さきほど運ばれた患者の知り合いですか? あ、あなたは確か……。
えーっと。
ジュノから謂れのない罪を着せられ追われ、謎の少年からアミュレットを貰ったプリッシュの知合いです…?
ここに運ばれた女性の知り合いです!彼女は!?
ああ、あなたもあのお嬢さんのお知り合いなのですか。ではご一緒にどうぞ。
ただ……ひどい状態なんです。意識があるのかないのか、ひどく苦しまれていて……
襲われて間もないだろうにどうしてそんなことに。
まさか、毒…?
プリッシュ!
体丸めて…相当苦しいんだな?
おぬしは!
あれ?テンゼン。
お知り合いですか?こちらのご武人は、昏倒したお嬢さんをここまで運んできてくださった方です。こちらの冒険者の方は、お嬢さんのお知り合いの方のようで……
プリッシュ?なにがあったのです、プリッシュ?
……世界の……
え?
……終わりに…………来る…者……
え…?
世界の、終わりに来る者……?それは……?
!?
テンゼンの刀がガタガタ震えてる…共鳴してる?
呼んで……いる…………だまれ……
世界の終わりに来る者がプリッシュを呼んでる?
……や、やめろ……
アミュレットがない!
アミュレットはどうしたのですか!?彼女がいつも身につけているアミュレットです!
そのようなものは、最初からなかったでござるが?
そんな!
アミュレットが無くてこんなに焦るなんて。
あれが無いとプリッシュの容体が悪くなる?
本来の年齢と見た目が合ってないことに原因がありそう。
そうだわ、りぃさん、あなたの持っているアミュレットをください。きっとそれが同じ役割を……。お願いです、プリッシュを助けるために!
うん。使って。
一応は、落ち着いて眠りについていますが、今度は目覚める気配が一向にありません。いったい、どうしたことか……。
とりあえず苦しいのが無くなって良かったけど…。
りぃさん、あのアミュレットのせいなのでしょうか?
それっぽいよねぇ。
謎の少年が持っていたアミュレットにプリッシュのアミュレットと同じ効果がありそう…って。プリッシュ、アミュレットを誰から貰ったんだろう。
あれはあのとき、ここを逃げ出した少年から渡されたものですよね。あの不思議な少年ならこの原因を……
その少年とは、もしやあの少年でござるか!?ジュノ政府が追っている!?
うん。
ええ、あなたもご存知なのですか?
うむ、ジュノ大公宮にて、その危険な少年の話を小耳にはさんだでござる。
……なるほど、その少年と同じアミュレットを、あのおなごは持っていたのでござるか。となると、そのために狙われた……?
誰が…
あー、ナグモラーダがアミュレット気にしてたな。
もしかしてチェブキー兄妹がプリッシュから奪った?それならプリッシュも油断して…ってありそう。
そんな……。あのアミュレットは、大聖堂のミルドリオン枢機卿さまからいただいたものだときいております。罪人に関係があるものではございません!
ミルドリオン枢機卿が!?
どこで手に入れた…?
ミルドリオン枢機卿……?
はい、プリッシュが小さい頃にある事故で大きな怪我を負ったとき、ミルドリオン枢機卿さまがお守りとしてくださったものだとか。プリッシュはあれを肌身離さずに持っていないといけないのです。それなのに、だれがあのアミュレットを……。
大きな事故で怪我。
もしかしてタブナジアの魔石が関係あったりする?
その事故が原因であの体になったのか、アミュレットを持っていたからあの体になったのか?
やはり、あの少年が自分のアミュレットを取り戻しにきたのでしょうか。しかし、あの少年を北方の遺跡「ソ・ジヤ」で見かけたという話をきいたばかりなのですが……。
取り戻すなら、私の所に来るよね。
なに!?それは本当か!?
……え、ええ。凍傷の手当てをしたジュノの兵士がこぼしてましたよ。その知らせを受けて、親衛隊がボスディン氷河に向けて旅立つとか。
さすがモンブロー先生。情報通。
なるほど、ボスディン氷河にある遺跡「ソ・ジヤ」とやらに第4の石が!?早速向かわねばならぬでござる!
あ、お待ちを……!
場所知ってんの!?
……「ソ・ジヤ」は、天晶堂が管理しているはずです。ご出立の前に許可をいただいたほうがいいかもしれません。
そうでござったか!かたじけないでござる!ではごめん!
天晶堂かぁ。
ちゃっかりしてんなぁ。