禍つ闇、襲来 其の壱

デア・プランドレ ……ああ、おまえ!例のカルゴナルゴ城砦のヤグードの件でコブラ傭兵団は大騒ぎだよ!
りぃ 何があったの?

デア・プランドレ 話を聞いたアナコンダ傭兵団のペリィ・ヴァシャイ団長が手勢つれて勝手に城砦まで出張ってって……出し抜かれたウチのお頭は、怒り心頭さ!
りぃ あらまぁ。

デア・プランドレ コブラ傭兵団も負けらんないよ。おまえもロマー・ミーゴお頭からいつお呼びがかかってもいいように、さっさと準備を……

コルモル あの、あの!ちょっとすまんが!!

コルモルだ。
すごく焦ってる?

デア・プランドレ んあ?なんだい?こっちぁ忙しいんだよっ!
コルモル いやあ、あの、なんだうちの生徒をみなかったかね?

デア・プランドレ ……生徒ォ?なに、このあいだのクソマセガキのこと?
コルモル そうなのだ、アジドマルジドのやつ、今回は珍しく自習室でじっとしてると思ったら……

??? : ア・エ・イ・ウ★エ・ア・ロ~。カ・ケ・キ・ク★ケ・ア・ル~
コルモル 感心感心。きちんと呪文の練習をしているな。

コルモル アジドマルジド、ひと息いれなさい。ウィンダスティーでもどうだね?

??? : ハ・ヘ・ヒ・フ★ホ~・リ~!マ・メ・ミ・ム★メ・テ・ニョ~!

メテニョ!?
チェブキー兄妹が使ってた、あやふやな究極魔法じゃないですか!

コルモル ……んなっ?ア、アジドマルジド……!?

コルモル !!

Two of Cups ア・エ・イ・ウ★エ・ア・ロ~。カ・ケ・キ・ク★ケ・ア・ル~

なんで星の言葉を喋ってるんだろう?と思ったのよ!
まさか、あの小さな星の木の実でカーディアン動かしちゃったの!?

コルモル ア、アジドマルジドめぇぇぇ!!

コルモル ……というわけでこの私ともあろうものがすっかり騙されてしまって……いやはや、しかしあの歳でカーディアンを自在に操るとはさすがはゾンパジッパの息子、というところか……。末恐ろしいやつめ……。

魔道士の才能だけじゃなくて、カーディアンを作る才能まで持ってるのか。

コルモル おそらく、件のヤグードのことでカルゴナルゴ城砦に向かったのだろうな……あいつは、やるといったらきかんのだ。ああぁ。

いくらアジマルでもあの歳でこの戦時中にカルゴナルゴまで行くとか無茶なのでは。

コルモル きみ!お願いだ。行って、アジドマルジドの首に縄つけて引っ張ってきてくれないか!
デア・プランドレ しょうがないねぇ。あんなクソガキでも、なんかあったら夢見が悪いし……。行ってやったらぁ?
りぃ うん。

デア・プランドレ 城砦についたら、守備隊のロッティ・モアルゲットに手伝ってもらうといいよ。あ、お頭にはあとであたいから事情を伝えとくわ。
りぃ わかった。