
ここが「接見の間」?

……遅いぞ。

ナグモラーダ!?
なんでいるの!

ん?


あれがっ!?
男神の器。
思ったよりかなりデカかった!!

フフフ……、どうした、おまえたち。あれほど「世界の終わりに来る者」を倒すと息巻いておきながら、そんなところでなにをしている?

りぃ殿、プリッシュ殿。我輩、ここまででござる。心閉ざせども、あの声は忍び入り……我輩を呼び寄せるのでござる。

へへへっ……。ここまで来れただけ、上出来だぜ。俺はおまえと逆で、正直言ってあいつに近寄りたくねぇからな。
2人とも凄いんよ。
私は何も聞こえてないから平気なだけで。

でもりぃ、行かなきゃなんねぇ。しっかり気ぃ引き締めてろよ。
うん。

りぃ、もっと側に来い。気色悪い話だが、おまえと私が分かち持つ「輝き」が、ここでは唯一の光だ。
分かち持つとか偉そうに言うな!ドロボー!
……それにおまえは誰よりも知りたいだろう?

ただの平凡な冒険者だったおまえは、あいつらのせいで平和な暮らしをかき乱されたのだ。


誰もがおまえに押し付けた。「世界を救え」、「人を救え」、あまつさえ「そのために死んでみせろ」とな。
言われてみれば確かに。
しかしおまえは、実を言えば、人も世界も、どうでもいいんじゃないか?

ただ、真実を知りたいだけなんじゃないか?誰も知らない真実を?
人も世界もどうでもいいわけじゃないけど。
真実は知りたいね。
私もそうだ。やっとわかったよ。

この不完全な世界。人と人との伝達もままならぬ世界で、人が頼るべき唯一完全なものは、「真実」。それだけなんだよ。
そうかなぁ?
違うんじゃない?

「真実」を知る者だけが、全知なる者だけが、完全なる、完璧なる「楽園」を知ることができるのだ!

男神プロマシアよ!私に、すべての「真実」を教えてくれ!

不完全な人間たちを導いてやろう!扉の向こう……完全なる「真実」のありかへ!!


やめろ!!!イブノイル様の封印が……!!!
え!?
まさか。





割れた…!

鎖とか紐みたいなのがほどけていく。

敬愛するイブノイルが命をかけた封印を解くとか、何やってんの!?

黒いのが剝がれていく…。




白いとは予想外。

ん?


なんか生えてきたぁ。
りぃ、下がれ!!!

ひぃ。スタコラー!



ちょっと、床に沈んでるよ!?

抗ってない。

な、なんということを!?

全身沈んでしもうた…。

ん?なんか出てきた。
アル・タユにいるジラートの人たちと同じもやもやになってる…?

あっ、これもしかして人間の中にあるっていう虚ろ!?


げえっ、顔…無いけど顔の所に入って行ったぁ。


輪っかまで出てきたぁ。

あれが男神の器。
あんなの誰が作った…。
…まさかあれ、元はジラートの王だったとか、ある?

吠えた!
(アアア……!!!)
(これが真実なのかッ……)

(こんな真実がッ……!こんな真実があるのかッ……!?)

(……人は……)

(……人は……)

(……人は……)

あれ?虚ろの器の中?
ウ・パトの交霊塔ってところに埋葬するんじゃなかったの。
(……人はアアアアァァァ……ッ!)
なんなのさ。

言うなッ!ナグモラーダッ!!!


??? : そこ に いた の か

??? : 我か ら 分かた れた 子供た ちよ

??? : むか えに いこ う

??? : 我が から だに 還 …… レ
これ喋ってるの、男神?
白いのは器じゃなかったの。
あっ、バハムートが「「世界の終わりに来る者」は人々を取り込み……男神プロマシアが、強大な力をもって降臨するのだ。」って言ってたから、これはまだ男神そのものではない。けれど、意識は入ってる。ってことなのかな。



何を…?



ピンクの中に入って行った。

どこへ……、まさかっ!?


瞬間移動ずるい。

今……、あいつ、なんて言ったんだ?

あいつ、いったい、なんて!?

……子供たち……男神の、子供たち……?……それは、まさか……?
四国を見ながら我から分かたれた子供たち
って言ってたね。
つまり、人間は男神の子。
神学生のプリッシュには受け入れがたいんだろう…。
だがしかし!
無宗教である私にとっては女神の子であろうが男神の子であろうが別に気にならないのであった!!

そんなことに気を取られたら男神の思うつぼだぞ!プリッシュしっかりしんしゃーーーい!!

……うう……
「復活」と「死」……。

……そんなことはさせねぇッ……!!!

それでこそプリッシュ!


おい、おまえたち!男神はどこへ行った!?
ああ皆、ひとつになったのですね……

我が主人も、奥方も、隣人も、その隣人もみな……
ひとつの神に……

あっ!あすこにいるぞ!

聞こえるか 女神よ 我が命を守りしもの よ
名前が Promathia になってる。
我は「復活」する そしておまえの望まぬ「死」へ と 虚ろなる闇の果てへ と

永遠の沈黙を伴い 落ちるべく 今度こそが 永劫の別れだ 女神よ

女神が……泣いている……?
男神は死にたい。
女神は死なせたくない。
なんで?

終わりをもたらすべく……


今度は下に向かって何してるの!?






地下の扉?


待っておくれー!どうかおいらも連れていっておくれよー!
ヴァナ・ディールに連れていっておくれよー!

なんだって!?もしかしてあいつ、自力でヴァナ・ディールに降りてくつもりなのか!?

そうだよ~!
プロマシア様は、子供たちみんなが、なんで迎えに来ないか、やっとわかったんだよ~!
5つ目の母なるクリスタルを割って、この都ごとスピーディーにヴァナ・ディールへ降りるつもりなんだ~!
なんてこった!

呼んでるよ~!みんな、戻ってこいって、呼んでるよ~!

……チクショウ。そうか、ナグモラーダだな?あいつが取り込まれちまったから、男神にあいつの知識が、余計なことが伝わっちまったんだ。
あぁ…。
人間が皆こことは違う次元にいて来れないから、自らアル・タユを落としてヴァナ・ディールへ行ってやろうと。

りぃ、それを返してくれ。
ん?うん。
アミュレットね。

プロマシアの心を読んでる?

行かなきゃ!城んなかのエレベータで地下に下りるんだ!

りぃ、ついてこい!男神をとめなきゃなんねぇ!
おう!
りぃの持っていた
不思議なアミュレットをプリッシュに返した。