占いでもいかがですか?冒険者の方ですから、お安くしますよ。ふふ。
はいはい、お願いします。
よいところにきた。同士りぃ。貴様に、私の補佐役として随行を命ずる。
補佐?
なお、これは不滅隊の特務である。目的地、任務、目標、すべて作戦決行まで極秘とする。
偉大な青魔道士の証を携帯し、至急、白門前へ出頭せよ。
あれ?
今まで私、この空間に来た時しゃがんでたのに、平気で立ってる。
耐え得るほどに強くなった。ということなのね。
皇宮白門に証をトレードして。
…………。偉大な青魔道士の証、確認した。
よかろう。これより我々はマムージャの蕃都中枢「翡翠廟」への奇襲作戦を決行する。
奇襲?
限界突破クエだけど、ラウバーンと戦うんじゃないの?
ワープしてくれた。
私が先行する。貴様は、その偉大な青魔道士の証を使って私に続き、後方より敵をかく乱せよ。
はーい。
ここにまた証をトレードね。
もう殲滅しとるやん!
同士りぃよ。よくぞ、その域にまで到達した。そこまで、魔の力に侵食されることなく、人であり続けたモノは少ない。
そう、私でさえも、この血肉に、そして心に「魔」は深く根ざし、日々「人」の上に立たんと葛藤しているのだ。……だが、私は絶望しない。
分かるか?力への純粋な渇望がある限り、私は人であり続けることができるのだよ。
生きていくのが大変すぎる…。
そして、りぃ。貴様も私と同類だった……。
特に苦しんでないけど、呑気すぎなのでしょうか。
我らの力は、魔の力。強大な魔が現れれば、我らもまた強くなる。故に青の力の限界は、いまだ見えぬからだ。
…………。
……クククッ。運命とは皮肉なものだ。
真の同士と認めた貴様を、私は喰らわねばならんのだからな。
えーっ!?
青魔道士も「魔」だから喰らう対象なんですかっ!
もう、気づいていようが、本作戦の目的は、マムージャの王暗殺ではない。
やっぱりそうですよね。
光っとる!
なんなの!!
あまりにも短期に強大な力を得、もはや聖皇様にとり危険因子となった貴様の、敵地における名誉の戦死。
ええっ!
聖皇に何かしようとか思ってないのに勝手に危険視されても困る!
そう、粛清なのだ。……安心しろ。貴様の力は、私の中で生き続ける……!
勝手すぎる!
返り討ちにしてやんよ!
ふはははは。
我は魔の力なんぞより強力な、フェイスの力を持っておるのだ!
その命……、我が血肉として皇国の礎となるがいい!
くくく……。貴様の内に宿る魔が強大であるほどそれを喰らえと我が魔の力は喚起する……!
我が魂に投射されし魔の力の奔流。己が身でとくと味わうがいい!
結構粘るな。
よしっ!
ラウバーンに芽を生やしてやったぜ!!!
うぐっ……
……クククククッ。
帽子どうした!?
……うれしいぞ。この私に真の力を使わせる者がいるとすれば、貴様しかいないと思っていたが……。
やはり、貴様は強大な魔を御すための器をすでに、その身に作り上げていたようだな。
そうなの?
同士りぃよ。それほどの力を手にしてもなお、力を欲するなら、いずれ皇国の真実を垣間見ることになるだろう。
そして、貴様は選択を迫られよう。再び、二者択一の道をな……。
いつも白か黒かと言ってくるけど、その他の色は無いんですかね?
ふふふ。いや、よそう。貴様には端から道の選択など必要なかったのだ。
ええ?
貴様は「冒険者」だったな。
その自由な行動が道を作り、魔をも共存させる人としての「器」となっていたのかもしれん。
ああ、今までの青魔道士は固定観念に囚われて同じ道を歩んでたけど、どんなものか知らなかった私は新たな青魔道士の在り方を作り上げることができたのね。
もはや、我が慧眼をもってしても、貴様の未来が読めぬわ……。
貴様が人として還ること叶わずとも、人としてあるべき姿形を失わぬことを祈ろう。
ありがと。
突然の帽子復活。
ん?……ということはよ。
イカにならずにすむ!
やった~~~~!!!!