なんじゃこりゃ!!
プリッシュ!
レーザー攻撃!
避けた!
おい、てめぇ!そんなとこで高みの見物なんて卑怯だぞ!降りてきやがれー!
ハハハ!時間稼ぎには、ちょうどいい見世物だ!
その試作品は、いまだ完成には程遠い代物だが、完成したあかつきには、人の生み出した最強の存在となるだろう。
ま た お ま え か
もっとも、1万年の昔に完成したものたちは、今も神都アル・タユの果てに暮らしているのかもしれんが、な……。
ジュノの船の塗装は赤いのね。
プリッシュ!
あっ!ウルミア! みんな!
そんなにこっちに気を取られてたら…!!
あっ!!
うるさいのが来たな。仕方ない、戦闘レベルをもう一段階上げてみるか。
アルテマウェポン!奴らと遊んでやれ!
アルテマウェポンかい!
やっちゃいな、テンゼン。
落ちていった…。
プリッシュ大丈夫かな。
……なるほど、やはり試作品は試作品、だったか……。
どういうつもりです、ナグモラーダ。あなたはアルマター機関より委員解任、国外追放を命じられたはず。
その命召し上げるまで至らなかった恩赦を忘れ、アルテマウェポンまで持ち出して戦闘艇隊に潜もうとは……
アルマター機関が作ったのか。オメガもアルテマウェポンも。
ろくでもないな。
功を立て、今一度の再起を図ろうとでもお思いですか!?それとも、自棄を起こしてすべてを憎み、この戦術をかき乱そうと!?
……。
あっ、起きた。
ケアルかけたのかな。
……そうですか。やはり、霊獣バハムートに尋ねに来たのですね?神都アル・タユへの道を……。
ナグモラーダ、あなたが神都アル・タユを求むる理由はよくわかります。「心の言葉」を失った私たちはひどく惨めで、孤独なもの。
けれども、それは人が解き放たれていくということ。始まりはひとつだった私たちは、子を産み親となり、一歩また一歩とその世界を広げていく。
それは遥かな昔に、ひとつの大きな母なるクリスタルが、5つに分かたれたことと同じ。
1万年の重み。
私たちはジラートの民よりも先に、巣立ちを経験したに過ぎません。
なるほど、進化の過程だった、と。
……それでは、なぜおまえは「虚ろの器」にて、クリューであることを捨てた?なぜおまえは、今もなおジラートと共にあり、神都アル・タユへの道を閉ざす?
それは……
おまえの思想は、おまえが「虚ろの器」にて、その闇を洗い流したがためのもの。それと同じく、私もこの闇を洗い流すまで解き放たれることなど、ない。
ナグモラーダはコンプレックスがひどすぎるんよ。
そんなに神都アル・タユへ行きたいのなら、ムバルポロスへ行け!
……プリッシュ!?
あいつは、セルテウスは、ムバルポロスのモブリンたちにその道を開くように頼んだ!あいつについていけば、5つ目のでっかいクリスタルにたどり着くさ!
……なるほどな。海に沈んでいようが、土に埋まっていようがモブリンたちなら、たどり着けぬ土地はない。
セルテウスにも再会できるというのならば、さらに都合もいい。
おまえが知りたいことは教えたはずだ!だったら、さっさと帰りやがれ!
帰れ帰れ!
……!?
そうしたいが、受けた恩義を返すが美徳。
えっ、空飛べるの!?
アルマター機関が作った装置使ってるとかかしら。
返してやらねばな、1万年前、クリューが受けた恩義を……
石の記憶の歌?
なんてことを!?奇襲の意味が……!?
バハムート呼んでるのか!!
恩義を返すって。
どんどんナグモラーダが小者化していく。
ははは!私の歌が届いたな、天空の覇者バハムート!
歌ってるからってホイホイ出てこなくていいのよ!
私は、クリューの民!あなた様がた霊獣の加護ありし、力なき民!
この者たちジラートの民を、ヴァナ・ディールに仇なす者たちを、あなた様の贄と捧げましょう!
……くっ!あなたには、クリューを名乗る資格などない!闇に飲まれた、薄汚い凶徒に過ぎない!
そうだそうだ!
ってか、ここにジラート人いる?
他の飛空艇に30年前に目覚めた人が乗ってるのかな。
ならば、だからこそ、この闇を洗い落とさねばならないわけだ。
神都アル・タユにある、「虚ろの器」によって、な!
ここで逃げるんかい!!
もうだめだ~。
もうさよなら~だ~。
ばっかやろう!俺たちの出番は、ここからだぞ!