信仰と信頼と

白タルの散歩道

デスパシエール そういえば、ジョネットの頼みを聞いてくれたそうですな。タブナジアの料理のことです。ジョネットもとても喜んでいたようです……。
りぃ うん。美味しい料理が増えたらいいね。

デスパシエール ひとつ、お聞きしてもよろしいですかな……?
りぃ うん?

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デスパシエール 私が以前、サンドリアとタブナジアをつなぐ商人であったこと、どなたからお聞きになったのですか?
りぃ サンドリアのルーヴァさんだよ。

デスパシエール そうですか……ルーヴァさんというお名前はかすかに記憶しているような気もします。

お得意さんだっただろうしね。

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デスパシエール 私の名前を覚えていらっしゃるのなら、きっと私の亡くなった妻のこともご存知でしょう。
りぃ チラッと知ってるっぽかったよ。

デスパシエール ……。少し……、お時間、よろしいですかな?

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デスパシエール これは、私の妻の形見なのです。これがどこで作られたものなのか、由来を聞いていただけませんでしょうか……。
りぃ 由来を?

デスパシエール 妻はこれをとても大事にしていたのですが、その由来を語ることもなく先に……。

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デスパシエール もしサンドリアに立ち寄ることがありましたら、よろしくお願いします。

だいじなもの:形見のアミュレットを手にいれた!

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ルーヴァ あらまあ!あなたはタブナジアの商人の方とお知り合いでいらしたのですか。
りぃ うん。戦火を生き延びてとっても元気だから安心して。

フェミト 良かったな、ルーヴァ。あの後もその商人のことを話していたものな。
ルーヴァ あらまあ、いやですよ、フェミト様。そんなかんぐるようないい方は……。

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ルーヴァ けれど……奥様はもうお亡くなりになっていたのですね……。当時は珍しかったのですけど、とてもお歌の上手な方だったと記憶しております。

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ルーヴァ それにお2人ともお美しくて……はたから見ても、それはもうお似合いでした。当時の若い女性の間ではよく話題になっていましたから、私以外にもきっと覚えている人もいると思いますよ。

えっ、これ、当時の2人?

ルーヴァ ただ……教会に属する女性がそこに出入りする商人と一緒になったことで、後ろ指をさされるようなこともあったようです。

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ルーヴァ だからタブナジアに移り住んだ後は、そのデスパシエールさんももうサンドリア教会に出入りすることはなくなったとか……。

えっ、長老?えっ!?

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ルーヴァ そうそう、この形見のアミュレットのお話でしたね……。はっきりとはわかりませんが、おそらく形からいって、サンドリア大聖堂由来のものなのは、間違いないのではないかしら……。

ふむふむ。

ルーヴァ けれどちょっと古くなっていて、書いてある文字も読み取れないところがあるようです……。

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ルーヴァ 見た感じですと、ギルド桟橋の近くに自生している、光るキノコの胞子をつけてみがけば、少しは見えるようになるんじゃないかしら?
りぃ キノコの胞子で?

ルーヴァ 年寄りの知恵みたいなものですからねえ……最近はすぐ古くなった物を捨てる人が多くて……。

昔の物の方が丁寧に作られてて長持ちするってのあると思う。

ルーヴァ ギルド桟橋に行くことがあったら、探してみるといいでしょう。

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ルーヴァ もしきれいになったら、もうちょっと詳しいことがわかるかもしれませんから、また持ってきてくださいな。
りぃ うん。

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ここだって。
ジャグナーに本ワープで、そこからチョコボで。

ギルド桟橋のワープ偏ってるから調整してほしいなぁ。ジャグナー森林もだけど。

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敵が出るんかい!

形見のアミュレットに、キノコの胞子をつけて磨いた!
だいじなもの:サンドリア大聖堂のアミュレットを手にいれた!

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ルーヴァ ギルド桟橋に行ってこられたのですね。形見のアミュレットも見違えるようですね。
りぃ 詳しく分かりそう?

ルーヴァ これは見てみるとやはり……これは大聖堂で作られたものですね。昔の聖人の言葉を遺したものです。

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ルーヴァ うっすらとその文字が読めるようになっています。言われなければきづかなかったことでしょう……。その言葉は……。

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ルーヴァ ……。「信じる心があれば、後悔することはありません」
フェミト この言葉は教会で聞いたことがある。「信じる心」とは女神への信仰をさすものだったが……。

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ルーヴァ これの持ち主の気持ちは……きっと、それだけではなかったでしょうね。

信じる心、か。

ルーヴァ ふふ……。少し……妬いてしまいますね。フェミト様が変なことばかり言うからですよ。

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ルーヴァ デスパシエールさんにもよろしくお伝えください。この言葉とともに……。
りぃ うん。ありがと。

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デスパシエール おお、形見のアミュレットについて調べてきていただけたのですな……。しかもこんなにきれいにしていただいて……。
りぃ どういたしまして。

デスパシエール え?このサンドリア大聖堂のアミュレットに言葉が……?そうですか……後悔することは、ない……と……。

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デスパシエール すみませんが、少しの間……、年寄りの昔話を聞いてくださいますかな?

お、おう。

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デスパシエール 妻が遺したひとり娘、つまり、ウルミアの母親は、とても信仰のあつい娘でした。きっと、元々サンドリア大聖堂にいた妻の影響があったのでしょう。

この子供がお母さんか。

デスパシエール けれど……妻と娘が女神様のことについて話すたびに、私は複雑な心境でいたのです……。 疎外感、罪悪感……私の中に醜い感情がいりまじっていました……。私は所詮、ただの商人だったのですから……。

そんな気にしなくてもいい事では。

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デスパシエール 私は……妻から信仰を奪ったのではないか?妻は後悔していたのではないか?

ああ、なるほどそういうことで…。

デスパシエール 妻が亡くなった後も、そしてウルミアの両親が亡くなった後も、その思いが消えることはありませんでした……。

一人娘にまで先立たれたのは辛すぎる。
ウルミアが生きててよかった。

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デスパシエール ウルミアは……妻や娘にとてもよく似ています。容姿も、その信仰も、その歌声も……。

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デスパシエール ウルミアがこの街をまた出ていくと言ったとき……胸が、はりさけそうになりました……。これは女神様が、私から、ウルミアを……そして妻を、取り返しにきたのだ……とも考えました。

奥さんにも娘にも先立たれたと知った今なら、ウルミアを必死に守ろうとしてたのも、ウルミアを危険から遠ざけようとしてたのも分かるな…。

デスパシエール けれど……妻には妻の、そしてウルミアにはウルミアの「信じる心」があったのだと思います。

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デスパシエール そして何よりも……妻は……妻は、後悔していなかった……。せめて、そのことに対してだけでも、私は「信じる心」を持ちたい……そう、思います。

デスパシエール そう……信じる心があれば……後悔することなどないのですから……。

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デスパシエール 年寄りの昔話に長々とお付き合いくださり、ありがとうございました。これはせめてものお礼です。どうぞ受け取ってください。

エレガントリボンを手にいれた!