まずは雷管を取り付けてぇ……それから爆発を1分後にセット、と……。
1分?
せっかちね。
木馬さん、さようなら~。
私も早く離れ…
!?
( 右上 )
ぎゃふ!
完璧ですぅ~!
爆発5秒後やんけ!!
あれ、探偵助手さんいつまで伏せてるんですかぁ?この調子で、残りもやっつけますよ~。もたもたしてないで、ついてきてください~。
プロマシアミッションでぶっ飛ばされた数々に比べたら、なんの、これ…しき……。
りぃ、来たか。ここで最後だ。
いででで…。
それでは、爆破します。みなさん、離れてください。
……?
どした?
待って……その木馬さん……
!?
光りだした!?
みんな、逃げてっ!
きゃあっ!
こけちゃった!
マルティーナ……!!
おっ。
行ってはだめです!
助けられないよね。
こんな時こそザイドの出番でしょ!
何やってんのよ!!
ああああ!
ニコラウス、アーデルハイトを守ってるぅ。
マルティーナ…!
奥から誰かが!?
……ファイブムーンズ!?
こ、これは惚れてまうやろ!!
マルティーナ、大丈夫!?
ええ……
いまの爆発は、いったい……
超大口径砲弾の特殊装薬が積まれていたのだ。大工房の分厚いベトンの防壁をも砕くという強力な装薬が……。
えぇ…。
そうか!その炸薬の調整に敵は時間をとられていたんだわ。ごめんなさい。わたしがうかつでした……。
自分だって、ここへ来る途中ゴブリンの錬金術師が、そう話しているのを耳にしなければ、その事実を知り得なかった。
ゴブリンが作ったのね。
ともかく、ケガ人が出なくてよかった……。
あ、ありがとうございます……ファイブムーンズさん……。
本当に良かったよ。
ふっ、皮肉なものだな。貴様がヒュームの女を助けるとは……。
テメーはどこ行ってたんだよ。
ザイド、よさないか!
よくも、ぬけぬけと隊長の前に顔を出せたものだな。いまや貴様は銃士ではなく反逆者なのだぞ。それとも、いまさらながらおのれの仕出かしたことの重大さに気づきお縄を頂戴しにきたのか?
ザイド……!お前、よくもそんな……
いいんだ、フォルカー。ザイドに自分の気持ちがわかるものか。こいつには希望も理想も……夢すらないのだからな……。
メタクソに言ってる。
……だが、ウェライやグンパの言うとおり、ヒュームとの争いに力を行使したのは、自分の誤りだった……。
気がつけば自分は憎んでいたヒューム高官と同じやり方を選んでしまっていたのだ。
自分のせいで、あたら若き同胞の命を散らせてしまった……。
ファイブムーンズ……。
話はそこまでだ。直ちに首府へ戻るぞ。ファイブムーンズ、お前もだ。
隊長……?
いまは、正規軍も反乱軍もヒュームもガルカも、どうでもいいことだ。大切なのは、国民一丸となって美しきわが街バストゥークを、亀どもの魔手から護ること……違うか?
はいっ!
本の影響から抜け出せてよかった。