日記がある。
え、勝手に日記見ていいの?いいのね。読んじゃうよ?
昨日は、ユグホトの岩屋へ行った。
王国の仕事を受けてきたと思われる冒険者が苦戦していたので、少しばかり加勢した。
以前に比べ、魔物の数が明らかに増えているのは何故だろう?
獣人どもの企みを暴こうと、いろんな場所を回っているが、あんな魔物を見たのは、正直初めてだ。
日記書いた人は…冒険者ではなさそうな口ぶり。
日記がある。
鍾乳洞の入口で、あの男の姿を見かけた。
幸い私には気づかなかったようだ。
全然昔と変わっていなかった。
良いところも、そして悪いところも。
そういえば、鍾乳洞の滝も久しぶりに見た。
見習いだった頃、鍾乳石のしずくを取りに、あの滝まで行ったのも、今となっては懐かしい。
鍾乳洞の入り口にいた男…。因縁がありそうだけど、誰だろう。
日記がある。
先日、1人の旅人から聞いたのだが、とあるコケには、咳の症状を弱める効果があるらしい。
できれば、魔物退治のついでにでも、そのコケを採ってきて、あの母子に渡せればよいのだが、1人で運べる荷物にも限界がある。
誰か私の代わりに、あのコケを採りに行ってくれる者でもいれば……。
あっ、そういえば咳で苦しんでる女の人がいたよね。コケがあれば治せるのかな。
日記がある。
獣人のことを調べるうちにとても恐ろしい話を聞いてしまった。なんと彼らは自らを生み出した神をすでに目覚めさせているというのだ。
北の地に現れた「闇の血族」と呼ばれるものたちは、その神が生み出したものだという。まさか男神が……?
私は、真実を確かめるために北の地のさらに先へと旅立つことを決意した。
かの地では、エグセニミル公が獣人を追撃し、激しい戦いを展開しているそうだ。
彼の人の軍に合流することができれば、その神について調べることができるだろう。
幸運にもかの伯爵と連絡を取ることができ、迎えを出してくださることになった。
しかし、ウルガラン山脈を越えたところまで、自力で行かねばならない。ウルガラン山脈の地図が必要不可欠だ。
気は進まないが、甥のアントレノーに会わなくてはならない。王立騎士団の彼ならば、地図の写しを貸してくれるだろう。
唐突な情報量!!
エグセニミルが北の地へ追撃してるってことは、クリスタル戦争の後の事だね。
獣人が男神を目覚めさせた…?闇の王の事ではなく、プロマシア?
もしかして、プロマシアの呪縛に繋がる情報?
かの伯爵ってのは、エグセニミルが伯爵だからきっと彼の事ね。
甥のアントレノー?
誰だ。
サンドリア港の「錆びた錨亭」で食事中。
王立騎士団に所属している。
ミスタル伯爵家の一人であり、ルーヴランスは彼の伯父にあたる。
この日記書いたの、ルーヴランス!?
貴き血流れてと卑しき血流れずに出てきた。
北方調査に行ったフランマージュの孫。
テュロム伯爵に狙われてて、今どこにいるのか不明。
北の方にいて最近戻ってきたっぽかったけど、北ではエグセニミルに合流してたのかぁ。
ん?アントレノーが甥?
ルーヴランス、兄弟がいたの!?
突然のルーヴランス情報に頭がついていかねぇ。
でも、そっか。
セルビナからサンドリアに帰ってきて、この部屋に住んでたのね。
とりあえず今できることは…。
あのあとダボイに寄った時にタチジャコウゴケを手に入れたから、薬師さんのところに持ってきたよ。
おお、確かにこのコケじゃ。それじゃあ、これで咳止めの薬を作ってやろう。少しの間、待っておいで。
そういえば、お医者さんはモンブロー先生しか見かけないけど、薬師さんはいるのね。
さあ、咳止めの薬ができたよ。持ってお行き。きっと誰かの助けになるはずさ。
ありがとっ。
だいじなもの:咳止めの薬を手にいれた!
さっきの薬師さんと同じ顔だけど違う人。
これは…ゴホ…咳止めの薬…。でも、こんな高価なものを、ただで頂く訳にはまいりません…ゴホッ。
ついでに取ってきた材料だし、いいんじゃよ。
これは、亡くなった私の主人が持っていたものです。お役に立てるかどうかわかりませんが、これを持っていってください。
だいじなもの:財宝の書を手にいれた!
財宝!?
こんなもの持ってるなら、取ってきて売って薬買った方がいいのでは…。
…あれ?
この人、いつも南サンドリアを走り回ってバイトしてるラミネールのお母さんだよね。
ラミネールはお母さんのダボイ肺炎の薬を買うためにバイトを頑張って…。
財宝ー!!
財宝あるのならあんなに働き詰めなくていいのでは!?
何故!!!
すぐそこのロンフォールに財宝があるようなので取りに行ってきた。
道しるべの根元から布の袋を発見した。
3000ギルを手にいれた!
…。
当時のクエストの報酬額としてはそこそこだけど、財宝…?
お母さん、中身知ってたのかしら。