フンッ、ムダだな。
ん?どうしたの?
フェレーナ姉ちゃんやフィックと一緒に、みんなで花を植えたんだよ。こうして毎日水やってるんだ。はやく咲くといいな!
おおー。街角に緑が増えたらいいねぇ。がんばって。
あ、フィック!それにフェレーナ姉ちゃん!
ここがいつものところだったのね。
まだ芽は出ないか。
フィック、残念だけどまだだよ。毎日水やってんのにね。
どうせダメだ。水をやるだけムダだよ。
え、どうして?
フィックが持ってきた種なんてこのジュノの土では育たないに決まってら。
どうしてそんなことを言うの?やってみないと分からないでしょ?
チェッ、フェレーナ姉ちゃんはいつもフィックの味方だからなぁ。
ギーベは獣人があまり好きではないのかしら。それとも、やきもち焼いてるのかな。うん、そっちっぽいなぁ。
フィック、ムダだと思わない。
えっ?
フィックが種植えたから、こうしてみんなと話しできる。フィック、それがとてもうれしい。
目先の利益に目を奪われない広い視野の持ち主だ…!!
だから、フィック、もし芽が出なくてもムダだと思わない。
フィック…。
フンッ!
フィック、そろそろマック爺のとこ行かなきゃならない。今日はさよならだ。
ええ気をつけてね、フィック。私もそろそろ帰るとするわ。
明日は芽が出てるといいね!バイバイ!
いつもありがとな。
ギーベもいつも肥料やってくれてフィック、感謝してる。
フンッ、別にお前のためにやってるわけじゃないからな!
えっ、ツンデレ…!?
肥料毎日やってるって、やりすぎで種がダメになっちゃった可能性って、無いです…かね…?
花が咲いた時、獣人と人間は仲良くなれるってフィックが言ってた。僕はそれを聞いて、ビックリしたんだ。そんなことを考えている獣人がいるなんて…。
たしかに。ほんとうだね…。
いつかきっと花が咲くさ。いや、僕らが咲かせるんだ…。