のあるまで、いっさい口を開かなきゃあたいも一安心ってもんさ。

うん。喋らない…。

ナジャ・サラヒム じゃ、あとで白門のそばで待ち合わせだよ。あたいにだって少々準備ってもんがあるからさ。

りぃ 準備?
ナジャ・サラヒム んんん? そんなこと……

ナジャ・サラヒム レディにむかって聞くもんじゃないよっ!覚えときなっ!
りぃ はっ、はいぃ。

何か企んでるのか、単純に支度の時間なのか。
どっちだ…?