誰そ彼そ 其の参

白タルの散歩道

ウランマフラン こざかしいな……。

レベルは正義。

白タルの散歩道

ウランマフラン しかし、魔力はまだ尽きない。さぁ、次々と現れるモンスターに、果たしてどこまで耐えられるかな?

連戦…!?

ドカッ!

白タルの散歩道

ウランマフラン ……!?

!!
後ろからどつかれたみたいに、いきなり前に倒れた!!

白タルの散歩道

りぃ あっ!?
ウランマフラン な、なぜだ!まさか、私の術が破られるはずが……!?

イルディゴルディ ウランマフラン、おまえの術にかかったふりをさせてもらったんだ。魔法が使えないオレが、おまえに勝つには、懐に入るしかなかったからな。

マジか!!

白タルの散歩道

イルディゴルディ 皮肉だよな。闇牢がオレの魔法力を奪ってしまったから、オレは、おまえの術にもかかることがない。
ウランマフラン ……くっ!なんということだ……。

白タルの散歩道

ウランマフラン ……イルディゴルディ、その魔導球を返すのだ……。同窓のよしみで、いいことを教えてやる……。

また同窓のよしみでいいこと教えてくれるの?
なんだかんだ、一番クラスメイトの事を気にかけてるのでは?

ウランマフラン その魔導球にたまった魔力。その力をおまえに使えば、おまえが失った魔力を元に戻してやることができる……。

なんと。

白タルの散歩道

ウランマフラン ……おまえなら分かるだろう?私は人形に魔力を注ぎ込むことができる。その能力を使えば、おまえの……。
イルディゴルディ ウランマフラン、オレはもう、魔法の力はいらないよ。

ウランマフラン なん……だと……?
イルディゴルディ 魔法の力がなくても、オレの中には、強い力があるんだ。

白タルの散歩道

イルディゴルディ あの魔法学校の日々、その記憶が呼び覚ます強い力が……!オレたちが魔法学校にいた頃のこと……おまえも覚えているよな?

白タルの散歩道

イルディゴルディ おまえは昼も夜も、誰も真似できないほど努力していた。何かの目標のために……。

努力の人だったのか。

イルディゴルディ オレは、何がしたいのかもわからなくて、何をすべきなのかもわからなくて、でもおまえを見て、何かをしなくてはならないとそう思って、おまえを追いかけた。

白タルの散歩道

イルディゴルディ きっと、あの代のみんながそうだったと思う。おまえに引きずられるようにおまえに追いつけるように努力してた。そして、あるとき、ふと分かったんだ。自分の目標。そしてそれを目指して努力するってことの楽しさ……。

白タルの散歩道

イルディゴルディ だから、魔法の力を失ったときもオレは乗り越えることができたんだ。もう一度目標を見つけて、そこまで努力するのも、また楽しいだろう、と……。

ウランマフランのおかげで辛い出来事を乗り越えることができた。
しかしその出来事はウランマフランが仕組んだ罠…。

なんて、悲しい。

白タルの散歩道

イルディゴルディ それがオレの今の力。魔法の力なんかよりずっと強い力だ。

白タルの散歩道

イルディゴルディ だから、オレは忘れたくない。あの頃のオレ、おまえ、みんな……誰も忘れたくない。
ウランマフラン ……。

心に…響いたか?

ウランマフラン くっ、イルディゴルディ……。おまえはそうやって、いつまでも……。

白タルの散歩道

ウランマフラン いいさ、その魔導球はくれてやる。計画は延びるが、また集めればいいだけだ。

計画?
やっぱりホノイゴモイと何か企んでいる?

イルディゴルディ ウランマフラン!おまえが何をしようとしているかは知らないが……もう、やめるんだ!

白タルの散歩道

ウランマフラン ……おまえがいったとおりだ。この目的のためなら、どんな努力も楽しいのだ。私は諦めぬ。決して諦めぬ……。

白タルの散歩道

りぃ あっ…。

行っちゃった。

イルディゴルディ ……ウランマフラン……オレだって諦めないぞ。おまえを止めるっていう目的を……。