うわぁ!なんかきみ、すっごいまぶしいんだけど、いったいなにもってんの!?
えぇ!?発光してないよ!!?
そんなとこにポケーって立ってないでよ。落ち着いて寝てらんないじゃないよ。
寝てるって言っちゃったよ。
瞑想じゃなかったんかい。
……え?凍りついた前髪で釘が打てる女を探してる?
前髪で…釘…??
ああ、その女だったら、ヨランオラン博士のとこに運ばれてったよ。
でもきみ、あの女の知り合いなの?あの女は厄介ごとの塊だよ。きみとは逆になんかまがまがしいものを持ってるでしょ?
私とは逆?
あっ、じゃあ一緒にいたら相殺されて丁度いいんじゃない?
それのせいで、あたしがよく夢の中で会う「大いなるもの」に狙われてるみたいだよ。
大いなるものって言ってるけど、ディアボロスの事みたい。
この直前に発生したクエストで言ってたから。
まあ、どこかの誰かがソ・ジヤ遺跡を起動しちゃったから、その「大いなるもの」は自由を失ったみたいだけどね。
クリスタルラインの流れを妨害する設備って言ってたな。
もしかして、設備のエネルギー源にされてるとか?
それにしても、困ったなぁ。獲物を逃した「大いなるもの」が怒り狂ってるから、しばらくは良い瞑想ができないよ……。
おや?君は確か、「恐怖の3大王」を連れてきた冒険者では!?
勝手に来たんだよー!
今日はいったい、なにを連れてきたんだね!?前回は思わぬ展開に取り乱してしまったが、今回はそうはいかんぞ!
お邪魔します。鼻の院の前院長さまのおすまいはこちらでしょうか?
あ、ウルミア。
りぃさん!ああ、良かった。先にいらしていたのですね。
……おお? これはまた、ずいぶんとお美しいお嬢さんではないか。
はっはっは、だが、これくらいのことではもはや、この私を驚かすことはできんぞ!なぜなら私は、ウィンダスいちの沈着冷静を誇る……
冷静…?
ヨランオラン博士の住まいはこちらか!?
ヨランオラン博士は在宅か!?
アタシは罪狩りのミスラ、スカリーY。覚悟はイイわよね、ヨランオラン博士?
ペリィ・ヴァシャイの所の人連れてきてる。
つ、罪狩りのミスラあぁぁぁぁ!?
死んでしもうた。
あのネエ、話すことを話してから気を失ってもらわないと困るわヨ。
生きてたわ。
ヨランオラン博士。アタシが今日ワザワザここに出向いた理由、もうわかってるんじゃないの?アタシたち罪狩りのミスラにはいくら隠してもムダなのよ。アタシたちは忌むべき力を感じちゃうんだから。
忌むべき力……?
アナタたちタルタルには、今までエンのなかった魔力でしょうよ。でもネエ、アタシたちミスラはその魔力を持っている石のせいで、同じ部族が殺しあいをしたことがあるワケよ。
だから今すぐに、アタシに石を渡してちょうだい。忌むべき石、魔晶石を。
つ、罪狩りのミスラさま……おっしゃることはわかります。し、しかし、なにかの勘違いではありませんでしょうか?
みんな罪狩りのミスラに敬語を使うのは、それだけ位が高いってこと?とても敵わないから機嫌を損ねないようにしてるの?
魔晶石などという恐ろしい石、土を研究する私といえど持ちあわせておりませんが……?
アッソウ。前もって言うのは好きじゃないんだけど、アタシ、血を流すことって好きなのよネ。
……!知らないものは、知りませんよ!?だってそれがあなたたちのいう、自然の摂理ってもんでしょう!?
確かに。
ひいい!?
なんてこった。
やめてください!武器で脅すなんて、横暴です!
そうだそうだ!
よってたかって、力ずくで事を成すことに正義があるとでもお思いなのですか!?彼は持っていないと言って……
ならば、忌むべき石を持つは、おまえか??
それとも、そこの冒険者か?
えぇ?多分持ってないと思うよぉ。
??? : ……ふっふっふ……ミスラのねーちゃんたち!そのどっちもハズレだぜ!
!?
魔晶石の真の持ち主はなにを隠そう、この俺!プリッシュ様なんだからな!
ババーン!
と出てきたぁ!!
あれ?頭飾りどうしたんだろう。
プリッシュ!?
おーよ!みんな、待たせたな!俺が来たからにゃ、もーだいじょぶだぜ!
だいじょうぶって……!バカっ!そんなことを言ったら、あなたが今度は!
そこまでですわよ!
おお!シャントット博士!?
もっと大変な人がきたぁ!!
スカリーYとやら!いくら罪狩りのミスラといえど、わたくしの目が黒いうちは、石の区で勝手はさせませんわよ!
厄介なのが来たわネエ。
罪狩りのミスラすら手を焼くだと…!?
さすが連邦の黒い悪魔!!!
ヨランオラン。この際ですから、あなたにも言っておきますわよ!いくらなんでもエルヴァーンの隠し子を作るなんてフケツなこと極まりないですわ!
なっ!?知らん、私は知らん!それは大きな間違いだーっ!
全て隠し子にされてしまう。南無。
さてと。プリッシュさんとやら、これ以上ことがややこしくなる前に、ほら、皆さんに見せてさしあげなさいな。あなたの持つ魔晶石とやらが、手渡したくとも手渡せない理由を……
なんですって?
仕方ねぇなぁ。しっかり見とけよな!
ん?
服を脱いでる…渡せない?
まさか。
(まさか……このようなことが……?)
(忌むべき石をその身に宿すなんて……?)
……。
魔晶石は、それ持つ者の種の業を越えた「闇」を呼び覚ます石。それ持つ者は、やがて人であることを捨て、忌むべきものとなるというもの。
ネエ。なぜアナタは、それを身に宿しているの?なぜアナタは、忌むべきものとはならないの?
忌むべきもの、か。どこへ行っても、その言葉からは逃れられねぇなぁ。
でも俺はここで立ち止まるわけにはいかねぇ!俺たちは一刻も早くバハムートんとこに行かなきゃなんねぇんだ。ヴァナ・ディールのみんなを救うために!
バハムート?それは、真龍の王バハムートのコト?
もっちろんさ!
本来なら、その魔晶石はえぐり出してでも奪い取るのが、罪狩りの決まりだけど……
アタシといっしょに、アットワ地溝まで来てもらいましょうか。アナタの胸にある、黒い魔晶石。あの女ならそれに詳しいはず……。
ふぅん。そいつは願ったりだぜ。
あの女?
プリッシュ!?いったい、どういうことなの!?
ウルミア、俺はあのねーちゃんについていくぜ!俺が探してる「タブナジアの魔石」のありかを知ってるはずだ!
プリッシュ!?
りぃ、ウルミアのこと、頼んだぜ!
え、うん。
それと、親切なおばちゃん、おじちゃん、良くしてもらってありがとよ!
おば……っ!?
シャントット様をおばちゃん呼ばわりした…!!!
((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
プリッシュの胸に、なぜあのような石が……?それも、忌むべき石だなんて……
ウルミア知らなかったんだ。
見たことがなかっただけなのか、最近できたとか?
洗礼の箱に触れた時にできたとしたら、とっくに罪狩りのミスラは気づいてそうだし。
あ、もしかして今まではアミュレットの力で隠せてたとか?
プリッシュはなぜ、今になって「タブナジアの魔石」を探し出そうとしているのでしょう。私も、アットワ地溝に行かなくては……
ですよね。
じっとしていないですよね。
プリッシュに任されたから、私も行かねばだわ。
いったいぜんたい、私の家を舞台にするのはやめてもらいたい!あの恐怖の3人組!そして次は罪狩りのミスラ!呼んでもない客ばかりズラズラと!
何もしてないし悪くもないのに、全て降りかかった災難ってのがとてもヨランオランらしい。
君は冒険者だからと大目に見ていたが、今はさっさとアットワ地溝へ行きたまえ!ほら、しっし!
エルヴァーンのお嬢さんを、あの隠し子疑惑のあるヨランオラン博士のところに置いておくわけにはいきませんでしょう?
そういう理由でシャントット様のところにいたのね…。
ですから、わたくしの家に運ばせたんですけれども、苦労いたしましたわよ。解凍するのに、いろいろな魔法を試してねぇ。
えっ、本当に釘が打てるくらい凍ってたの!?
なんたることたる!!
……けれどもまぁ、夢の世界デュナミスを司るという、大いなるものディアボロスの話が聞けたのでよしとしましたわ。ボスディン氷河にある遺跡ソ・ジヤには、「大いなるもの」が封じられているという話はきいていましたけど、まさかそれが夢を司るものとはねぇ。
シャントット様が新たな知識を得てしまった。
厄災の予感…!!
しかもあの子は、胸にあった魔晶石のせいで、ディアボロスの永遠に平和な夢の世界に誘われていたそうですわ。
魔晶石のせいで?
うーん、何故だ。
ぞっとしますわね!戦いも争いもない世の中なんて、いったいなにが楽しくて生きてるんだかわかりませんものねぇ!オーッホッホッホホホホ!
ひいぃ……。