なんですこと!?院長の指輪を5つ集めたですって!?
うん。
…あらあらまぁまぁ。ほんとうに集めるとは思いませんでしたわ。ほら、わたくしに見せてごらんなさいな。
ええーっ!期待されてなかったんかーい!
…よくやりましたわね。けれども、冒険者ごときが、5つの院長の指輪をこのように揃えるなんて。恐ろしいことですわ。
今まで散々みんなのおつかいしてきた人徳だよぉ!
それに今回のことは、ウィンダスの歴史に残るような、かなりの事件になるでしょう。
確かに…。片棒を担いでしまった…。
ただ、院長たちを全員、巻き込んであげましたから、アプルルだけが厳しく罰せられるようなことはありませんことよ。
なるほど…!!
指輪の力はもちろん必要だけど、それだけが目的じゃなかったんだ!
シャントット様むちゃくちゃだけど思慮深い…!
…さてと。それでは、最後の締めをいたしましょうか。
5つの指輪の力が最大限に発揮される装置を作るんですね!
エイ、エイ、エイ、エイ、エーイ!
えっ、そんな軽いノリ…?
オホホホ!禁断の常夜の手袋のできあがりですわ!あとはこれを、アプルルに届ければよいのですわ!
えっ、もうできたの!?
だいじなもの:常夜の手袋を手にいれた!
手袋?
さっき「エイ」って5回言ってたけど、まさか5本の指にひとつずつ指輪をはめただけなのでは!?
それだったら私でも出来るじゃないっ。
常夜の手袋
5つの院長の指輪をはめるために必要とされる手袋。5つの院の指輪が、5本の指にはまっている。
たとえタルタルでも、アプルル以外は手にはめることができないようだ。
えっ…。あの一瞬でアプルル専用の装備を作成した?
やはりシャントット様でなくては駄目だったのか…!
闇牢を開く準備ができたのね!?ありがとう!ほんとうにありがとう!
どういたしまして。
じゃあ、闇牢へ行きましょう!…ああ、違うわ。シャントット博士に言われたんだったわ。一緒に行くと良くないのよね。
さすがシャントット様。
アプルルちゃんの性格から行動を読んで先に釘さしてる!
向こうで落ち合いましょう。気をつけてね、りぃさん。
うん。わかった。
アジマル体は大丈夫なのかな。
魔力はもう相当吸い取られちゃってるのかしら。
神々の書開けるのかなぁ?
あった。闇牢。ここだね。
遅くなってごめんなさい。
今来たところだよー。
わたし、がんばるわ。りぃさん、見守っていて!
がんばって!!
なにか異常が起こったらすぐに止めよう。
開いた!!
おにいちゃん!
あっ、生きてた。よかった。
なんだ…おまえか…。いや、夢か?
朦朧としてる?
大丈夫?おにいちゃん!?夢なんかじゃないわ、目を覚まして!
そうか、夢じゃないのか…。今まで、永い夢を見ていたようだ…。
魔力を奪われ続けて、思考能力が低下してたのかな。
黒い生き物が来たんだ…。そいつは、探していると言っていた…。苦しんで…いるようだった…。
黒き使者がここに来た!?
あっ、そうか。星月の力のカタマリだから、扉の封印なんて無いも同じなんだ!
探している…何を?
ジョーカーを?
黒い生き物?おにいちゃん、なんのことを言ってるの?
アプルルちゃんは会ったことないものね。
なんだ?なにか不思議な力を感じるぞ…。おまえ、何を持っているんだ?
あ、これ、アジマルに読んでもらいたくてずっと持ってたのよ。かくかくしかじかで…
なん…だって?古の民が、この書に魔力を与えてくれただって?
うん。
そんなバカな…!いや、しかしこの魔力…。確かに…。
でもアジマル、魔力吸われちゃったでしょう?開ける?…開いて大丈夫?
その本…、もしかして…!
さすがアプルルちゃん。気づいたっ。
おにいちゃん、だめよ!
えっ!?
相当魔力吸われてるはずなのに、あっさりと神々の書を開いた…!!
無尽蔵の魔力!?
アジマル…!
おにいちゃんっ!!!
ああっ!
弱ってるのにいきなり開くから…!
とりあえず、連れて帰らなくちゃ。
あ、冒険者さん。…おにいちゃんなら、まだ、目が覚めません…。
そっか…。
シャントット博士も、様子を見に来てくださったけど、何も手立てはないって…。このまま、目を覚まさなかったら…。
うーん、体力が回復したら目を覚ましたりしないかなぁ?
…。でも、わたしがしっかりしなくっちゃ。冒険者さん、ありがとうございました。
こんかいのこと、おにいちゃんを助けてくれたご恩はずっと忘れません。
うん。アジマルを闇牢から出せてよかったね。
あ、それと常夜の手袋のことなんですが…、シャントット博士が…。
え…?
詳しくは、シャントット博士に聞いてみてくださいね?
嫌な予感しかしない!!!
とうとうランク9!
もうすぐウィンダスミッション終わってしまうと思うとちょっと寂しいなぁ。
オホホホホ!わたくしの常夜の手袋、すばらしい効果だったようですことね!
流石でございました。
まぁ、アジドマルジドが目を覚まさないのは、難儀なことですけれど…それでも心配はありませんことよ。
そうなの?
なんていったって、彼は、わたくしが育てあげ叩きあげて生き残った魔道士。ちょっとやそっとじゃ、くたばりませんわよ!
な、なるほど。
異常な説得力がある…!
…で、常夜の手袋ですけどね。
どんな問題が…?
わたくしのちょっとした思い違いで手袋から指輪が抜けなくなってしまいましたの。
ええー!?
シャントット様が作るものって、性能はいいけど使用後問題があるものが多すぎない!?
…ああ、ご安心なさって。わたくしがちょっとひねれば、すぐに抜けると思いますから。そういうわけで、院長の指輪はしばらく預からせていただきますわ。オホホホ!
はやくひねって!!
くっ…。
他の院長はともかく、トスカポリカだけは早く返してって言ってたから、断りを入れに行こうかな。
シャントット様の仕業と言えば文句も言えなくなるだろう。たぶん。
待ってたぞ!アジドマルジドは、あれを開いたか!?
おっ、おおっ?
指輪よりも神々の書の内容が気になって仕方なかったのね。
うん。開いたけど、その瞬間倒れてそのまま目覚めず…。
…ムムム、そうか、昏睡状態にあるのか…。それはおそらく、「書の世界」に取り込まれたのだ。
なるほど!
もしも戻ることができたなら、そのとき彼は「神々の書」のすべてを理解していることだろう。…無事に戻れば…だがな。
今アジマルは本の中の旅の途中、ってことね。
最後まで進むと、戻ってくる。真実を知って。
カラハバルハも同じようにして、神々の書を理解したのかな。
アジマルが戻ってくるまで、無事を祈って待ちましょう…。