隠滅の炎 其の膝

ジェントルタイガー いま、プリーン大統領が声明を発表されているぞ。さ、大統領府へ行って拝聴してこい!

プリーン大統領 ……諸君らの献身的な戦いによって、わが国建国以来、最大の危機は去った。

プリーン大統領 いま、私は高らかに宣言しよう。わが国は、亀どもに勝利したと!

プリーン大統領 ……だが、われわれは決して忘れてはなるまい。この勝利が、兵士、市民、多くの犠牲の上に得られたということを……。彼らのためにしばし、黙祷をささげよう……。

プリーン大統領 ありがとう……。

プリーン大統領 さらに、諸君。私はこの場を借りて、発表したいことがある。どうか、冷静に耳を傾けてほしい……。

なんだ?

プリーン大統領 私は恥じているのだ。あの忌まわしいベルナー軍務大臣暗殺事件……。その嫌疑が無実のペイルイーグル議長にかけられたことを。

Adelbrecht ペイルイーグル議長が無実だと……?
Jeremias どういうことだ……!?

プリーン大統領 カルスト君。

デレク・カルスト みんな、聞いてくれ!

デレク・カルスト 私は、ある場所でトンベリの暗殺者に襲われもう少しで命を落とすところだった。それを、身を挺して救ってくださったのは、議長その人だったのだ!

Christoph なんだと……!?
Drangord 議長が……!?

デレク・カルスト 私は暗殺の嫌疑で彼を糾弾していた張本人だった……。もし、彼が容疑をかけられていたような、反政府主義の暗殺者の首魁だとしたら、そんなことをするだろうか?

プリーン大統領 それに、そのトンベリの懐から、軍務大臣室の見取り図も出てきた。もはや、犯人がだれかは明白となったのだ。

犯人はトンベリだけど、雇い主は?
戦争相手の獣人が裏工作したのか、バストゥークの誰かか……?

Garlbrei やっぱり、ぺイルイーグル議長は潔白だったんだ!

プリーン大統領 そのとおり!私は、大統領として公式に議長に謝罪しその名誉を速やかに回復したいと思う。そして、この薄汚い謀略を仕組んだ、獣人血盟軍に報復することを、ここに誓う!

獣人がやった証拠があったのかな。

プリーン大統領 諸君。そのためにどうか、力を貸してほしい!!

 うぉおおぉぉおぉおぉっ!!!
 

ディーター ……ですが、諸般の事情を鑑みても、内乱罪については酌量の余地はありません。
プリーン大統領 そうだな……。

ディーター 閣下。憲兵隊としてはファイブムーンズ容疑者の即時引き渡しを要求せざるを得ません。

プリーン大統領 待ってくれ。その前に少しだけ、彼と話がしたい。
ディーター 承知しました。

プリーン大統領 なにか言い残すことは?
ファイブムーンズ …………。

プリーン大統領 なるほど。黙して語らず。あとは死をもって己が意を示さんというわけか……。

プリーン大統領 いい気なものだな?

ファイブムーンズ ……!?

プリーン大統領 違うか?潔く死ねれば、お前は本望だろうがあとに残された者たちはどうなるのだ?お前と行動を共にした同志は?本件で命を落とした者たちの遺族は?そして……

プリーン大統領 反逆者を出した汚名を被り、何より貴重な戦力を失うお前の仲間……ミスリル銃士隊は?

ファイブムーンズ …………。

もっと言ったれ大統領。

プリーン大統領 ときに、クララ。いまは戦時だ。ミスリル銃士1人の諜報活動は1個軍団の命運すら左右しかねん。そうだな?
クララ はっ、光栄であります。わが銃士隊の情報力は、同盟国からも高い評価をいただいております。

ディーター 閣下。おっしゃりたいことはわかりますが……
プリーン大統領 ありがとう。理解してもらえると思っていたよ、ディーター君。

ディーター だ、大統領……!!

大統領の方が上手だったなぁ。

プリーン大統領 なに、いまさらこやつは逃げも隠れもするまい。軍法会議が始まるまででよいのだ。彼の身柄を私に預けてくれるね?
ディーター …………。

ディーター ……よろしいでしょう。大統領として、閣下が彼の身柄を書面にて保証してくださるならば。

ディーター ですが、閣下。いずれ、この件で、ご自身が議会から追及されることになるでしょう。
プリーン大統領 無論、覚悟の上だとも。

まさかこれが現代でプリーン大統領がいない原因になってたりとか……?

プリーン大統領 ファイブムーンズ……いや、ガラッグ。君には、これまでどおりミスリル銃士として任務にあたってもらう。よいな?

ファイブムーンズ ……隊長が自分を必要とされているなら。

クララ 当たり前だ。
プリーン大統領 よし、決まりだな。

プリーン大統領 わが国は再び、団結せねばならん。ガラッグ。そのためには、君の意見と行動が必要だ。頼んだぞ。
ファイブムーンズ はっ。

若気の至りを許してもらえてよかったのぅ。

プリーン大統領 それから、りぃ。
りぃ へっ?

突然話題を振られてびっくり。

プリーン大統領 クララから話は聞いた。君が敵の攻城兵器を破壊してくれたそうだな。おかげで、この街は窮地を脱することができた。この国の大統領として、礼を言う。

プリーン大統領 これは私からの恩賞だ。どうか、受け取ってほしい。これからも、わが国のためミスリル銃士隊に、君の力を貸してくれたまえ。
りぃ ありがとっ。

大統領からお礼だなんて!
何が貰えたんだろう~。

フォルカー よかったな、ファイブムーンズ!
ニコラウス まったく、人騒がせなんですから。
ファイブムーンズ 隊長、自分は……

クララ なにも言わなくていい。お帰り、ファイブムーンズ。

フォルカー おい、ザイドもなんとか言ってやれよ。
ザイド ……ふん。

ファイブムーンズ …………。

どっか行っちゃった。
ザイドは本当は良かったと思ってる。かどうか全然分かんないなぁ。

ニコラウス ザイドさんは、相変わらずですね。
クララ しかたあるまい。彼とて、同じガルカ族。いろいろと思うところもあろう。

クララ さて、りぃ。あなたには引き続き、われわれの作戦に協力してもらいたい。引き受けてくれるか?
りぃ うん。

クララ では早速、今後の作戦についてだが……

クララ うっ……!

りぃ クララ?

フォルカー 隊長……?どうされましたか!?

えっ、私を見て具合悪くなってる!?

クララ ……な、なんでもない。少し目眩がしただけだ……

ニコラウス おそらく、疲労でしょう。ここのところ、立て続けの事件で休む間もなかったですからね。すぐに休まれた方がいいです。

それは、あるだろうけど……。

クララ ……ああ、そうだな。フォルカー、あとは頼む。すまないが、私は少し休ませてもらおう……。
フォルカー 了解です、隊長。

フォルカー りぃ。すまないが、見てのとおりだ。また後日、隊長が回復されたら作戦会議の続きをするとしよう。
りぃ うん。

クララには何か特殊な能力があるのかなぁ。
でも、今まで一緒にいても特に何もなさそうだったし、何故今?

ジェントルタイガー クララ隊長があんなに憔悴された姿は、いままで俺も見たことがないぞ。心配だ……。

ジェントルタイガー そういえば、シュトルム参謀総長から聞いたぞ。ついにミスリル銃士隊No.6に任命されたそうだな。おめでとう!
りぃ えっ。そうなの!?

いつの間にか私もミスリル銃士隊!?

ナジの先輩じゃないですかー!やだー!
自慢してやりたい~~~。

ジェントルタイガー だが、失態とはいえ俺が最初にここを通してあげたからこそ、いまの君があるんだ。それを忘れないでくれよ。

物は言いよう~!
でもまぁ仕方ないなぁ。覚えておいてやるよっ。

共和シルバー章を手にいれた!