卑しき血流れず 其の肆

白タルの散歩道

Dauperiat テュロム伯爵の使いのものではないようだが…ん?あのときの冒険者か?

ん…?

あ、あー!!

りぃ 北サンドリアの、南サンドリアへ続く門の右の影に隠れるように立ってて、王城の設計図を使ってハルヴァー宰相を脅してる詐欺師だ!!!

ハルヴァーを脅してるどころか、王城の設計図をオークに売ってんのよ。更に、売ったくせに、オークから設計図を取り戻して来いって言うのよ。

脅して売って回収して…永久機関の完成!?

ブログには書いていないけど、とにかくこんな悪いヤツの依頼を受けたことがあって、恥ずかしながら顔見知りッ!

白タルの散歩道

Dauperiat …そうか。テュロム伯爵が脅迫されていると聞きつけ、その相手を探るよう、頼まれたというのか。
りぃ うん。あんたが脅してるの?

Dauperiat 脅迫者がわかったら、王立騎士団にでも、突き出すつもりか?
りぃ いやー、そこまで考えてなかったな。誰か知りたいだけだよ。

Dauperiat …それも違うというのか。相変わらず、変わった依頼を好んで受けるようだな。

好んでるわけでは…。

白タルの散歩道

Dauperiat まぁ、いい。せっかく王国認定ゴールドを持ってきたんだ。おまえも俺の客だ。テュロム伯爵のネタを売ってやろう。
りぃ やったぁ。

Dauperiat アタルフォーネ盗賊団のことは知ってるな?奴等に金さえ積めば、仕事を頼めたってことは知ってるか?
りぃ 知らなかった。

自分たちが狙った獲物だけ襲ってたのかと。

白タルの散歩道

Dauperiat 今でも奴等は、ただの盗賊団だと思われている。

うまいことやってたんだね。

Dauperiat 奴等に姦計の一端を背負わせれば、依頼者はまったく疑われなく済んだってわけだ。
りぃ あー、なるほど…。一部の人から重宝されてたわけね。

Dauperiat だが、戦争が終わった後、盗賊団の団長アタルフォーネは、2人組の賞金稼ぎの働きで捕らえられてしまった…。

んー?
シーフAFクエの時、ヴォーダラムは「アタルフォーネが裏切り者に殺された」って言ってたんだよね。

ヴォーダラムは結局アタルフォーネの仲間だったみたいだから、軽く嘘ついてたのか、
いろんな話がまことしやかに錯綜してるのか、
賞金稼ぎが実は仲間だったのか。

この情報屋が言ってることが本当っぽい感じがするけどね。

白タルの散歩道

Dauperiat そこで、客だった奴等は慌てた。アタルフォーネの口を一刻も早く封じなきゃならないってな。
りぃ 喋られたら一巻の終わりだね。

Dauperiat そのひとりがテュロム伯爵。ギルド桟橋を領地にしてる伯爵様だ。
りぃ うーわ。

わるいひと。だ。

ずっと思ってたけどさ。
やっぱり、テュロム伯爵がアタルフォーネ盗賊団を使ってフランマージュを殺して、ギルド桟橋の領地を奪った?

Dauperiat 伯爵様は考えたね。アタルフォーネが処刑されるのは確実だが、その罪状が調査される前に、口を塞がねば破滅だ。

白タルの散歩道

Dauperiat そこで、牢の番人を買収し、アタルフォーネの食事に毒を盛った…。けれどそれこそ、アタルフォーネの狙いだった。首をくくられたり切り落とされたりじゃなけりゃ、死んだ演技はできるだろ?
りぃ なるほどね。

Dauperiat ククク…、そして、アタルフォーネはこの世から姿を消したのさ。
りぃ アタルフォーネ、生きてたんだ。

白タルの散歩道

Dauperiat 多くの腐ったブタどもを震え上がらせるネタをたくさん残してな。
りぃ 料理しがいがあるねぇ。

Dauperiat このネタをおまえがどうするかは自由だが、アタルフォーネを敵にまわすようなことはしない方が身のためだぜ。
りぃ 善良な一般市民だから、関係することはないよ。うん。

白タルの散歩道

Dauperiat 奴はあの後、西の異国へ高飛びしていたが、近頃になって舞い戻ってきたらしいからな。

西の異国?
私はまだ行ったことないけど、アドゥリンのこと?

そして最近、

りぃ え、戻ってきたの?

ヴォーダラムがタブナジア復興計画を進め始めたのは、アタルフォーネが戻ってきたからってのもありそうね。

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Dauperiat おまえの依頼人が誰だか知らないが、それが普通の町人なら、教えてやるのは命取りだ。
りぃ 確かにこれは…ダメだ。

アタルフォーネ盗賊団の名前を聞くだけであれだけ怖がってたのに、この一件に根深く絡んでる挙句、アタルフォーネが生きてるって知ったら…。

ダメだ。

Dauperiat それが死刑執行人からの忠告だ。じゃあな。
りぃ うん。色々教えてくれてありがと。

…え、ちょっと待って。

死刑執行人?

もしかして、王国認定ゴールドを持ってこの滝に来た人を、あのスライムで屠るのがこの人の仕事だった…?
独断で動いてるとは思えないし、雇い主は誰だ!?

…そして、結局テュロム伯爵の脅迫者って、アタルフォーネってことでいいのかな?
これだけ詳しく教えてくれたってことは、そうってこと?

セルビナの町長の所に、ルーヴランスを探しに来たっていうヒュムの女性も謎のままだなぁ。

りぃ うーん、ソバーヌになんて報告すればいいんだろう。