ジュノから帰ってきたんだな。詳しい説明は後だ。すぐ来てくれ。
うん。
いきなり大統領府の内部へと使い魔を送り込んできたと?
はい、油断しておりました。まさかそのようなことが可能とは……。
ルシウス補佐官からも魔法の力に対する防衛の甘さは指摘する報告があったが……。
……。
大変なことじゃないですか。
お父様は!?
コーネリア……。
シドおじさま!お父様の身に何が……。
落ち着くんだ、コーネリア。取り乱したところで……
父親が襲撃にあったって聞いたら、そりゃあ驚くよね。
お父様は……まさか……。
珍しく帰って来たと思ったら、今度は勝手に父親を殺すのか?
お父様!!
ピンピンしとるやないかい。
コーネリア、おまえが口を出す問題ではない。部屋に戻っていなさい。
一報を聞いてすっ飛んできたんだろうから、心配かけたね。くらい言ってやればいいのに。
ルシウス、状況を説明するように。
敵の使い魔は魔法を使って執務室からプレジデントの私室に侵入。プレジデントが起きていらっしゃったことも幸いして、かろうじて御怪我はありませんでしたが……。
護符が……奪われました。
護符だと!?闇の王を封印した……!?
20年前、工房長や隊長が参加した大戦の結果、闇の王は敗れ、北の地に封印されました。
シドも闇の王倒しに行ってたの!?
裸エプロンで極寒の地に…?さすがに違うと思いたい。
その後、3国で分割して保管していた、その護符が……。
いったい誰が……。
わからんのか?まあ、私に反感をもつ者が多いからな。
しかし無能な大臣どもにこんな作戦の実行力はなく、ガルカの反乱分子にこんな魔法を扱える訳がない。
……。
えっ、結局プレジデントも誰がやったか分かってないってことでは??
お父様!ガルカのみんなをそんな風に言うなんて……
……部屋に戻れと言っている。
……!!
戻る間もなく話を続けたのはプレジデントやないかい!
うーん、コーネリアが不憫だなぁ。
……当然、他国からの報告にもあったように、闇の血族が、闇の王の復活を狙ってのことでしょう。
だとすると、北の地へ調査団を派遣した方が……。
ミスリル銃士隊を動かして、調査団を出すとなると議会にかける必要が出てくる。
大統領府直属の部隊だけど、私兵じゃないから勝手に動かせないのか。
そんな暇はすでにない。だいたい、間抜けな大臣どもに危機意識などない。
以前ミッションを受けたアロイス大臣って人も腐ってたし、みんなあんな感じなんだろうな…。
では……。
適任者はいるだろう?
嫌な予感しかしない!!
みんな見てるし!!!!!
冒険者にミッションを与える。それならば銃士隊の管轄下で動けるはずだ。
ぎゃぼ。
返事は今でも後でもいい。次のミッションを受けてくれるか?
いいよぉ。
と言うしかない。
それではこちらで話そう。フォルカーも来てくれ。