ランク10の冒険者は、もうここ何年も出てないのなの!!!
そうなの?
ランク10の冒険者に関する書類も見つからなくなってるのなの!!!ランク10になんかなるんじゃないのなの!
ひ、ひどい!!!書類見つけてよぉ!!
…りぃ!神子さまがご無事で戻られた!ウィンダスの未来は護られたのだ!
神子さますごかったよー。
本当にありがとうよ。力ある冒険者のおまえでも感じることがあるだろう、神子さまは、力なき民の心のよりどころなのだ。
!?
ズババ様から頭を下げられた…!!!
ガクブル
おまえが護ったのは、神子さまの御身だけではない、民の心、それはすなわちウィンダスすべてなのだよ。
おお…そうなのね。
えっ、もしかして私、英雄?
りぃ。
神子さまは、お休み中だ。…満月の泉で、あれほどの儀式を行ったのだ。目覚めまで、まだしばらくかかるだろう。
そっか。
月詠みを行ったのって、始まりの神子以来2人目だよね。
すごいよ神子さま。
カーディアン・ジョーカーを始め、あの場にいたカーディアンたちは皆、ただの人形に戻ってしまっていた。
あ、じゃあ、「悪いカーディアン」は全部いなくなったってことかな?
彼らの魔導球にあった星月の力、満月の泉に残っていた星月の力、神子さまの持つまがつみの玉の力…それらすべてを使って、神子さまは神獣フェンリルを蘇らせたのだ。
使えるもの全部引っ張ってきて、惜しみなくドーンと。
それが月詠み…願いを叶えるという力。
すごすぎ…。
神獣フェンリルが、伝説に謳われるような力を取り戻すには多くの時間がかかるだろうが…
あ、そうなんだ。
まぁ1回死んでたわけだしね。仕方ないね。
ウィンダスは星月の加護を取り戻した。再びこの地に、静かに輝く夜と平和な眠りが訪れるだろう。
よかったねぇ。
これで、想定外の事態はあったものの、カラハバルハの計画は完遂された…だね。
アジドマルジド。それに、りぃ。
セミ・ラフィーナ、行ってきたか。やつらそりゃ、ギャアギャア騒いでいただろ?
ギャアギャア?
ええ。だから、書状をやつらのクチバシに叩きつけてきたわ。
はっ。
ヤグードの事すっかり忘れてたわ!
神獣フェンリルが復活したのだから、やつらがホルトト遺跡に文句をつける筋合いはない。
あいつらは慎重だからな。エースカーディアンたちがいなくなった今、和平条約の破棄をするにも、しばらく様子をみることだろう。
確かに、中央塔を動かさないもなにも、フェンリルがいるから勝手に動いちゃうんですー仕方ないんですぅー。だよね。
けれど、やつらのことだ、めげずに、いろいろな理由をつけてくるぜ?
そうね。けれども彼らを恐れる理由は、もうない…。神子さまは解き放たれたわ、…そうでしょう、アジドマルジド?
20年前の呪縛から…うっ、うっ、神子さま…。
そうだな。神子さまは、新しい導きの星を見出された。それに俺も、…妙だな、カラハバルハの呪縛から解き放たれた気がするんだ。
もしかして、カラハバルハに目をつけられてて幽霊がくっついてたんじゃないの…?
俺は、大天才カラハバルハが残していったものに、踊らされていたような気がする…。
どう考えても、あいつは自分の死後、俺みたいな頭の切れる魔道士が現れることを予想してたように思うんだ。
軽口なのか本気なのか!?
おにいちゃん、いい気になりすぎよ。カラハバルハさまはきっと、短気で単純な魔道士が現れるのを予想していたのよ。
兄にだけ辛辣なアプルルちゃんキター!
…なんだ、アプルル。ずいぶんと生意気めいた口をきくな。
俺が思うに、おまえたち手の院がもっと早く、野良カーディアンをどうにかしてりゃ、ずっと平和に解決できたんだぜ。
いいーだ。おにいちゃん、そんな意地悪いうと、口の院の指輪を返してあげないわよ。
兄妹喧嘩が始まったぞー!?
おお、とうとう戻ってきたか。あれがないと、院長部屋が開かないんだ。院長なのに締め出しをくらってるなんて、カッコわるすぎるぜ。
りぃ、ジョーカーは君に、こう言っていたわね。「おまえの意思がこの「時」を導いた」と。
うん?
君の意志は、未来を見失い、歩みを止めたウィンダスに素晴らしい始まりをもたらした。
これから先、君の意志は君自身に何をもたらすのだろう。
何を…。
…私たち、我らがウィンダス、ヴァナ・ディール全体に何をもたらすのだろう。何をもたらしたい?
何を…なに……何も考えていませんでしたぁッ!!
…ふふふ、答える必要はない。意志が「時」を紡ぐなら、君の答えを知る「時」が、きっとまた来るに違いない。
職に困ったら、口の院に来いよ。実験台のひとりやふたり、雇えるだけの予算はあるさ。
神々の書で知った、いくつかの魔法を試してやるよ。いい経験になると思うぜ?
えっ、やだよ!絶対に嫌だぁー!
ホルトト遺跡をさまよう野良カーディアンたちの回収も、協力してね。
ザ・雑用!!!
じゃあ、またね、冒険者さん!
兄妹が本来の調子を取り戻したぞー!
ウィンダスは平和だぁー!!
私も、そろそろ行かねば。…そうだ、もう一度、神子さまのお部屋を訪ねてみるといい。
お休みになる前に、神子さまは君とお話をしたいとおっしゃっていた。
えっ、神子さまが!?嬉しいなぁ。
うん、わかった。ありがとう。
では、りぃ。再会の時まで、共に戦える日まで、その瞳の輝きの止まんことを…。