セイレーンを倒したっ!
ああっ、こんにゃろめ!捕縛解けてやんの!
オワリダ……セイレーン…
喋った!
えっ、何して…何かの力吸い取ってんの?
さっきイロハにしようとしてたのと同じ!?
あっ…
…気配が消えた。まんまと逃げられてしまったな。
あんたがもうちょっとしっかり…!
おお…我を正気に戻してくれたな。すべて、そなたらのおかげだ。
正気じゃなかったんだ!?
世界が滅び、時が失われた未来。ああ…あの未来を「未来」と呼んでよいのかどうかもわからぬ…。大いなるものとはいえ、私は微動だに出来ず、考えを巡らせることも出来ず、ただただ蝕まれ、消えていこうとしていた。
セイレーン、未来にいたの?
そこにあの仮面をつけた存在が現れ、我を取り込んでくれたのだ。
取り込んでくれた…だからそこから逃れることができたのね。
あいつは一体、何者なんだ?お前と同じような、「大いなるもの」なのか?
あの存在は、我よりも強大な力を持っている。自由にとはいかぬものの、時のない世界で動けた。
ええっ!セイレーンよりも力がある…?
時のない世界で動けたって、つまり世の理から外れた存在ってこと?
我には「無の使者」と名乗ったが、実のところは、どのような存在なのかわからぬ。あの存在が、自らの意思で動いているかどうかもな。
…無の使者、か。そして「未来からきた敵」ということだな。
しかも、かなりの力を持つ存在のようだ。りぃ、気をつけろ。
あんたももうちょっと色々と気をつけなよ!!
そのとおりだ。そなたは、あの存在と運命づけられているように感じる。
えっ、嫌だ!!
あのむすめごと同じようにな。
イロハ…。
あいつはまた消えてしまったぞ。
案ずるでない。機が熟せば、そなたらの前へ再び現れよう。加護を与えし者の未来がある限り。
加護を与えし者?誰だろう。
未来がある限り、ってことは、今この現在に生きてる人が未来で加護を与えたんだよね。たぶん。
私?
お父さんかな。
それとも別の、誰か。
もしかしたら人じゃないのかも。
…さて、そなたが未来を護りたいというならば、我の力を貸してもよいが…
えっ、本当!?
そなたは誓うことができるか?この大地に生きる者として。
もちのろんでございます!
そなたの強い意志…言霊として、この地に響き渡った。我が力、そなたと共にあれ…
セイレーンの加護、か。ふ、さすがだな、りぃ。
ふ、縛られるのは好きじゃないんでね。ひと味違うんだよ。
これで、海蛇の岩窟や近海で起きていた事件も解決したということだろう。
あ、忘れてたわ。
俺は一足先に、ノーグに戻り、ギルガメッシュに報告しよう。おまえも後から来い。
はいよー。
だいじなもの:星唄の煌めき【三奏】を手にいれた!