……ああ、おまえ!例のカルゴナルゴ城砦のヤグードの件でコブラ傭兵団は大騒ぎだよ!
何があったの?
話を聞いたアナコンダ傭兵団のペリィ・ヴァシャイ団長が手勢つれて勝手に城砦まで出張ってって……出し抜かれたウチのお頭は、怒り心頭さ!
あらまぁ。
コブラ傭兵団も負けらんないよ。おまえもロマー・ミーゴお頭からいつお呼びがかかってもいいように、さっさと準備を……
あの、あの!ちょっとすまんが!!
コルモルだ。
すごく焦ってる?
んあ?なんだい?こっちぁ忙しいんだよっ!
いやあ、あの、なんだうちの生徒をみなかったかね?
……生徒ォ?なに、このあいだのクソマセガキのこと?
そうなのだ、アジドマルジドのやつ、今回は珍しく自習室でじっとしてると思ったら……
??? : ア・エ・イ・ウ★エ・ア・ロ~。カ・ケ・キ・ク★ケ・ア・ル~
感心感心。きちんと呪文の練習をしているな。
アジドマルジド、ひと息いれなさい。ウィンダスティーでもどうだね?
??? : ハ・ヘ・ヒ・フ★ホ~・リ~!マ・メ・ミ・ム★メ・テ・ニョ~!
メテニョ!?
チェブキー兄妹が使ってた、あやふやな究極魔法じゃないですか!
……んなっ?ア、アジドマルジド……!?
!!
ア・エ・イ・ウ★エ・ア・ロ~。カ・ケ・キ・ク★ケ・ア・ル~
なんで星の言葉を喋ってるんだろう?と思ったのよ!
まさか、あの小さな星の木の実でカーディアン動かしちゃったの!?
ア、アジドマルジドめぇぇぇ!!
……というわけでこの私ともあろうものがすっかり騙されてしまって……いやはや、しかしあの歳でカーディアンを自在に操るとはさすがはゾンパジッパの息子、というところか……。末恐ろしいやつめ……。
魔道士の才能だけじゃなくて、カーディアンを作る才能まで持ってるのか。
おそらく、件のヤグードのことでカルゴナルゴ城砦に向かったのだろうな……あいつは、やるといったらきかんのだ。ああぁ。
いくらアジマルでもあの歳でこの戦時中にカルゴナルゴまで行くとか無茶なのでは。
きみ!お願いだ。行って、アジドマルジドの首に縄つけて引っ張ってきてくれないか!
しょうがないねぇ。あんなクソガキでも、なんかあったら夢見が悪いし……。行ってやったらぁ?
うん。
城砦についたら、守備隊のロッティ・モアルゲットに手伝ってもらうといいよ。あ、お頭にはあとであたいから事情を伝えとくわ。
わかった。