昇進試験~軍曹 其の壱

伍長のアサルトもなんとかクリアして。

リリルン ごめんくださいですのー。
アブクーバ は、はいっ。えっと……どちらさまでしょうか?

リリルン あたくち、リリルンともうちますの。ここはたちかジャノメたんていちゃ、ですわのね?

ジャノメ探偵社?

リリルン ここらもむかちと、すっかりかわったからわからなかったですの。セキニンシャのかたはいらっちゃるかしら?
ナジャ・サラヒム んんー?探偵社だって??

ナジャ・サラヒム な~に、ねぼけたこと言ってんのかネェ。ここは「サラヒム・センチネル」だよっ!皇国の御用を承る畏くも貴い……。
リリルン ちょっとした、イライを、したいですの。

リリルン ほら、なかなか、こまりごとをひきうけてくれる、ところってございませんのね?
ナジャ・サラヒム あのネェ……だからウチは……。

リリルン もちろん、シャレーはあとで、ヒツジクルマでどっさり、もってきますわのよ。

ナジャ・サラヒム !!羊車でどっさり!?

リリルン ええ。

羊車って、ナシュモとかにあるあの二頭立てのやつよねきっと。
あれにどっさりって、相当な量になるよ。

ナジャ・サラヒム お……お安い御用でございます。当探偵社は……。

社長ー!
偽って大丈夫なのかな。
傭兵会社だけど依頼を受けますよ。って言った方が。

アブクーバ えっと、なにか勘違いをしてらっしゃるようですが、うちは皇宮御用達の傭兵会社ですよ。

アブクーバ たいへん申し訳ないのですが一般のお客さまのご依頼はお断……

忍び寄る社長…!

片手棍wsの音!!
これはなんだ、トゥルーストライクか!?

アブクーバ ぐはっ!!

ナジャ・サラヒム ……オホン。

息絶えてない!
耐えてる!!

ナジャ・サラヒム ……え~、当探偵社では……

ナジャ・サラヒム アブクーバ!!

アブクーバ はっ、はいぃぃ!

殴り倒しておいて人使いが荒い!!

アブクーバ ……え、ええと?

ナジャ・サラヒム 蛇の目探偵社モットー!及び、お客様とのお約束条項について!

アブクーバ はッ、はいッ!迅速解決、安心価格ッ!もちろん個人情報絶対守秘でありますッ!

アブクーバ えっと、それから……どのようなお悩みでもッ!経験豊富な敏腕探偵たちが、全力でお応えいたしますッ!

アブクーバ優秀!

ナジャ・サラヒム ……と、まあそういうふうでございます。
リリルン まあ。それはたのもちい。

ナジャ・サラヒム で?本日、リリルン様はどのようなご依頼でしょう?

リリルン あるヒトを……、さがちているですの……。じつは、あたくちチョーコーシをやってるですが……

ナジャ・サラヒム チョーコーシ?ああ、調香師のことですか?

リリルン ええ。メにみえない、カオリをあつかうおチゴトでございまちょ?ですから、あたくちも、かけだちのころは、それは、クロウちたのですが……

リリルン でも、どうにかカイチャをきずいてコウキュウに、ショウヒンをおろせるくらいに、なりましたですの。

会社作って皇宮に商品を?
えっ、すごいのでは!?
皇室御用達じゃないですか。

ナジャ・サラヒム ホ~それは、それは!
アブクーバ (あの……ほら、ナジャ社長がココ一番の勝負時につけてらっしゃる香水ブランド「ブブーチェ」。あそこの、社長兼トップ調香師がキキルンだって話、僕、聞いたことがあります……。)

ナジャ・サラヒム ほんとかい!?

リリルン ……?ほんとでちゅよ。
ナジャ・サラヒム あら、失礼。こちらの話ですのよ。ほほ。どうぞ、お続けになって。

リリルン それでですねかけだちのころに、おせわになったチョーコーのオチショーにごあいさつが、ちたいのですの。
ナジャ・サラヒム 落ち将?
アブクーバ (……お師匠ですよ。)

リリルン おかげさまでキキルンだてらにいっぱしに、やっておるですのよ、って。

すごく苦労したんだろうなぁ。

リリルン でも、ここらをはなれてもうナンネンもたってますのでしょう?オチショーも、トージのナカマも、イマはどこにいるやら、ですの……。

ナジャ・サラヒム なぁるほど。おおよそ、了解いたしましたよ。……そうですネェ。皇宮に縁あるお方ともなればそこいらのペーペーを、おつけするわけにもまいりませんし……。

ナジャ・サラヒム えぇと……りぃ伍長!

そうなりますよね。

リリルン ゴチョー?
ナジャ・サラヒム ……じゃなくって、りぃ探偵!
りぃ はいな。

ナジャ・サラヒム こいつは、数々の難事件を解決した有能な探偵でございますよ!リリルン様の手となり足となり陰となり日向となり……必ずや、お師匠を見つけ出すこと請け合い!どうぞ、なんなりとお好きにお使いくださいませ。

ひぃえ。

ナジャ・サラヒム (いいかい?ウチが傭兵会社ってことはくれぐれもバレないようにすんだよ……。そうすれば、た~んまり羊車で御足が入ってくるんだからネェ!)
りぃ う、うん…。

ナジャ・サラヒム さあっ、名探偵りぃ!はりきって、行っておいでっ!!

リリルン そうねぇ……。やみくもにさがすといっても……てがかりが、ひつようですわのね。

リリルン なにか、オチショーについてちりたいことは、ありますですの?

これ、全部聞くのかな。

りぃ どんな人物?
リリルン エリバーンの、おぢいさんですのよ。だけど、とてもトチヨリとはおもえないほど、おゲンキなカタでちたですの。

一気に絞れた。

リリルン とはいえ、かなりのおトチではござりまちょう?ちょっと、チンパイで……。

リリルン え、イマですか?たちか、デンセツのオコーのケンキュウをちていらっちゃるますとか……。

伝説のお香!?

りぃ どんな性格?
リリルン とっても、とってもとーーーーーっても!きびちーいヒトで、なんども、おこられたですの……。

リリルン できのわるいデチだった、あたくちはいつも、どなれてばかりでちた……。けれど、みよりのないあたくちには、ジツのオトーサンのよーに、おもえておりまちたですのよ。

リリルン だって、オトーサンとはああやって、コドモをちかってくださるものなんでございまちょ?

愛のある叱り方をしてたんだろうな。

りぃ どんな体臭?

え、体臭?
自分聞いておいてなんだけども。
体臭というより、香水つけてたのでは?

リリルン そうですのね……。いつも、チョーコーをちていらちたので、ホワ~ンとフラワーのよいカオリに、つつまれておられまちた……。だから、オチショーがあるかれたアトには、カオリのチッポが、ついてまちたですのよ。

リリルン あ、そうそう!カオリといえば、コレがありまちた。オチショーのつくったオコーですのよ。てがかりに、なるかとおもってもってきたですの。

瑞々しい花のような、良い香りがする……。

リリルン …………。そうですわ!このカオリがちたら、アトをたどっていけばいーんですのよ!
りぃ なるほど。

リリルン ……さて、タンテーさん。あたくちたち、まずドコからさがちたら、よいですのかちら?

バルラーン大通りか、ワジャーム樹林か、ハルブーンから選ぶ?
まず人が多い所から当たってみるべきでは?

りぃ バルラーン大通りかな。

リリルン なるほど、さすがはメータンテーですの。ヒトがイッパイいるオードーリなら、きっとカオリもイッパーイ!とゆーわけなのですね?

んじゃ、行ってみるかぁ。