…?おまえの後ろから来るのは…。
ん?
ペリィ・ヴァシャイ。ひとつ、聞きたいことがあるの。答えてほしい。
…なんだ?セミ・ラフィーナ。おまえが聞きたいというのは、失われた「光の弓」のことか?
いや、違う。私自身のこと…。
光の弓の話題で、わかったことがある。私たち守護戦士は、皆、20年前オズトロヤに捕虜となった子供だった。
他の戦災孤児も混じってるわけじゃなくて、オズトロヤで捕虜になった子だけなんだ?
話を聞くと、皆、光の弓で助けられた記憶がある。…しかし何故か、私には、その記憶がない…。
私は、皆と同じく、あの時の捕虜のひとりでしょう?光の弓に関する口封じのために、天の塔へと預けられたのでしょう?
口封じのために預けたのかな?
確かに、誰でも入れるわけでない天の塔だったら、秘密を守れる年になるまでこっそり育てるのは可能…か。
それとも私だけ、なにか別の理由があるの?どうやって匂いを消したかはわからないけれど、わたしはやはり罪人の…。
はっきり聞いたわけじゃないけど、前世でそれとなく知った気がするんだけど、
セミ・ラフィーナのお母さんって、確か…。
セミ・ラフィーナ、蒼穹の弓に誓おう。おまえは、罪人の子ではない。
ペリィ・ヴァシャイが断言した!
ということは絶対にそうなんだろう。
ならば何故なの?私には親の記録がないと、罪狩りのミスラも言っていた。そして、おぼろげながらも覚えていることがある。
戦争の時、私の双子石のピアスがつけかえられた覚えがあるの。それに…私の過去を…、
なぜ、誰も知らない?
おぼろげにしか記憶がないって、20年前は3~5歳くらいだったのかな。
しかし、双子石のピアスを付け替えられたって、身元を偽るためよね?
そして過去を誰も知らないって…当時の子供たちは知らない、覚えてない、だとしても、大人たちは?知ってても黙ってるのかな。
すべてが終わったら話そうと思っていたが、仕方がない。
おっ、教えてくれるの?
マウラにいるコゥ・レンバララコに会いに行くのだ。前に、あたしがその冒険者に託した双子石のピアスを持っていけば話してくれるだろう。
直接教えてくれんのかーい!
できたらおまえも、彼女を追い、マウラへ向かってくれ。この長い物語を終わらせるためには、おまえの力が必要になるかもしれぬ。
うん。わかった。
ついに明らかになる…!?
セミ・ラフィーナの過去も。
光の弓のことも。
ペリィ・ヴァシャイがまだ色々と秘密にしていそうなことも。