ん?
めちゃくちゃ具合悪そうな人がフラフラしながら歩いてくるよ!?
あっ!
おい、大丈夫か!?
これは深手だ……!
誰か来てくれ!
こ……これを……エンゲルハルトという男に……届けてくれ……
エンゲルハルトね。分かった。
しっかりして!
急いで医者へ運べ!
助かるかしら…。
だいじなもの:獣毛の束を手にいれた!
この人がエンゲルハルトだって。
なんだ?俺になにか用でもあるのか?
お届け物だよ。
これは、約束の獣毛の束……。
そうか、お前が後任の者か。これほどの量を集めてくるとは、話に違わずなかなか腕が立つようだな。依頼主もさぞ、お喜びになるだろう。これからもよろしく頼む。
ん?
ところで、お前、名は?
りぃだよ。
ほう、りぃか。いい名だ。
では、りぃ。さっそくだが、依頼主が北グスタベルグの滝でお待ちだ。行ってこい。
ん?
依頼主?
もしかしてさっきのお兄さんの仕事だったのでは!?
お兄さん動けないし、乗り掛かった舟だし行ってくるかぁ。
こんな所で待ち合わせだって。
待たせたな、私が軍務大臣のベルナーだ。
軍務大臣?
そんな人がどうして。
君がりぃか。エンゲルハルトから、口が堅く職務に忠実な女だと聞いているぞ。
たぶんあのお兄さんと混ぜこぜで伝わってるな。
……どうした?まさか軍務大臣みずから現れるとは聞いていなかった、という顔をしているな。
そりゃそうさ。
これから頼むことは、それほどに重要な仕事なのだ。いまから君は、一国の、いや連合四国の命運を左右する重要な機密にかかわることになる。口外はいっさい許されない。
えっ、やだ…。
報酬受け取ってお兄さんに渡すくらいかと思ってたのに。
代理人ですと言える雰囲気でもなくなってしまった…。
君の前任者はこの忠告を忘れ、私の信頼を失った。その後どうなったかは、エンゲルハルトに聞いておろう。
聞いてない。
では、仕事の話に入るとしよう。
先日、ブンカール浦のゲアルバン島にいるリーダヴォクスというゴブリンにシフートの手配を依頼した。
君の仕事はそれを受けとってくることだ。代金はすでに先方に渡してある。シフートは連絡係のエンゲルハルトに渡せ。今後の連絡や報酬の受けわたしは、すべて彼を通じておこなう。
それ取ってきて渡したらずらかろう。
それから、ある勢力が……
軍務大臣、われわれを尾行していた者をすぐそこで発見しました!ガルカのようです!
なに!?そいつはどこへ行った?
存外に逃げ足が速く、取り逃がしました。申し訳ございません……!
尾行をまいてここに来たけど、発見されそうになってるってこと?
またしてもペイルイーグル議長の配下の者か……!
軍務大臣と議長が対立してるの。
しかもヒュムとガルカ。
獣人との戦争中で協力しないといけないだろうに、今も昔も相変わらずなのね。
そいつをただちに捕らえろ!貴様の生命にかえてもだ!
はっ!!
滝のそばを選んで正解だったな。話の内容までは聞かれておるまい。
見てのとおり、われわれを妨害しようとする勢力がある。君も充分注意したまえ。
うげぇ。
シフート、取りにきたな。用意できてる。
さすがゴブリン。きっちり仕事する。
シフート、ちょうたつ苦労した。もらった金貨、足りない。リーダ、ノールの爪、ほしい。ノールの爪くれれば、シフート、わたす。
ええー!?
軍務大臣のくせに支払いケチったんかよ!
持ってなかったから取ってきた。
ノールの爪、持ってきたな。シフート、わたす。
どうぞ。
ノールの爪、巨人喜ぶぅ♪巨人、いろいろおしえてくれるぅ♪巨人と友だち♪巨人と友だち♪
巨人って物知りなんだ?
北方のことかな。
だいじなもの:シフートを手にいれた!
シフートってなんだろ。
弦楽器なのかぁ。
…アンティカと会話するための道具?
えっ…。
敵対するガルカ勢力とアンティカ…。
嫌な予感しかしない。
シフートを持ってきたか。軍務大臣の依頼を無事果たしたようだな。何も変わったことはなかったか?
そうか、ベルナー軍務大臣がペイルイーグル議長の手の者に尾行されていたか。
ペイルイーグルはプリーン大統領に重用され、共和国防会議の議長を務める国政の重臣……戦略方針をめぐってベルナー軍務大臣と対立することも、しばしばだ。
今の大統領、ガルカだって差別しない人なんだ?
大統領はヒュームだよね?
なにを企んでいるのかわからんが、ペイルイーグル議長の動きには要注意だな。
どっちが悪いとかじゃなくて、立場によって見方が変わる感じなのかなぁ。
ところで……ひとつ、聞いておきたいことがある。……お前、組織がよこしたヤツじゃないな?
組織?
俺は新しい担当が獣毛の束を持ってくると聞かされていたんだ。てっきり、お前がそいつだと思ってしまったが、聞けば本物は街の入口で倒れていたというじゃないか!
その人に届けてくれって頼まれたのよ。
手違いで別の者を紹介したことがわかったら、軍務大臣にどんな制裁を受けるか……!いや、俺だけじゃない。お前の身も無事じゃ済まないぜ。
えーっ!
助かる方法はひとつ。お前が、軍務大臣の依頼を受けつづけることだ。俺たちはいわば、一蓮托生の関係ってヤツだ。ヤバい話に首を突っ込んだのが運のツキだったな。これからも頼んだぞ。
やだー!!適当な所で開放して!!
……そうだ、今回の報酬を預かっているぞ。ジュノの通貨だ。受けとれ。
ありがとっ。
はぁー。
面倒だなぁ。
バスは過去でも未来でもこんな話なんかなぁ。
ドオン!
!!
ぬおお!?
ガルカとぶつかったけど、弾き飛ばされるほどではなかった…。
なんだったの?
ん?
りぃはいつのまにか差出人のない手紙を握らされていた!
だいじなもの:差出人のない手紙を手にいれた!
10000ギルを手にいれた!
手紙?
手を引け…?
引きたい!!