
こ、これは……オーク戦車の装甲!!早速ビスティヨどのに渡してくるであります!

よし。これで、車輪の取り付けは終了……っと。

脱輪しちゃいます。もっと、左右のバランスをとって!
おおっ、動いてる!

あんちゃん、もっと速く!

ぜぇっ……ぜぇっ……無理だよ~。俺はオークじゃないんだから~。
後ろから押してたんかい!

これで、どうやらロンジェルツに一杯食わせることができそうだ。
ってか、私このでっかいガワを持って帰ってきたん!?

そうさ。エグセニミルがいなくたって僕らは立派に作戦をやり遂げることができるんだ。

あ、そうだ。りぃ。少ないけど、これはお礼だよ。
あら、ありがと。

緊急警報!緊急警報!鉄羊騎士接近中!

……ん?ぎょえっ!ロンジェルツどのまで!?

そ、総員緊急退避でありますッ!

あ、あれっ?み、みんなずるいですよ!ちょっと待ってください!
はっ!
中に入ってるんだった!


……そうか、ついに例の攻城兵器の奪取に成功したか。
はっ。とりあえず、食糧貯蔵庫に運び込んだそうです。
オークが作った攻城兵器?
それともウィンダスvsクゥダフ&巨人の時に出てきた戦車の口から大砲撃ってたアレかしら。

この目で見たい。状態は?
それが、ほとんど無傷で放棄されていたとか……。
無傷だと?……妙だな。
私が取ってきた戦車みたいな感じで置いてあったってこと?
なんか理由がありそうね。

……ん?なぜ、こんなところに豚の戦車が?

おい、ヴェラニス。あとでこいつも回収しておけ。ミジンコ騎士団の戦車だけでは、模擬戦が盛り上がらんと気を揉んでいたところだ。
えっ!?
2つとも取られちゃうの?

……うん?
人が入ってるとは思わんよね。

おい、ヴェラニス。上官への返事の仕方は教えたはずだな?
はい。い、いえ、自分はなにも……
とんでもねぇとばっちりだ!!

やれやれまた、例の耳鳴りのようだ……。豚どもめ、火薬の加減というものをしらん!

あの、ロンジェルツ隊長。
なんだ?
彼らのことが少々かわいそうで……。
ヴェラニス優しい。

……ほほう。お優しいヴェラニス卿は、ガキの玩具を取り上げるな、とそうおっしゃるのだな?

ふざけるなッ!

その安っぽい同情がお前の護るべき多くの者を危険にさらすだろう。

当のガキどもの命すらなッ!

ああ、ロンジェルツなりの方法で子どもたちを守ろうとしてたのか。

も、申し訳ありません。ただちに戦車回収にあたります。
……いや、模擬戦はやめだ。
は!?

例の攻城兵器やはり気になる。ただちにガルレージュ要塞に向かうぞ。
は、了解です!ただちに出立の準備をさせます。

……。
ロンジェルツ、ちょっと子どもたち可哀想すぎたかなって思ったのかな。
この中に子どもがいるって気づいたかしら。
しかし、これで戦車2個になっちゃったじゃないですか。
逆に邪魔では…。


ん?
ロロン、どうした?
そういえば、ビスティヨどのは?

あ!
ん?

小さな子が。

僕なら、ここですよ。置き去りにするなんて、まったく……。
す、すまない。
ビスティヨあんなに小さかったの!!
えらい賢いなぁ。
……まあ、いいです。おかげで、あのヒゲの隊長から軍の機密情報を聞くことができました。

機密情報?すげーじゃねぇか!

これから鉄羊騎士隊はガルレージュ要塞へ向けて急きょ、進発するそうです。
ガルレージュ?聞いたことないな。
ええ、僕も。おそらく、連合軍の秘密基地なのではないでしょうか?
秘密基地!?ワクワクする響きでありますね!
まだ一般には知られてないのか。

で、あいつらは「張りぼて」にひっかかったのか?
ええ。ヒゲ隊長は騙されたのですが……

が?
もっと、重要なものがその基地で見つかったらしく、途中で張りぼての件は後回しに……。

おいおい。あんなに苦労して作ったのに、後回しだって?
ねえ待ってよ、あんちゃん。と、いうことは……
うん、作戦は成功。我輩たちは邪悪な大人から見事基地を護りきったということであります!

やったぁ!騎士団、ばんざ~い!!!
……。

……みんな、聞いてくれ。やっぱりエグセニミルの言ったとおり「少年騎士団」は解散する。

な、なんだって!?
Ω ΩΩ< な、なんだってー!!

そして…… 新たに「鷲獅子騎士団」を結成する!
難しい名前!!
じゅじしきしだんっていうんだって。
グリフィン……?国章の聖獣を名乗ろうというのですか?
なるほど、グリフィンのことなのか。

ああ。いま、その要塞では僕らの国の存亡に関わる、なにか大きなことが起きようとしているんだと思う……。それを、あんな……ロンジェルツみたいな、いい加減な騎士たちに任せておけないだろ?
うん。
だから僕らが少年を捨てて大人の騎士になるしかないんだ。
なるほどであります!

でも、団長が……。
心配するな。

僕が新団長になる!……みんなが認めてくれるならね。
おおっ!

副団長……いえ、ラーアル団長!僕らはその言葉をずっと待っていました。

ラーアル団長、ばんざい!鷲獅子騎士団、ばんざい!
パチパチパチ。
いやぁ、子どもは急激に成長していってしまうなぁ。しみじみ。

ありがとう……。では、最初の命令を伝える。鷲獅子騎士はガルレージュ要塞に急行。ロンジェルツの目的を調べるんだ!
おう!
ええっ、それはちょっと危険なんじゃ…。
1階は整備されてるけど、カンパニエで地下に向かうヤグードの通り道だし…。

あの……団長。我々の領地と基地はどうなるでありますか?
ロロン、ビスティヨ。君たちが護ってくれないか?
や、やっぱり……。
ロロンも行きたいのかな。

騎士団には帰るべき城が必要だ。ロロン……君には、その城主になってもらいたいんだ。

じ、城主!!!
吹っ飛んだぁ!

了解であります、新団長!このロロン。我輩の命に代えてもこの城を護りぬく所存であります!
ははは、頼むよ。

じゃあ騎士のみんな、集まって!

我ら、鷲獅子騎士!

誇りと名誉と剣にかけて……サンドリアを護ることを誓う!

おーーーーっ!!
もう立派な団長だぁ。
さすが将来の王立騎士団団長!
頼もしい。
エリクサーを手にいれた!