
こざかしいな……。
レベルは正義。

しかし、魔力はまだ尽きない。さぁ、次々と現れるモンスターに、果たしてどこまで耐えられるかな?
連戦…!?
ドカッ!

……!?
!!
後ろからどつかれたみたいに、いきなり前に倒れた!!

あっ!?
な、なぜだ!まさか、私の術が破られるはずが……!?
ウランマフラン、おまえの術にかかったふりをさせてもらったんだ。魔法が使えないオレが、おまえに勝つには、懐に入るしかなかったからな。
マジか!!

皮肉だよな。闇牢がオレの魔法力を奪ってしまったから、オレは、おまえの術にもかかることがない。
……くっ!なんということだ……。

……イルディゴルディ、その魔導球を返すのだ……。同窓のよしみで、いいことを教えてやる……。
また同窓のよしみでいいこと教えてくれるの?
なんだかんだ、一番クラスメイトの事を気にかけてるのでは?
その魔導球にたまった魔力。その力をおまえに使えば、おまえが失った魔力を元に戻してやることができる……。
なんと。

……おまえなら分かるだろう?私は人形に魔力を注ぎ込むことができる。その能力を使えば、おまえの……。
ウランマフラン、オレはもう、魔法の力はいらないよ。
なん……だと……?
魔法の力がなくても、オレの中には、強い力があるんだ。

あの魔法学校の日々、その記憶が呼び覚ます強い力が……!オレたちが魔法学校にいた頃のこと……おまえも覚えているよな?

おまえは昼も夜も、誰も真似できないほど努力していた。何かの目標のために……。
努力の人だったのか。
オレは、何がしたいのかもわからなくて、何をすべきなのかもわからなくて、でもおまえを見て、何かをしなくてはならないとそう思って、おまえを追いかけた。

きっと、あの代のみんながそうだったと思う。おまえに引きずられるようにおまえに追いつけるように努力してた。そして、あるとき、ふと分かったんだ。自分の目標。そしてそれを目指して努力するってことの楽しさ……。

だから、魔法の力を失ったときもオレは乗り越えることができたんだ。もう一度目標を見つけて、そこまで努力するのも、また楽しいだろう、と……。
ウランマフランのおかげで辛い出来事を乗り越えることができた。
しかしその出来事はウランマフランが仕組んだ罠…。
なんて、悲しい。

それがオレの今の力。魔法の力なんかよりずっと強い力だ。

だから、オレは忘れたくない。あの頃のオレ、おまえ、みんな……誰も忘れたくない。
……。
心に…響いたか?
くっ、イルディゴルディ……。おまえはそうやって、いつまでも……。

いいさ、その魔導球はくれてやる。計画は延びるが、また集めればいいだけだ。
計画?
やっぱりホノイゴモイと何か企んでいる?
ウランマフラン!おまえが何をしようとしているかは知らないが……もう、やめるんだ!

……おまえがいったとおりだ。この目的のためなら、どんな努力も楽しいのだ。私は諦めぬ。決して諦めぬ……。

あっ…。
行っちゃった。
……ウランマフラン……オレだって諦めないぞ。おまえを止めるっていう目的を……。