弟!?それじゃ、あなたが…ジラートの王子の、兄の方なの!?
ああ、この姿か?クリスタルと接触した時点で、僕の成長は止まってしまったんだ。
グラビトンが、クリスタルとリンクした兄の方は凄い魔力を秘めているから気をつけろって忠告してくれたのよね。
1万年も待ったよ。最初の計画も丸つぶれさ。
計画というと…神の扉を開くための!?
そう。神の扉を開くには、このクリサリスの復旧が必須なのに、ラオグリムのヤツがノイズとして割り込んでどうしようもなかったんだ…。
そんな時、運良くラオグリムがおまえ達の手で闇の王から解放され、ノイズは消えた。で、ヤツは語り部だというじゃないか?それで、ぴんと来た。
クリスタルに触れて、エルドナーシュは凄い魔力を手に入れて、ラオグリムは闇の王に変身できるようになった。ってことかな。
素質とか、その時の想いとか、色々な要素でどんな力を手にするか決まるのかな。
もしかして、凡人だと気が狂ってしまったり…とか?
語り部だけが持つという失われたはるか『古の種の記憶』があれば、クリサリスを復活させられるぞって。
『古の種の記憶』?ラオグリムはそんなものを持ってはいまい。
おまえ達は知らなくて当然だよ。ヤツ自身もそのことを知らないはずさ。遺伝子レベルで書き込まれた記憶だからね。
遺伝子レベルで古の種の記憶を…?
1万年前のガルカのご先祖からずっと語り部が続いてるってこと?
僕にとっては、ヤツの抜け殻である闇の王の首さえ手に入れば、負け犬なんかに用はないけどね。
えっ、闇の王の首??
ラオグリム本人じゃなくて首でいいの?
あ、遺伝子レベルで記憶。だから、ラオグリムの遺伝子が入ってる闇の王の首でいいってことか。
おまえがそんなものを手に入れたところでどうしようもないだろう!?
…そこで、おまえの妹、フェレーナの出番だ。あの娘は獣人どもと共鳴し、心を通わせていたというじゃないか。
ぎゃー!!!本当に生首が出てきたぁ!しかも浮いてるし!!!
その共鳴能力で『古の種の記憶』をこのデルクフの塔に響かせれば、クリサリスは復活し、トゥー・リアを呼び戻せる。
トゥー・リアを呼び出してしまえば、後はもう向こうですべて準備できるんだ。これでようやく当初の予定どおりことを進められる。
さあ、フェレーナ。
やめろッ!何をするつもりだ?
ひいぃ。首からなんかモヤモヤ出てるし。
カッ!
ぎいやあああ!目があいたああああ!!!
ん?
フェレーナが…。
歌…。
このメロディは、オープニングムービーで流れている、エスペラント語の歌「Memoro de la S^tono (石の記憶)」?
最初のサウンドトラックの冊子に歌詞が載ってた。
歌詞カードを撮って載せていいか分からないから、フェレーナがここで歌ったところを抜粋すると、おそらく…
全世界が戦慄する
災禍がため、絶望にのまれ
防げはしない、いかなる定めにも
とめられはしない、いかなる力にも
の部分。
メロディの盛り上がり部分で選んだのか、歌詞で選んだのか…?
下から何かコポコポと出てきた!
この形は、DNAの二重らせん!?
光っ…
わあー!
ああっ!
ム…!あれが…!?
そうさ。見ろ、あれが神の扉トゥー・リアだ!
って、みんなそこから見えるんかい!!
神の扉…。
フェレーナ!!
アルドには世界の危機よりもフェレーナの方が大事な模様。
さっきからうるさいな、おまえ。そんなに大事なら返してやるよ。
あっ、放り投げちゃう!!
!!
そんなに速く走れるんかい!!
フェレーナ!しっかりしろ、フェレーナ!目を開けてくれッ!
無事キャッチできたようでよかった。
子供の頃、お姉さんを守れなかったのが悔しくて、フェレーナだけは何としてでも守るって覚悟が凄いんだろうな。
でもこの兄妹、血が繋がってないけど、妹としてだけなのかしら?
アルドの実姉は記憶を無くしてるけどセルビナで暮らしてるのよね。会わせたいな。
おまえ達も、神の扉をくぐりたくはないか?永遠とは何なのか、知りたくないかい?どうだい?トゥー・リアに来て、自分達で確かめなよ。
あら、私に言ってるのね。もう復活しちゃったし、壊すなりなんなりする前に一度行ってみたくはあるなぁ。
興味あるよね。
神の扉が開き、楽園に入れば、一番幸せを感じるのは、まちがいなくおまえ達、人間だよ。
そうなの?
人間はいつも、答えの出ない問いを、飽きもせず繰り返してきたからね。僕が、答えを与えてあげるよ。神の扉、トゥー・リアで。
一体なにがあるんだろう?
おまえ達の命が生きるに値しないとわかった時は、世界のすべてをクリスタルに変えてやろう。美しい、永遠の暁…、クリスタルの世界に…。
えぇ…。
勝手なことを…!
そうかい?ならば、おまえ達もトゥー・リアへ来て、自分達で確かめるんだね。
ただし、神の扉をくぐれるのは、クリスタルにその力を認められ、光の洗礼を受けた者のみだ。まずはロ・メーヴへ行って、それを証明しておいで。そうすれば、トゥー・リアへの道は開かれる。
ロ・メーヴで光の洗礼?
待てッ!
てめぇ!
待ちなさい!!
フフフ…、アハハハハ…!!
行っちゃった。
誰かがエルドナーシュを止めないと、このヴァナ・ディールの地は終わりの時を迎えてしまうかもしれぬ…。
自分でやってもいいんじゃよ?
とにかく、私はノーグに戻って、父にこのことを話してみるわ。
はぁー。
結局、カムラナートは倒したけど、トゥー・リア復活は阻止できなかったなぁ。
…。
カムラナートって、見捨てられる必要あったのだろうか…?
まぁ、エルドナーシュの事情とか、ストーリー的な事情とか、いろいろあったんだろうな。きっと。
次は、ロ・メーヴかー。