放り出された…。
ってか、テンゼンの倒れ方www
りぃ殿、大丈夫でござるか?
ぐぬぬ…。
あの少年は……、逃げられてしまったでござるな……。
走って逃げたところを見ると、ワープとかはできないのかな。
あの少年がなぜ、ここにいたのか、それにディアボロスの言っていたこと……。
ううむ、わからぬことだらけでござるな。あのおなごに会いに一度、ジュノへ戻るでござる。
うん。
あの娘さんでしたら、意識を取り戻しましたよ。
おっ、よかった。
夢の中であんなに元気だったものね。
…ん?
さっきプリッシュは自分の夢の中で倒れてて、
謎の少年が助けてくれたって言ってて、
謎の少年はディアボロスがいた所から出てきて…
ということは、プリッシュがディアボロスの夢の中に捕らわれてたのを、謎の少年が引っ張り出した?
いや、そうじゃない。きっとミルドリオン様は、俺に託したんだ。
託した……?なにを……?
アミュレット?
じゃなくて、使命みたいなやつかしら。
ああ、りぃさん。プリッシュを助けていただいて本当にありがとうございました。なにが起こったのか、プリッシュからだいたいの話を聞きました。
彼女は夢の中で、得体のしれない化け物に捕われていたとか?あなたとテンゼンさんのおかげで、プリッシュは意識を取り戻すことができましたが、彼女のアミュレットは見つからなかったそうですね……。
あー、それは多分ナグモラーダが関わってるからあそこでは見つからないよね。
アミュレットのことといい、夢のことといい、私たちの預かり知らないところでいったいなにが起こっているのでしょう?
りぃさん、あなたはなにかご存知なのではありませんか?
それはこちらが知りたいことでござる!
うおお!?
全速力で入室してきたぁ!
そなたと共に現れた少年は、我輩、ジュノ政府、そしてりぃ殿も追っている危険な罪人。あの後、少年は再び姿をくらまし、いまだジュノ親衛隊もその身を捕らえることできぬ様子。
おお。ジュノの様子探ってきたのね。
プリッシュ殿、答えていただきたい。何故、あの場所にあの少年がいたのでござる?あの少年はどこへ行ったのでござる!?
……さぁな。俺にだってよくわからねぇ。とにかくわかったのは、あいつがおっちゃんの言うような危険な罪人だろうがなんだろうが、俺はあいつに助けられたってことだけだ。
テンゼンに向けておっちゃん!!
そういえばテンゼンって何歳なんだろう。
それより俺にとって問題なのは、あいつよりも、あの化け物の方だぜ!おっちゃん、あの化け物のこと知ってるみたいだったな?
そうだよね。
どうしてテンゼンは召喚獣に詳しいのかな。
ありゃなんなんだ!?なんで俺があんな目にあわなきゃなんねぇんだ!?
うむむ……。ディアボロスは、夢の霊獣でござる。
霊獣、ですか?
霊獣とは、大いなる力を持つ生ける神々。ここヴァナ・ディールには「5霊獣」と呼ばれる、5体の生ける神々がいるでござる。
彼らははるかな昔、ヴァナ・ディールを包み込もうとしていた悪しき意志からヴァナ・ディールを守るために戦ったそうでござる。
召喚獣の中でも「新しい力」の方か。
そちらを霊獣って呼んでるのね。
その5霊獣のひとつは、我輩の刀「鳳凰丸」に祝福を与えてくださった再生の鳥フェニックス。
フェニックスはひんがしの国にいるのかな。
そして、夢の使者ディアボロス、星月の導きフェンリル、虹の子カーバンクル、空の覇者バハムート……。
イフリート、タイタン、リヴァイアサン、ガルーダ、シヴァ、ラムウが神々の時代からいる召喚獣で「大いなるもの」
カーバンクル、フェンリル、ディアボロス、フェニックス、バハムートがヴァナ・ディールができた後に生まれた霊獣で「新しい力」
ね。ふむ。
バハムートだって!?
バハムートを知っているでござるか?我輩は「世界の終わりに来る者」を止めるため、中の国に現れたというバハムートに会わんと、ひんがしの国より海を渡ってきたでござる。
!
そういえば……、リヴェーヌ岬んとこに登ったとき、バハムートが「世界の終わりに来る者」がどーのこーのって喋ってたな。
それにプリッシュ、あなたも眠りのうちにそう口走っていました。いったい、「世界の終わりに来る者」とはなんなのです?
……さぁ、俺にもわからねぇ。でも、おまえたちが来る前に、ディアボロスがその話をしてた。どうやら、「石の記憶」って歌に関係してるらしいんだ。
天華崎でウルミアが歌ってて、ナグモラーダが続きを知ってて、その先は神が歌うから人間は歌えない。って言ってたやつね。
石の記憶……
ディアボロスは「世界の終わりに来る者が現れるとき、おまえたちが交わした契約が果たされる」って言ってた。
プリッシュに語りかけてたのか、謎の少年と話してたのか?
だからあいつに、バハムートに一刻も早く会えって……。
契約!?その契約というのは、いったいなんでござる!?
残念だけど、それも俺にはさっぱりわかんねぇよ。ただ、契約のこともあいつのことも、きっとバハムートが知ってるはずだ。タブナジアに帰ればきっと……。
タブナジアへ帰れば?もしや、そなたたちはタブナジアの者でござるか?
ええ。私たちはタブナジアから来たのです。それも、タブナジアに突然現れたバハムートに会おうとして、タブナジアからこちらの大陸に転移させられてしまったのです。
そうでござったか!しかしそれはまた、なんという幸運か。
移転させられたのに、なんで私だけ行き倒れてたんだろう…。
我輩、天晶堂のアルドどのに、タブナジアへわたる船を願い出ていたのでござる。お二方にはぜひとも、バハムートの元へ道案内を頼みたいでござる!
そうか、アルドが言ってた客ってのはおまえのことだったのか?よし、じゃあさっそくタブナジアへの船を出してもらおうぜ!
うむ、そうしようでござる!
……そうだ、それとりぃ!
ん?
言いにくいんだけどよ、このアミュレット、俺にしばらく貸してくれ。
いいよ。気にしないで持ってて。
タブナジアまで逃げてこれたら、おまえのこと、かくまってやるからさ?
……じゃあな!