次のミッション受けに来たぞーい。
って、普通に大統領執務室に入れるようになってる。
奥の扉も行けるのかな。
女の人がいる。
お嬢様は現在お部屋にてお勉強中でございますよ。珍しく今日は大人しく……。
執務室の奥がコーネリアの部屋なのか!
だから以前ここから飛び出してきたのね。
あっ。
お嬢様!今日という今日は外出は許しませんよ!お父上からも絶対に出すなときつく言われて……。
……いらっしゃい。入って。
え、いいの?
ああ、お客様をお招きになっただけですか……それでしたら……。
お嬢様っ!いけません!一介の冒険者をお部屋に入れるなんて!!お嬢様っ!!
めっちゃ怒ってるよ?
うるさいわね、まったく……。こうやって見張られるばかりの毎日なの。ま、しょっちゅう抜け出してるけどね。
父親の態度といい、コーネリアがこうなっちゃうのも納得しちゃうなぁ。
外野からしたら猪突猛進の困ったちゃんだけど…。
あ、そうだ。あなたに聞こうと思ってたの。コーネリアって名前のミスリル銃士の話、聞いたことある?
あるよ。
最初はお口の悪いお嬢でした。
そうよね。有名な方だものね。格闘家のミスリル銃士、貧富や種族の差なく、誰にでも優しく接した女性……。
ガルカ初の銃士隊隊長と期待された語り部ラオグリムとの許されぬ恋もささやかれることがあったという……。
ガルカって大勢でまとまってというか、群れでというか、大きな単位でやってきてるイメージだけど、特定の誰かを選ぶことって今まであったのかな?
それもこれも、2人とも30年前のザルカバードへの調査隊に参加して、帰らぬ人となったからだけど……。
尾ひれがついた…ってわけでもなさそうだけどね。
私の名前ね。そのコーネリアさんにちなんでつけられたの。亡くなったお母さんが誰からも愛され、分け隔てなく接することができる人になるように……って。
オグビィに鍛えられる前の姿は世間に知られていないようだ…。
そのせいかな。ガルカのみんなが差別されてる今の状況が許せなくて、少しでも自分が役にたてることがないかと思っているのだけど……。
名前は関係なく、あなたの性分だね。
だめね。何回か見たでしょ。空回りばっかり。世間知らずの私なんかにできることなんてたかがしれてるわ。
でも巻き込まれてる人たちは、困ったお嬢さんだ。と思っていても、仕方ないなぁ。って感じで、怒ってるわけじゃなかったから、コーネリアの想いは伝わってるんだろうね。
この前もあるガルカの子にね、結局ヒュームの姉ちゃんに何もわかりゃしないんだから、無理なんてすんな、なんて言われたの。
無理……してるのかな、私。
頑張りすぎてる感じはするかな。
ううん!無理なんてしてないわよ!まったく、失礼しちゃうわ!グンパめ!
急激にいつものコーネリアが復活したぁ!
ちょっと私、でかけてくる!
えーっ!?
一瞬で行ってしまったぁ!!
このあとグンパの所に行ってみたけど、何も起こらなかった。
何かのクエストって訳じゃなくて、ミッション中のイベント的なやつなのかなぁ?
きっとコーネリアは台風の目のような勢いで周りを猛烈に巻き込みつつ、ガルカとヒュムがいがみ合うことのない未来を実現できる…ような気がするね。
頑張れ。
私のいない所で…。