そろったようじゃな。あとはクレーディだけか。
オークを追いかけてたクリルラもラーアルもいるけど、捕まえられなかったのかな。
あ、来た。
どうじゃ?ロシュフォーニュの容態は。
いまだ昏睡状態です。今は見守るしかないと医者たちは言っていました。さやに収まっていたとはいえ、あの剣で撃たれたのですから、かなりのダメージだったようです……。
昏睡してんの!?
すごいな聖剣。
そうか……。残念ながら今はくわしい話を聞くことはできんな。じゃが、あの剣が継承の儀に用いられるものなどというのは、教皇の捏造した話だそうじゃ……。
えぇ!?
教皇は勝手に解釈した石板の内容を我々に提示していたというわけじゃ……。そこに書かれていた真の内容は、あの剣を決して抜くことなく代々厳重に保管せよ、ということらしい。
うわぁ…。
国家反逆罪レベルじゃないの?
教皇がなぜそんなことを……?
教皇はあの剣こそ「楽園の扉」を開く鍵だと思い込んでいた……。それはどうやらジュノのエルドナーシュ公が吹き込んだことらしいのじゃが……。
あんなに楽園の扉楽園の扉ってずーーーーーっと言ってたの、エルドナーシュにたぶらかされとったんかい!
エルドナーシュは抜けたらいいな。と思ってたのかな。
あの凄まじいエネルギーといい、もしや聖剣はジラート国の遺物だった…?
半島を吹っ飛ばすほどの力…。
タブナジアはヴォルボー地方の西の孤島。(クリルラ談)
ヴォルボー地方の場所は、公式サイトにはヴォルボー半島って書いてある。けど、おそらく同じ場所を指してルクススはテリガン半島って言ってる。名称が統一されていなかったのか、もしかして違う場所なのか…分からないけども、同じだとして…
テリガン半島には、フェ・インに似た建物がある、と。(ルクスス情報)
もしかして、聖剣はそのエネルギーでアークを起動させる鍵になる。
とかですか!?
我々王族の血をひくものしか剣を抜くことができぬゆえ、弄した策があの継承の儀だったというわけじゃ……。
あ、それは本当なんだ?
じゃあ遺物ってのは違うのかな。
いや、1万年の間に、これは危険だからって、特定の人にしか抜けないように誰かが封印を施した。って可能性もありそう。
すると、まさにあれは茶番……?
そんなバカな……。
これは教皇、厳罰ですな。
教皇の真意は図りかねるが、教皇もまた聖剣に惑わされた1人なのじゃろう、我々と同じくな。
……ではいったい、あの剣の正体は?
今のところ、彼が言った言葉を信じるしかないでしょう。
“あの剣こそがタブナジアを滅亡に導いた”……。
ウム……。とにかくあの剣をオークの手に渡してはならんことだけは確かだ。全軍をあげて剣を奪取せねば。
父上、この指揮はぜひ私に……!
トリオン……?
剣がオークの手に渡ったのは大聖堂での我が失態によるもの……!
ロシュフォーニュと会見してみよというクレーディの進言も聞かず、すべて私の責任!私が思い込んだばかりに……。
思いあがるな、トリオン!
父上……!?
お前は運命という名の舞台で踊っているに過ぎぬ!一度舞台から降り、冷静になるがいい。
父上……。
国王の一喝だ!
今回の指揮はわしが取る。
トリオン、お前は前線に立て。誉れ高きドラギーユ家にふさわしい働きを騎士たちに見せ、我が家の武名を取り戻すのじゃ。
ピエージェは補給路を確保し、前線のトリオンを支援してくれ。
クレーディ、お前はロシュフォーニュを看病し、同時に監視もするのじゃ。我々はまだ彼を全面的に信頼したわけではない。
さすが王様、適材適所に配置したと同時に気を引き締める言葉を添えて命令を出した!
りぃ、こんなドラギーユ王家を見て笑っているか。だが、もしも、もしも我々を見捨てていなければトリオンとともに前線に赴いてはくれぬか。
承りました。
我々が今、もっとも大切にしなければならないのは、我々を信じ続けてくれた民だ。彼ら1人1人が築いた礎の上にわしらは立っておるのだからな。
失礼します、斥候より伝令!剣を奪ったオークたちは北の地フェ・インにて陣を張ったとのこと!
ウム、ご苦労。
では、騎士団をフェ・インに向かわせよ!そして、全将兵に伝えるのじゃ、“これはサンドリアの命運をかけた戦争である”と!